ひとひらの雲

つれづれなるままに書き留めた気まぐれ日記です

もうすぐ節分

2015-02-01 18:42:56 | 日記
 もうすぐ節分ですね。節分が来ると次は立春。暦の上では春になりますが、先週は全国的に雪が降りましたし、まだまだ寒さは続くようです。
 最近では節分に恵方巻を食べる風習が広がり、スーパーでもコンビニでもよく見かけます。美味しいものが食べられるのは嬉しいことですが、クリスマスを初めバレンタインデーだのホワイトデーだの、ハロウィンだのと外国の風習までが国民的行事になり、日本人て本当に大変だな~と思います。

 しかし日本に古くからある行事と思われるものも、もともと中国の習俗だったものが多いんですね。節分もその一つで、今のような形になったのは室町以降だそうですが、「追儺(ついな)」という行事と一緒になったもののようです。

 「追儺」は「儺(な)やらい」とか「鬼やらい」とも呼ばれ、平安時代以前から大晦日に疫鬼(えきき)を駆逐する宮中の儀式でした。方相氏(ほうそうし)が盾と矛をもって鬼を追い、殿上人も桃の弓と葦の矢をもって清涼殿の長橋から鬼に射かけ、まずは宮城門の外へ追い払います。すると今度は京職(きょうしき)がこれを受け継ぎ、郊外まで追ったのだそうですが、目に見える鬼がいたわけではありません。時代が下るにつれて方相氏を鬼に見立てることになったようです。

 新潮社『源氏物語』図録より

 『源氏物語』にも「儺やらい」はよく出てきますが、特に「幻」の巻の最後がこれで終わっています。一年がこの「儺やらい」で終わるのと同時に、光源氏の物語もこれで終わるんですね。次の「雲隠(くもがくれ)」の巻には本文がありません。そして次の「匂兵部卿(におうひょうぶきょう)」の巻は「光かくれたまひしのち…」で始まります。光源氏が亡くなってからの話になるわけですが、彼の生涯がこの「儺やらい」で終わるというのもどこか印象的です。

 目に見えない鬼は病であったり、不慮の事故であったりと形を変えてやってきます。我が家ではここ数日、電化製品の故障が相次いでいますけれど、これも鬼の仕業かもしれません。
 何はともあれ「悪鬼退散!」、です。

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