ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 34ページ目  落書き消し

2014-05-31 07:56:14 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【34ページ】


 ママの陽菜は、棚からボウモア18年を取出し、ボトルの

ラベルを辰巳に見せた。


「とても香りがいいので、ストレートをお勧めしますが?」

「はい、ストレートでお願いします」


 陽菜は、蓋付きのグラスを取出し、蓋を取り、ボウモア18年を注ぐ。

グラスを軽く揺らすと、蓋をして、辰巳に差し出す。


「このボウモア18年はシェリー樽の原種の比率を高めているので、ボウモアの

スモーキーな特徴の中に、シェリー樽由来のスイート感が漂うと思います。」


 辰巳は、グラスの蓋を取り、香りを嗅ぐ。


「わっ、本当だ!」


 そして一口ボウモア18年を口に含む。


「とても贅沢なシングルモルトですね?」


 陽菜はにっこり頷いてみせる。


「私は、大阪泉州地区の落書き消しボランタリー協会の会長をしています。」

「先日、大阪市のアメリカ村での落書き消しの取り組みの番組を見ました。

最近、公共の建物への落書きが多いようですね?」

「ええ、そうなんですよ」

「缶のポイ捨て防止は、綺麗にすることだと聞いたことがありますが、

落書きも、消し続けることですか?」




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