先週、NHKの日曜美術館で放送されていた「漱石の美術世界展」に触発され、東京藝術大学美術館に行きました。
漱石の作品に出てくる絵画などを展示するとともに、「虞美人草」の主人公藤尾の臨終のシーンに出てくる酒井抱一の作品(実際には漱石の創作)を、現代の画家が描いたり、「三四郎」の美禰子が東大の三四郎池にたたずむシーンを描いたりと、とてもユニークな美術展です。
「女はまぶしいと見えて、団扇を額のところにかざしている。」
三四郎が美禰子に一目ぼれするシーンですね。
美しいのでアップでも。
漱石は、おとなしい女性より、いわゆる「魔性の女」コケティッシュな、男性を翻弄するタイプがお好きなんですね。
その象徴が「虞美人草」
虞美人草は、ひなげし(丘の上ひなげしの花が~~。アグネス・チャン)というと可愛らしいけど、罌粟、ココリコという少し毒を含んだ花という気がします。
虞美人草は、中国の絶世の美女から出たネーミングです。
東大の心字池(のちの三四郎池)。三四郎が美禰子を見初めた場所です。
漱石、よく読みましたが、長いあいだ忘れていました。
若いときには、あまりに教科書的だと勘違いしていたけど、「草枕」とか「夢十夜」とか幻想的ですごく面白いんですよね。
再読します
カキツバタの折り紙は、テラスで本をめくっていたら、どこかの教授らしき人が、去り際にポンと置いて、「あら!」というと、にこっと笑って「どうぞ」
うーん、さすが「漱石展」に来ている人、粋だわ。
ワタクシをゴミ箱と間違えたわけではないですよね
本日のきものは、やはり虞美人草小紋でしょう。
単衣の季節に小紋着ることあまりないのですが、この日に着ないでいつ着るのってところです。
千總の単衣小紋に単衣紬の帯。
これは前に黒と合わせたけど(「椿尽くしで湯島のお茶会)、しっくりこなかった。
ひなげしといえば、やはりこの季節だよね。やはりその季節に合うようにできているのね。
帯は単衣紬の作り帯です。
帯は少しカジュアル過ぎました。
帯留はネコちゃん。
まっ、それはともかく、「虞美人草」の藤尾の枕元に置いてあったという屏風。
「色は赤に描いた。紫に描いた。凡てが銀(しろがね)の中から生える。銀(しろがね)の中に咲く。落つるも銀(しろがね)の中と思わせる程に描いたー花は虞美人草である。落款は抱一である」(虞美人草」より)
ちなみに花言葉は恋の予感、おもいやり。
いやあ、面白かった。
漱石はやはり日本の宝です
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