仕事が辛いなー
と思うときは、
いつもモスバーガーのバイトの事を思い出します。
大学1年から2年まで、空港内にあるモスバーガーでバイトをしていたのですが、
これは期間で言えば1年間でしかないけれど、もう語りつくせないほど辛いバイトでした。
まずその基本原則として、
モスバーガーという店は、ファーストフードであるにも関わらず決して作り置きをしません。
いつでも出来たてを提供します。
このコンセプト自体は非常に良いと思うのですが、
いかんせん空港という立地にはそぐわない・・・。
実際に行ってもらえばわかりますが、
某航空会社の到着口の真横にあります。
すると、
まァ、空港内は慢性的に人が多いんだけど、とくにその到着口に飛行機が到着したら、イッキにドバーっと人が溢れかえります。
特に羽田か関西からの便。
もうワヤです。てんやわんや。
で、あるにも関わらず、店の規模はすごく小さくて、「作る人」「売る人」の2人で働くのが基本となります。いても3人。
あの過酷な状況は、思い出すだけで火傷しますね。
パンを焼く機械が、焼きあがったのを知らせるブザーの音と、
揚げ物が揚がったというタイマーのピピピ音がもう絶え間なく鳴り響いてるんですね。
そんな中も、レジの行列は伸び続け、
モスバーガーが「待たされるハンバーガー屋」だと知らない客はキレはじめ、
「モスバーガー」のミートソースは切れ、
鍋でソースを加熱しながらそこからジカにすくって「モスバーガー」を作り、
そのまま次はフライドポテトをとって、油をろくにキレずに紙袋に入れるから、熱々の油が手に伝わって、
床には油がこぼれてるのに、誰もブラシで流すヒマがなくて、
そのうち本気で、すってんころりん転んでも、誰も笑う余裕もなくて、
そういえばあそこのテーブル、御客さん帰ってから30分くらい経つけど、だれもトレー下げにいけてないままだなー、と思ったら
なんかコゲ臭いのに気づいて、
そうだ、鍋で暖めてたミートソースそのまま火にかけてた、
あー、もう使えない、コビりついてる、
あー、わや
とりあえずナガシに持っていって、放置。
水かけるヒマもない。
あー、ロースカツバーガー用のキャベツ千切りなくなった、ストックもない。
ちょっと、倉庫からキャベツ持ってきて!
って、普通のモスバーガーは店舗裏に倉庫があるけど、
ここは空港だから、
地下に借りている倉庫までいかなくちゃならなくて、
ここの空港は「Cの字」状に湾曲してるから、地下降りてからものすごく遠くて、や、ほんと遠いんだわ、ダッシュしても息切れてダッシュしきれないから、たぶん150メートルかそれ以上あったんだと思う。
で、ついて、
キャベツと、
一緒に、倉庫の中の冷凍庫の中のエビカツも1箱持っていかなきゃ。
こんな誰もいない倉庫の中で、冷凍庫に閉じ込められたら絶対死ぬね
さっきまであんなに火傷してあつかったのに、今度は極寒。
寒いし、急いでるから横着して1箱取ろうとしたら、上からいろいろクズれてきて、
俺知らね、次来る人任せたよ。
って、どうせ次来るのも俺。
月平均「週6.75日」働いてた俺・・・。
12連勤、中1日開けて20連勤。
社員より働いて意味がわからない。
毎日8時間普通に働いてるし;
ソッコーで店戻ったら、
俺が15分居なかった間に、当然、回転わるくなって注文たまってて、店長とバイトの女子高生パニクってて、
かといって俺も、仕事が速いタイプじゃないから、
全然ダメで。
正月なんて関係なくて、むしろ正月なんて空港めっちゃ混んでるし。
人生史上初の「初日の出」は空港に向かう電車の車窓からでした。
あのバイトで痩せたからね。
まだ高校の部活からのブランクもあまり無かったし、基本的に痩せ型の俺が、
明確に10%も減量させられた。
毎日帽子かぶるから、
もう髪の毛くしゃくしゃで治らなくて、
バイト辞めてから10日くらい本当に、もう治らないんじゃないかと思った。
慢性的に人手不足で。
理由がないと休めない呪縛。
べつに用事はないんですが、
ただずっと休んでないんで、休みください
「なんとか明後日にしてもらえない、明日人居ないんだ」
その繰り返し。
普通のモスは、閉店に向けて、
営業時間中から少しずつ掃除をしていく。
調理に使う器具を分解して洗浄して、消毒する。
明日のためにキャベツの千切りもトマトのスライスも、レタスの千切りも、タマネギの微塵切りもする。
でも、空港はもう閉店とか時間関係ないから。
とりわけ、
ゆきまつりシーズンに、吹雪で最終便が飛ばなかった日なんてのは、
空港で夜を明かす人のために、
「3つの理念」の一つとして「ホスピタリティ」を掲げるモスバーガーは
