今年最後のブログは夏に息子たちが行ってきたアンコール遺跡の写真で終わりたいと思います。カンボジアのシェムリアップという都市にあるアンコール遺跡は、クメール人のアンコール王朝時代に築かれた寺院や建築物のことです。中でも有名なのがご存知アンコールワット。アンコール王朝のスリーヴァルマン2世によって12世紀前半に建立されたヒンドゥー教寺院ですが、最もポピュラーな撮影スポットは女池から撮る「逆さアンコール」。息子たちも手乗りアンコール等々いろいろ撮影してきたようです。私が面白いと思ったのはアンコールワットを背景にして水鳥のいる女池の写真です。観光客がたくさん訪れる小さな池で、のびのびと生きている(ように見える)水鳥たちの姿が印象的でした。
アンコールワットの水鳥
アンコール遺跡にはさまざまなレリーフや「クメールの微笑み」と呼ばれる石像などがあります。アンコールワットには急な階段を上っていく回廊などもあって面白そうですけれど、最も心惹かれたのはガジュマルの木の写真でした。アンコール遺跡群の中のタ・プロームというところなのですが、ガジュマルの木が遺跡に巻きついて、今にも浸食してしまいそうな姿が圧巻です。ガジュマルの木は沖縄でも見ましたけれど、これほど大きなものではありませんでした。それでも気根が縦横無尽に伸びていて、その生命力に圧倒されたのを覚えています。ガジュマルは「絞め殺しの木」ともいわれ、土台となる木は枯れていくのだそうで、気根はアスファルトやコンクリートをも突き破るのだそうです。
遺跡に絡みつくガジュマル
タ・プロームは12世紀末、ジャヤーヴァルマン7世が母を弔うために創建した仏教寺院ですが、後にヒンドゥー教寺院に改修されたと考えられています。当初は5000人近い僧侶が住んでいたといわれ、遺跡に食い込んでいるガジュマルは樹齢300年にもなるとか。荒廃した寺院にガジュマルの木が絡み、締めつけている様子は何とも神秘的でさえありますね。しかしあまりに浸食がひどいので修復も計画されましたが、ガジュマルが遺跡を破壊しているのか、それとも遺跡を支え共存しているのかという議論がユネスコを中心になされており、なかなか進まないようです。私個人としては、綺麗に修復された遺跡よりも、このままの方が見どころのような気がしますけれど。
今年一年、つたないブログにおつき合いいただきました皆様、本当に有難うございました。来年もよろしくお願い申し上げます。令和二年が皆様にとりましても飛躍の年となることを祈りつつ…。