林さんちに行ったとき、ぜひ読んでほしい面白い小説を紹介するのを忘れていました。
「晩菊・水仙・白鷺」(講談社文芸文庫)に入っている「晩菊」という短編です。わずか30ページと短いから、図書館で借りてでも読んで欲しい。
一言でいうと、スカーレット・オハラの晩年といった趣。
かつて並ぶもののない美貌と謳われた芸者きんは、年老いて一人で静かに暮らしています。そこにかつて熱烈な愛を交わした男から「今から行ってもいいか」との連絡が入ります。
「きんは急いで風呂に入った。別れたあの時よりも若やいでいなければならない。自分の老いを感じさせては敗北だと~」
「恋をする、その事自体が、きんにとっては芸術品を造り出すような気がした」(と、素敵なフレーズもいっぱい)
ところが、男は、事業の失敗で彼女のお金を借りにきたんですね。
老いたスカーレットがレッド、あるいはアシュレイに再会すると、こんな感じ?
この時主人公の年齢は50歳を過ぎたばかり。今の私よりも若い~~
老女、老女って、何度も書いてあるんですよね
「花の命は短くて~」と言いたくもなるような内容です。
さて、林芙美子邸をあとにした三姉妹は、神田川添いに歩いているうち「染めの里・二葉苑」の表示を見つけました。
ここは行く予定がなかったので、ラッキー
「あなたはもう忘れたかしら♪~~窓の下には神田川」(古いね)
「若かったあの頃、何も怖くなかった~」(いえいえ、今のほうが怖いものはないよ♪)
工房の隣り合ったギャラリーには、素晴らしい作品がいっぱい。写真も「どうぞ」ということで、ばんばん撮ってみました。
奥には染色関係の書籍とテーブルが用意してあり、ゆっくり読めます。
古いきものをこんな風に使うのもいいですね。
6月の14、15日には「特別バーゲン」があるそうです。
「ちょっと訳ありのきもの、帯を出すそうです」(要・予約)
二葉苑では染色体験もやっていますね。ときどきブログで体験記を拝見していました。
泥染めから型紙彫刻、ぼかし染めなど、体験の種類が豊富。
このときに限らず、水・土曜には江戸更紗の体験できるんですって。
どれに行こうか、思案中。
二葉苑の入口です。
あまりにカジュアルになり過ぎないように本日は刺繍かごバッグ。
小母さまの帯の紹介をまたし損ねたわ。実は、あまりに素晴らしさに、同じ手法で紫苑も試みていますの。
次にはそれも含めて手作り作品、いろいろ紹介させてください。
三姉妹への応援
ありがとうございます