昨日の朝のことである。
埼京線で新宿から大崎まで移動する。
埼京線はたいていそこそこの混み具合であり、山手線と比較すると空いているといえるのではないだろうか。
また、山手線は混み具合がまちまちでひどいときは本当にひどく、またやたらと時間調整という名目で各駅で1分とか2分とか停車するので、時間が読めない不確実さがある。
その点、埼京線は確実性が高い。
新宿駅を発車するのが数分遅れようとも、大崎に着くまでにはリカバーしてしまう。
なにより、時間は正確だ。
人身事故等で来ないこともあるが、高崎線、宇都宮線、埼京線と3路線あるので何かしら走っている。
さて、その埼京線であるが、昨日の朝、渋谷駅で見慣れない光景を目撃した。
渋谷駅のホームでスーツ姿の男が寝転がっていた。
本当に大の字である。
そのすぐそばに座り込み、体育座りで足を抱え顔を伏せている男がいる。
ホームを歩く通勤者はジロジロ見るが、そのまま通り過ぎていく。
見事なまでの都会の無関心だ。
そういう私も、遅刻するくらいなら都会の無関心を選ぶ。
特にニュースになっていないことから判断するに、たいした事件でもなかったとは思うが、いったいなんだったのだろう。
かばんが股間に置かれていたら太の字だな、なんて思ったが、そんなことはどうでもよいことであろう。
カツラが取れて頭の左側に落ちてしまっていたら犬の字だな、なんて思ったが、そんなことはどうでもよいことであろう。
ズボンが脱げてちんぽがだらーっと伸びていたら木の字だな、なんて思ったがそんなことはどうでもよいことであろう。