詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(28)

2019-06-17 00:00:00 | 嵯峨信之/動詞
* (行きつ戻りつすることで)

行きつ戻りつすることで文字を覚える

 どこを「行きつ戻りつする」のだろうか。「場所」ではないのかもしれない。何かと出会う。その前を通りすぎる。再び戻ってくる。繰り返していると、「出会ったもの」の印象が変わってくる。少しずつ自分になじんでくる。「肉体」が何かを「覚える」。「出会ったもの」の全体的な感じを覚える。
 しかし、嵯峨が書いているのは、「文字を覚える」である。「文字」とは「肉体の記憶」というよりも「頭」の記憶かもしれない。
 嵯峨のことばの特徴の一つに「清潔さ」がある。「肉体」でつかみとるというよりも「頭」で整理しなおしている感じがする。嵯峨は「頭」ではなく「魂しい」というかもしれないが。






*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
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