昔(というか、今もそうなんだけど)、兵庫県の祖父母の家に行くときは、まず決まって、飛行機で千歳空港から伊丹空港(大阪国際空港)まで行った。
伊丹空港というのは、かつて住宅街だったところに飛行機が墜落した跡を更地にして空港にした、っていう嘘がまかり通るかも知れないくらい、信じられないくらい住宅の密集したなかに、ある。
飛行機に乗って、伊丹空港に着陸していく瞬間は、本当に住宅街にダイブしていく感覚だ。着陸する3秒前くらいにようやく窓に滑走路が飛び込んでくる。
小学生くらいのときに、おばあさんが俺に「ここに住んでる人は、大変なんだよ」って教えてくれた。
「なんでこんなところに空港を作ったんだろう」と、聞くと
「昔はこのへんは畑が多かった」と教えてくれた。
まだ、神戸と大阪が街で繋がっていなかったのだ。
「じゃあどうして、そんなところに移住してくるんだろ」って、そのときも今も思う。
今なら、いくらか理解できなくもないけど。
羽田空港をハブ空港にするかどうかでモメている、ってニュースでやってる。
ややこしいから「羽ブ空港」ってことでいいと思う。
いや、良いことはない。
羽田空港がハブ化されれば便利であることは当然のことだ。
そもそも、東京に近いからそこに出来たわけで、羽田が他のどこの空港よりも便利なのは当然のことだ。
だけど、羽田を国内・国際両方をまかなうのは不可能だから、成田空港を作ったわけだ。
理屈からすれば成田空港をハブ化するのが、当然なんじゃないか、って素人目には映る。
韓国の仁川空港がそうであるように、都市部の手狭になった空港に替わって、郊外に大きな滑走路を建設して出来た空港は、その時点でハブ空港となる宿命を持っているんじゃないんかな。
国内線の千歳空港と、道内航路がメインの札幌丘珠空港の構図からしてもそうだろう。
成田空港がハブ空港であれば、国内のさまざまな地域からの国際線の乗り継ぎに成田を経由して利用するだろう。
それと同時に、羽田は羽田で、東京の玄関口として国内各地から人の往来が絶えないだろう。
もし羽田がハブ化されてしまえば、それはそれで良いんだけど、成田の存続の意義が大幅に薄れるでしょう。
理屈からして、おかしいと思うのだ。
そもそも、1960年代においては、羽田空港を拡張することは、土木・建築技術的に困難であったうえに、東京港湾の利用との兼ね合いからも極めて難しいとされた。
だから、千葉の郊外に成田空港を作った。
成田がハブ化されて、解決されるはずだったんじゃないんだろうか。
ところが、反対住民との闘争や訴訟がおきた。
それが、開港して、さらに30年経ってもまだ解決しない。
未だに思うように滑走路が使えない。
だからせっかく大きな空港なのに、思うようにキャパを伸ばせないでいる。
結局、羽田に対する大きなメリットが無くなってしまっている。
それどころか、都心から遠いだけ。
そうこうしているうちに、技術革新によって羽田空港を拡張することがさほど難しくなくなった。
そうなれば、羽田をハブ化させようというのも、まぁ自然な流れかもしれない。
けど、成田を格下げすることなって、ほとんど成田空港そのものが立地的に失敗だった、ってなりかねないんじゃないかなぁ。
一応、あるから今後も使い続けるけど、っていう感じで。
成田空港の問題を教訓に、関西国際空港をはじめ新しい空港は皆、海上に建設されるようになった。
もし成田空港がないまま、今から「新東京国際空港を作る」ってなれば、木更津の海上に作るのが良さそうですね。
アクアラインで行けば、都心から近いし、羽田からのアクセスもバツグンでしょ。
アクアラインに鉄道を通す必要があるだろうけど。
素人なりに、好き勝手言いました。
空港って、なんか好きです。