ひとひらの雲

つれづれなるままに書き留めた気まぐれ日記です

富岡製糸場

2014-05-07 19:48:46 | 日記
 富岡製糸場が世界文化遺産に登録の見通しになりました。私も6年前に行ったことがありますが、当時世界遺産になるとは思っていませんでしたので、「ふぅ~ん、そうなんだ」といった程度で通り過ぎてしまいました。しかしそれが日本の近代化への第一歩だったわけですから、もっとしっかり見ておくべきでした。

 ただ製糸業というと、どうしても暗いイメージがつきまといます。『女工哀史』ですね。富岡製糸に女工哀史があったかどうかわかりませんが、富国強兵のために駆り出された女工さんたちの生活は総じてひどかったようです。のちに山本茂実のノンフィクション文学『ああ野麦峠』で有名になりました。
 労働時間は1日14~5時間が当たり前、室内温度や衛生面など劣悪な環境の中で働き続ける過酷な労働条件だったため、結核で亡くなる女工さんたちも多かったようです。宿舎には逃亡を防ぐための鉄格子がつけられ、正月休み以外はほとんど休みがなかったといいますからひどい話ですが、遊郭のあった時代です。まだましな方だったのかもしれません。日本が貧しかった時代の哀しみの歴史でもあります。

 繰糸場内見学   繭倉庫

 その頃から比べると随分いい時代になりました。女性の地位も向上しましたし、誰でも文化的な生活を享受できるようになりました。そして今「女性が輝ける世の中に」という目標が掲げられています。それは「家事もきちんとやってね、子育てもやってね、仕事も介護も頑張って」と、すべて女性にお任せという意味ではないですよね。女性を酷使することではなく、本当の意味で生きた働き手としてくれるような世の中。それに期待したいですね。

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