ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 22ページ目  白のブラウスがキュートな香菜

2014-05-24 07:37:08 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【22ページ】



 3姉妹は、画面の宝くじ当選金運用資産の数字を見つめた。

12億1千500万円。


「4人で購入したロト7の1等の当選金8億円を運用して、

今日現在で、12億1千500万円になっています。

そこで利益分の4億円を4人で一億円づつ分配します。」

「やった!」


 白のブラウスがキュートな香菜が喜びの声をあげる。


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「明日、4人で四井皆友銀行本店に行って、一億円の定期預金を作ります。」

「四井皆友銀行に行くの?」


 月菜が、首を傾げながら聞き返した。


「女狐を退治しに行くのではなく、4億円も定期預金してあげるの?

それだったら、分配金はまだいらない!」


 陽菜の顔から笑顔が消えていた。


「私もまだいらない!」

「私も」


 月菜と香菜も陽菜に同調する。


 晴数は、さわやかな笑顔を見せながら3人の顔を見つめる。


「預けた4億円が四井皆友銀行の金庫から翌日に消えたら?」

「ええ?晴数兄様が盗むの?」

「ははは、それはしない! 犯罪になるからね」




あべのハルカズBAR 21ページ目  白のブラウスがエレガントな月菜

2014-05-24 06:56:35 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【21ページ】



 あべのハルカズBARを閉店した後、晴数のマスタールームに

3姉妹が集まった。

「お疲れ様でした。

今夜の売上は、21万5千円です。

皆の頑張りで、平日でも20万を超える日が多くなりました。

さて、陽菜ママへの相談内容を編集して、5分程度にまとめているので、

皆で見た後、どうしたらいいか意見を聞かせてください」


 晴数と3姉妹は、編集された内容を見ながら、それぞれどうしたいか

考えをまとめていた。

「女狐に憑りつかれている!」


 香菜(かな)が言った。


「周りの人々を支配して、操っているわ!」


 白のブラウスがエレガントな月菜(るな)が意見を言う。



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「一人を辞めさすと、別の人をターゲットにしてイジメを繰り返りかえしている。

これは晴数兄様に退治してもらいたいわ」

「賛成!」


 月菜と香菜も陽菜(はるな)の女狐を退治するという意見に賛成した。

「分かった!」


 晴数は3姉妹に答えたが、これは彼女達の考えが分かったという意味であった。


 晴数はパソコンを操作して、あべのハルカズBARの資産内容をモニター画面に

写し出した。















あべのハルカズBAR 20ページ目  白のブラウスが清楚な陽菜

2014-05-24 06:40:07 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【20ページ】



 岩田は、ロックのウイスキーを飲み干して、グラスを置くと、

頭を抱え込んだ。


「結局私は、何も役に立てず、彼女は四井皆友銀行を辞めた。」

「今はどうされているのですか?」

「母親は、雇用保険をもらって、しばらくゆっくりしたらと言ったのですが、

新しい仕事を自分で探して、働いています。」

「お元気ですか?」

「母親には、泣いて電話をかけてくることはなくなったそうです。」

「私が思うには、岩田さんは、何も役に立たなかったのではなく、

夫のように、父親のように、二人を力強く守ってくれるたくましい

男性に見えたと思いますよ」

「そうでしょうか?」

「ええ。」


 白のブラウスが似合う陽菜の微笑は心が和む。


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「そろそろプロポーズされたらいかがですか?」

「プロポーズですか?」

「本当の夫として、父親として二人を守ってあげてくださいよ。

たぶん娘さんも反対されないでしょう」

「ママに、相談してよかったよ。

結婚を申し込む資格がないと思い、落ち込んでいたのです。」