ひとひらの雲

つれづれなるままに書き留めた気まぐれ日記です

花の下にて春死なむ…

2014-04-09 18:24:17 | 日記
 そろそろ関東ではお花見も終わりですね。
 世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
と在原業平が詠んだように、桜が咲いている間は花を見て歩き、いつ散ってしまうのだろうかと心を悩ます傾向にあって落ち着かないんですね、日本人は。中には花より団子という方も多いかもしれませんが、いずれにせよ、散るのを気にかけていることに変わりはありません。昔の人が歌に詠み、現代でも「桜」をテーマにした歌謡が生まれているように、日本人はとにかく桜、好きです。

 

 そんな花をこよなく愛した西行は、
 願は(わ)くは 花の下にて 春死なむ(ん) その如月(きさらぎ)の 望月(もちづき)のころ
と詠み、まさしくその2月16日(満月のころ)に亡くなりました。本望を遂げたわけです。

 

 ただ「花」の解釈には諸説あって、「梅」であるという説と「桜」であるという説があります。如月とあるので2月15日前後をいっているのですが、当時は旧暦ですから現在の暦にするといつになるのか、というところで議論があるわけです。
 旧暦(陰暦)は数年に一度閏月(うるうづき)があって、1年が13ヵ月になりますし、その前後では当然ズレが生じます。ですから新暦に直すといつ頃になるかというと、3月の下旬から4月上旬くらいになるのでしょうか。となれば、やはり桜が妥当ということになりますね。ただ西行がいた時代の気候はどうだったか、住んでいた地域の桜の見頃はいつだったか等々を考慮すると、正確なところはわかりません。

 関東の桜は今年、結構平年並みだったようですが、去年は随分早く咲きました。お彼岸の頃には上野でお花見報道があったのを思い出します(マイブログ「春の息吹」)。同じ地域でも、年によって半月以上の差があるんですね。

 桜が終わると青葉の季節です。

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