ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 85ページ目  ローランドを代表するオーヘントッシャン  

2014-07-06 06:38:25 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【85ページ】


 あべのハルカズBARに40歳前後と思われる男性が

入って来た。


「いらっしゃいませ」と香菜がお客を迎える。

「予約を入れている朝比奈ですが」

「どうぞ、奥のカウンター席へ」


 朝比奈が、店内の奥へ足を進めると、


「お待ちしていました。」とママの陽菜が挨拶した。

「朝比奈です。よろしくお願いします。」


 陽菜は、彼に冷たいおしぼりを手渡す。


「ウイスキーのボトルのメニューリストを見せてください」

「お好みのウイスキーはありますか?」

「僕は、ライトタイプのシングルモルトが好きだな」

「それでは、これらはいかがですか?」


 陽菜は、オーヘントッシャンが載っているページを

ひろげて見せた。


 スコットランド南部のローランドは、気候が温暖なこともあって、ライトタイプの

シングルモルトウイスキーが造られる。

ローランドウイスキーの特徴は、3回蒸留することで、そのことにより余分な

ものが少なくなり、軽いタッチに仕上がる。

そのローランドの代表するシングルモルトウイスキーがオーヘントッシャンである。



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オーヘントッシャン

あべのハルカズBAR 84ページ目  信念は人を助けないこと  

2014-07-06 05:45:02 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【84ページ】



 店長の建前は、後ろポケットから財布を取出し、

お札を抜き取り、手渡そうとした。


「いい財布を持っているじゃないか!」


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 大谷は、そう言うと財布ごと建前から取り上げた。

そして財布の中から銀行カードを見つけると、

彼から暗証番号を聞きだし、限度額までお金をおろさせる。


「お前は、店長だろう?

金庫の鍵も開けてもらおう」

「いや、それはできない」

「抵抗すれば、こいつで突き刺す」

「表を見ろ!」


 1時間前にお花を渡した夜警の見回りの二人の青年が戻ってきたのである。

大谷が彼らの方に振り向いた時、「助けて!」と口で合図を送る。


「コンビニ強盗に入られて、助けを求めているようだね?」

「ああ、店長の信念は、助けを求める人には資金援助を

することだそうだ!」

「そうか、それじゃ助けにいったらまずいよね?

俺達も資金援助をしようじゃないか!」


二人の青年は、店長からもらったお花を入り口に置いて、

立ち去った。