ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 ウィスキーのブレンダー 30ページ目 

2010-02-05 20:46:24 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【30ページ】


社長     君にすべて任せるよ!

       ところで、来月プライベートワイン会を開くのだよ。

ブレンダー  ワイン部の方とワインを楽しむのですか?

社長     いいや!

       招待者は、社外の人で、ただ一人だ! 

ブレンダー  どなたですか?

社長     和音 通という人だ。

ブレンダー  ワイン業界では、有名な方ですか?

社長     ワイン関係の一部の間で!

       テレビによく出るシェフやソムリエではないので、一般の人は知らない!

ブレンダー  どのような方なのですか?

社長     テイスティングにかけては、トップトムリエも敵わないと言われている。

ブレンダー  そんなにすごい方なのですか?

社長     ああ!

       その彼とテイスティング対決を考えているのだよ。

ブレンダー  社長が直接?

社長     いいや!

ブレンダー  ワイン部には、テイスティングの達人が何人かいますよね?

社長     テイスティングの相手は、ワイン部のメンバーを考えていない!

ブレンダー  では、誰?         
     

4 ウィスキーのブレンダー 29ページ目

2010-02-05 05:29:11 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【29ページ】


社長     スコッチのシングルモルトの筒だね!


その時、ブレンダーの高野は、突然鉛筆を社長の胸に突き出した。


社長     これは、短剣だね?

ブレンダー  さすが、剣道師範の腕前!

       
鉛筆は、社長の両平手で挟まれていた。


社長     暴漢だったら、彼の腕をへし折っていたよ!

ブレンダー  社長に失礼をしました。

社長     ブレンダーチームの求めている想像力が判った気がするよ。

ブレンダー  彼が1からイメージしたのは、直接的なものでした。

       私の一例が、鉛筆だったら彼と同じ発想でしょう。

社長     そこからさらに別の発想をしているわけだね?

ブレンダー  はい。

       ウィスキーのシングルモルトの中には、ヨードのような薬品臭に似た香り

       を持つものがあります。

社長     直接な発想だと、ブレンドウィスキーに合わないとイメージしてしまうのだ

       ね? 

ブレンダー  その香りを嗅ぐ人が、嗅覚の鋭い人だったら?

社長     ブレンドウィスキーのブレンド用から完全に排除してしまうね?

ブレンダー  そうです。

       入社後の研修期間を通して、配属希望者達の適性を判断したいと思います。