ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 5ページ目 プロローグ 緑子のセーラー服

2014-05-10 22:43:10 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【5ページ】


「俺達の車ガソリンが空になりそうなんだ!」

「ガソリン代貸してくれないかな?」

「これ脅しでないよ」

「必ず返すからさ」


 四人の若者達は、ニヤニヤしながら言った。

晴数は、後ろポケットからヴィトンを取出し、彼らに差し出した。


「好きなだけ入れていいよ」

「サンキュー」


 若者達は、交互に財布の中身を見た。


「ウヒョー、20万は入っている」


 彼らは、自分たちの財布を取出し、お金を入れていく。

すべて入れ終わると、ヴィトンを投げ捨て、ローラーすべり台の方へ駆け出し、


「いつか返すから、ヤアッホー」と叫び声を上げながら滑って行った。


 彼らの言葉は、必ず返すからいつか返すに変わっていた。

晴数は財布を拾って、後ろポケットに入れる。

そして、肩に張り付いたプリキュアのカードを取り、吹きかけた。

次に現われたのは、セーラー服の緑子であった。


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「さあ、展望台までもう少しだ!」

「はい」

「そこで彼らを待つことにしよう」




あべのハルカズBAR 4ページ目 プロローグ 緑子がプリキュアカードに

2014-05-10 21:17:48 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【4ページ】



 メイド服姿の緑子が首を振ったので、晴数達は通常のハイキングコースを

登っていった。


 四人の若者達は、一旦は青少年の家のある方へ、山を下り始めたが、

途中で立ち止まって話し合った。


「女が消えて驚かせられたが、あいつはマジシャンじゃないか?」

「あいつの背中に回った時、後ろポケットにヴィトンの財布が入っていたの見た」

「金がたんまり入っていそうだ」

「驚かせられたお礼をしないと」


 四人の若者達は、晴数を追って、再び山を登って行った。

ローラーすべり台を通り過ぎると、ショートカットの急な階段があった。


「こっちを登って、あいつを待ち伏せしよう。」


 晴数と緑子がいくつかカーブを曲がりながら山道を登っていくと、数十メートル先に

四人の若者達が横に並んで立っていた。

緑子は晴数の背中に回り、彼にしがみついた。

すると小さくプリキュアカードになって、晴数の背中に張り付いた。



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晴数は、四人の若者達に向かってどんどん近づいて行く。

そして、彼らと向かい合って立ち止まった。


「もうメイド服の女が消えても驚かない!」

「お前はマジシャンだろう」


 晴数は、うなづく仕草をした。