ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 91ページ目  読者の声で誇り揺らぐ

2014-07-12 06:57:26 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【91ページ】



 朝比奈は、ロックグラスを手に取り、喉を潤した後、

話を続ける。


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「以前は、平和新聞の『憲法九条を守る』、『平和を守る』という方針

での社説や記事や行動に賛同する読者の声が圧倒的に多かった

のです。

ところが最近では、平和新聞を支持する声と批判的な声は4対6

ぐらいかな?」

「あれ?」


 ママの陽菜が首を傾げる。


「どうかした?」

「私は『読者の声』のページで、あまり批判的な声を見たことないわ!」

「それはマジックで・・・・・」


 朝比奈は苦笑した。


「先程、『憲法九条を守る』、『平和を守る』というのが社の方針で、私達の誇りで

あったと過去形で表現したよね?」

「ええ」

「平和新聞の編集委員の他のメンバーは、今も誇りを持ち続けているよ。

しかし私は、その誇りが少し揺らぎ始めているのです」

「読者の批判的な声のせいで?」

「ああ、平和新聞の『読者の声』には決して載らない声だが・・・・」




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あべのハルカズBAR 90ページ目  オーヘントッシャンのロックで

2014-07-12 06:16:09 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【90ページ】


「次は別の飲み方をしますか?」


 ママの陽菜の声に、朝比奈は頭を上げた。


「ママの知人の話が本当なら、平和新聞にとって大醜態だ!

明日、出社したら調査してみるよ。」


 朝比奈は、少し残っていたオーヘントッシャンヴァリンチ57度を

飲み干した。


「次はロックで飲んでみたいな」


 陽菜は、氷をナイフで丸くカットして、グラスに入れる。

次にオーヘントッシャンヴァリンチ57度を注ぎ、バースプーン

で回した。



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「どうぞ」

「ありがとう。」


 朝比奈はロックグラスを手に取り、一口飲む。


「おっ、これは香りが一段と引き立っているね?」


 朝比奈は、ロックグラスをカウンターに置くと、

陽菜を見つめる。


「私の最近の悩み聞いてもらえるかな?」

「ええ、もちろん」

「私は、平和新聞の編集委員のメンバーの一人として、『読者の声』

のページも担当しています。」




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