店をしめない・・・・
あのときの疲労といったら、壊滅的だね。
ただでさえそんな日は、ずーっと混んでて大変だったのに、
何時に閉店できるかわからない、先行き不透明感から、テンション暴落。
たまに来るオーナーが、
「いつもごめんね」
って言って、
やまぶどうスカッシュを注いでくれて、
「こんなもんで元気でねーよ、休みをくれよ!」
って、内心さけびながら、
やまぶどうスカッシュ、
飲んだら
しかし、
かつて無いほど美味。
学生なのに、社員以上の時間はたらいて、
手取りで16万円、文字通り現金で手にとってもらったとき、
嬉しくもなんとも思わなかった。
16万円なんて学生の俺には、今以上に大金だったけど、
20パーセントくらい返すから休みくれ、と。
そればかり。
あんなに猛烈に働いたのに、
せっかく空港なのに、
会った芸能人は、SOPIAの松岡、だけ。
しょべーなー。
あのとき、ほんと辛くて、
辞めて、
初めての一人旅に出た。
モスでバイトしなければ一人旅に出たいとも思わなかったかもしれないし、
その資金もかせげなかった。
あのとき、でも逆にいったら、あそこまで続けれたのは、店長は決して悪い人ではなかった。
クルマが好きで、その年発売予定だったフェアレディZとアテンザとRX-8がどういうクルマなのか、気に入ったら買ってもいいな、っていうそういう話もした。
でも、辞めるときは大変だった。
1日の休みでさえ、人が居ないからって先延ばしされて、20日連続で働かされるくらいだから、辞めるなんてのは言うだけ無駄だった。
それで、止むを得ず、嘘をついた。
東京の学校に行くことにした、と。
今ふりかえれば、もうすこし店に協力してあげて、嘘なんてつかずにしっかり辞めてあげればよかった、とも思う。
けど、あのときは本当に大変で、体力的にも辛かったし、それが本職なら行けたけど、一応は学生なわけで、単位落とすわけにはいかなかったし、
事実、2つくらい落としたのはモスが原因だったと思われたし、
とにかく辞めるしかなかった。
辞めてから、空港行ったときには何度か顔だそうかとも思ったけど、
なんとなく罪悪感あって行けてない。
もし、あそこのモスを使うことがあったら、
働いてる人たちは、他のモスバーガーより大変だということを解ってあげて、
すこし待たされても許してあげてください;
懐かしいなァ
と思うときは、
いつもモスバーガーのバイトの事を思い出します。
大学1年から2年まで、空港内にあるモスバーガーでバイトをしていたのですが、
これは期間で言えば1年間でしかないけれど、もう語りつくせないほど辛いバイトでした。
まずその基本原則として、
モスバーガーという店は、ファーストフードであるにも関わらず決して作り置きをしません。
いつでも出来たてを提供します。
このコンセプト自体は非常に良いと思うのですが、
いかんせん空港という立地にはそぐわない・・・。
実際に行ってもらえばわかりますが、
某航空会社の到着口の真横にあります。
すると、
まァ、空港内は慢性的に人が多いんだけど、とくにその到着口に飛行機が到着したら、イッキにドバーっと人が溢れかえります。
特に羽田か関西からの便。
もうワヤです。てんやわんや。
で、あるにも関わらず、店の規模はすごく小さくて、「作る人」「売る人」の2人で働くのが基本となります。いても3人。
あの過酷な状況は、思い出すだけで火傷しますね。
パンを焼く機械が、焼きあがったのを知らせるブザーの音と、
揚げ物が揚がったというタイマーのピピピ音がもう絶え間なく鳴り響いてるんですね。
そんな中も、レジの行列は伸び続け、
モスバーガーが「待たされるハンバーガー屋」だと知らない客はキレはじめ、
「モスバーガー」のミートソースは切れ、
鍋でソースを加熱しながらそこからジカにすくって「モスバーガー」を作り、
そのまま次はフライドポテトをとって、油をろくにキレずに紙袋に入れるから、熱々の油が手に伝わって、
床には油がこぼれてるのに、誰もブラシで流すヒマがなくて、
そのうち本気で、すってんころりん転んでも、誰も笑う余裕もなくて、
そういえばあそこのテーブル、御客さん帰ってから30分くらい経つけど、だれもトレー下げにいけてないままだなー、と思ったら
なんかコゲ臭いのに気づいて、
そうだ、鍋で暖めてたミートソースそのまま火にかけてた、
あー、もう使えない、コビりついてる、
あー、わや
とりあえずナガシに持っていって、放置。
水かけるヒマもない。
あー、ロースカツバーガー用のキャベツ千切りなくなった、ストックもない。
ちょっと、倉庫からキャベツ持ってきて!
