ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 ウィスキーのブレンダー 43ページ目

2010-02-22 23:22:44 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【43ページ】


社長    麗香さんは、個性的なワインが好きなのですね?

      AとBでは、どちらがおいしかったですか?

次女    私は、姉とは反対に、Aの方がよりまろやかに感じました。

      Aがシャトー・ラフィット・ロートシルトだと思います。

長女    うそ!

ブレンダー 麗香さんのワインには、ブレンドした後デカンタージュをして、より

      空気に触れさせたのです。  

社長    麗菜さんは、何と書きました?

三女    Cです。

社長    麗菜さんもCですか?

      麗香さんも麗菜さんもタンニンが強くスパイシーなワインが好みだったの

      ですね?

三女    いいえ!

社長    ええ?

三女    私の一番のお気に入りは、サン・テミリオンのシャトー・シュヴァル・ブラン

      ですよ。

      Cのワインはカベルネ・フランが主体で、メルロをブレンドしていました。

      シャトー・シュヴァル・ブランを飲んでいるのかと錯覚するほどです。

社長    ほんとかね?

      すると麗香さんのCはどんな味?

            
   

4 ウィスキーのブレンダー 42ページ目 

2010-02-21 20:56:45 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【42ページ目】


社長    どうしてBを選んだの?

長女    AとBは兄弟のようなワイン、Cは全く別物のワインに感じました。

      最初Aを飲んだ時、なんてすばらしいワインだと思いました。

社長    なぜAを選らばなかったの?

長女    ところが、しばらく口に含んでいると、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロ

      とカベルネ・フラン、プティ・ヴェルドの4つのブドウ品種が、それぞれ

      自己主張を始めたのです。

社長    そんな感じを受けたのですか?

長女    はい。

      それに対してBは、Aに負けず劣らずすばらしいワインで、しかも熟成に

      よる調和が見事でした。

      Bは、シャトー・ラフィット・ロートシルト2000年です。

社長    Cのワインは?

長女    このワインは、私に挑戦してくるようなワインでした。

      タンニンが非常に強く、スパイシーで!

      ワインだけで、飲み比べるとBの方が評価が高いですが、料理に合わせると

      すばらしいマリアージュの可能性があると思います。

      Cは、プティ・ヴェルド主体のワインだと思います。

社長    次に、麗香さんの選択は?

次女    私はCでした。

4 ウィスキーのブレンダー 41ページ目 

2010-02-20 18:18:50 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【41ページ】


社長    お二人の試作品が完成したようですね?

      ここにワイングラスが9個あります。

      それぞれ3個づつA、B、Cのラベルを付けています。

      A、B、Cのアルファベットを書いた紙を箱に入れてあるので、和さんから

      引いてください!

和音    Cです。

ブレンダー Aです。

社長    シャトー・ラフィット・ロートシルトはBになります。

      これから15分後に3姉妹によるテイスティングを行います。

      15分以内に3個のグラスに完成したブレンドワインを注いでください! 


15分が経過し、3姉妹の前に、3個づつワイングラスが並べられた。


社長    これからA、B、C3つのワインをテイスティングし、一番おいしかった

      ワインのアルファベットを発表してもらいます。

      さあ、テイスティングを始めてください!
 


3姉妹は、慎重にテイスティングを行なった。

そして、一番おいしいと思ったワインのアルファベットを書いた。


社長    皆さん決まったようですね?

3姉妹   はい!

社長    それでは、ひとりづつ発表してください!

長女    Bです!       

4 ウィスキーのブレンダー 40ページ目

2010-02-17 22:32:24 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
 高野は、次に日本のメルロを一口含んだ。


ブレンダー  長野のメルロも世界水準になった。

       チリカベとブレンドしていいワインができそうだ!

       そしてロワールのシノンのカベルネ・フランをどう生かすか?

       これは、酸味やタンニンがそう多くなくさわやかなワインだ!
       

最後にオーストラリアのプティ・ヴェルドを試飲した。


ブレンダー  ボルドーでは、ブレンド用に使われているが、プティ・ヴェルド100%

       のワインは、非常にコクがあってうまいのもだ!

       シャトー・ラフィット・ロートシルトのブドウ品種比率は、カベルネ・

       ソーヴィニヨン70%、メルロ25%、カベルネ・フラン3%、プティ・

       ヴェルド2%である。

       同じ比率でブレンドすると、果実味が豊かになり過ぎるかな?

       さて試作品を造ってみようか。


ブレンダーの高野は、カベルネ・ソーヴィニヨン67%、メルロ25%、カベルネ・フラン

5%、プティ・ヴェルド2%の比率で試作品を造った。

そしてシャトー・ラフィット・ロートシルト2000年とブレンドワイン2000年を

飲み比べた。


ブレンダー   よく出来た!

        シャトー・ラフィット・ロートシルトに負けていない!

        後は、微調整だけだ。 
      

4 ウィスキーのブレンダー 39ページ目

2010-02-16 00:38:30 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【39ページ】


和音     テイスティングではなく、ブレンドするのですね?

社長     二人のブレンドしたワインとシャトー・ラフィット・ロートシルトを3姉妹

       が飲み比べて、一番おいしいワインを選びます。

       3姉妹の内、二人以上がおいしいと選んだワインがNO1とします。

ブレンダー  もし二人以上が、シャトー・ラフィット・ロートシルトが一番おいしいと

       答えたら、我々のブレンドしたワインは、負けたことになるのですね?

社長     そうです。

和音     高野さんとの勝負でもあり、シャトー・ラフィット・ロートシルトとの

       勝負でもあるわけですね?

社長     ええ。 

       和音さんと高野さんには、30分以内で試作品を造ってもらいます。

       自信作ができましたら、30分後に完成品で勝負です。

       隣の部屋で準備をしているので、そちらへ。

       冷水3姉妹はそれまで、あちらの部屋でワインを飲みながら待っていてくだ

       さい! 


 隣の部屋に移動すると、二つのテーブルの上にワインが準備されていた。二つのテーブル

は、お互いが見えないように仕切られている。


 ブレンダーの高野は、心の中で呟いた。


ブレンダー  チリのカベルネ・ソーヴィニヨンは、メドックのカベルネ・ソーヴィニヨン

       より果実味が豊かだ!