って、普通のモスバーガーは店舗裏に倉庫があるけど、
ここは空港だから、
地下に借りている倉庫までいかなくちゃならなくて、
ここの空港は「Cの字」状に湾曲してるから、地下降りてからものすごく遠くて、や、ほんと遠いんだわ、ダッシュしても息切れてダッシュしきれないから、たぶん150メートルかそれ以上あったんだと思う。
で、ついて、
キャベツと、
一緒に、倉庫の中の冷凍庫の中のエビカツも1箱持っていかなきゃ。
こんな誰もいない倉庫の中で、冷凍庫に閉じ込められたら絶対死ぬね
さっきまであんなに火傷してあつかったのに、今度は極寒。
寒いし、急いでるから横着して1箱取ろうとしたら、上からいろいろクズれてきて、
俺知らね、次来る人任せたよ。
って、どうせ次来るのも俺。
月平均「週6.75日」働いてた俺・・・。
12連勤、中1日開けて20連勤。
社員より働いて意味がわからない。
毎日8時間普通に働いてるし;
ソッコーで店戻ったら、
俺が15分居なかった間に、当然、回転わるくなって注文たまってて、店長とバイトの女子高生パニクってて、
かといって俺も、仕事が速いタイプじゃないから、
全然ダメで。
正月なんて関係なくて、むしろ正月なんて空港めっちゃ混んでるし。
人生史上初の「初日の出」は空港に向かう電車の車窓からでした。
あのバイトで痩せたからね。
まだ高校の部活からのブランクもあまり無かったし、基本的に痩せ型の俺が、
明確に10%も減量させられた。
毎日帽子かぶるから、
もう髪の毛くしゃくしゃで治らなくて、
バイト辞めてから10日くらい本当に、もう治らないんじゃないかと思った。
慢性的に人手不足で。
理由がないと休めない呪縛。
べつに用事はないんですが、
ただずっと休んでないんで、休みください
「なんとか明後日にしてもらえない、明日人居ないんだ」
その繰り返し。
普通のモスは、閉店に向けて、
営業時間中から少しずつ掃除をしていく。
調理に使う器具を分解して洗浄して、消毒する。
明日のためにキャベツの千切りもトマトのスライスも、レタスの千切りも、タマネギの微塵切りもする。
でも、空港はもう閉店とか時間関係ないから。
とりわけ、
ゆきまつりシーズンに、吹雪で最終便が飛ばなかった日なんてのは、
空港で夜を明かす人のために、
「3つの理念」の一つとして「ホスピタリティ」を掲げるモスバーガーは
店をしめない・・・・
あのときの疲労といったら、壊滅的だね。
ただでさえそんな日は、ずーっと混んでて大変だったのに、
何時に閉店できるかわからない、先行き不透明感から、テンション暴落。
たまに来るオーナーが、
「いつもごめんね」
って言って、
やまぶどうスカッシュを注いでくれて、
「こんなもんで元気でねーよ、休みをくれよ!」
って、内心さけびながら、
やまぶどうスカッシュ、
飲んだら
しかし、
かつて無いほど美味。
学生なのに、社員以上の時間はたらいて、
手取りで16万円、文字通り現金で手にとってもらったとき、
嬉しくもなんとも思わなかった。
16万円なんて学生の俺には、今以上に大金だったけど、
20パーセントくらい返すから休みくれ、と。
そればかり。
あんなに猛烈に働いたのに、
せっかく空港なのに、
会った芸能人は、SOPIAの松岡、だけ。
しょべーなー。
あのとき、ほんと辛くて、
辞めて、
初めての一人旅に出た。
モスでバイトしなければ一人旅に出たいとも思わなかったかもしれないし、
その資金もかせげなかった。
あのとき、でも逆にいったら、あそこまで続けれたのは、店長は決して悪い人ではなかった。
クルマが好きで、その年発売予定だったフェアレディZとアテンザとRX-8がどういうクルマなのか、気に入ったら買ってもいいな、っていうそういう話もした。
でも、辞めるときは大変だった。
1日の休みでさえ、人が居ないからって先延ばしされて、20日連続で働かされるくらいだから、辞めるなんてのは言うだけ無駄だった。
それで、止むを得ず、嘘をついた。
東京の学校に行くことにした、と。
今ふりかえれば、もうすこし店に協力してあげて、嘘なんてつかずにしっかり辞めてあげればよかった、とも思う。
けど、あのときは本当に大変で、体力的にも辛かったし、それが本職なら行けたけど、一応は学生なわけで、単位落とすわけにはいかなかったし、
事実、2つくらい落としたのはモスが原因だったと思われたし、
とにかく辞めるしかなかった。
辞めてから、空港行ったときには何度か顔だそうかとも思ったけど、
なんとなく罪悪感あって行けてない。
もし、あそこのモスを使うことがあったら、
働いてる人たちは、他のモスバーガーより大変だということを解ってあげて、
すこし待たされても許してあげてください;
懐かしいなァ