ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 14ページ目 スリーシスターズBAR

2014-05-17 16:03:03 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【14ページ】




 晴数は、ブラグの記事を書き終えると、店内を映し出している

モニター画面を見た。


 カウンター内では、3人の若い女性が、お客の応対をしている。

彼女達は3姉妹で、お店のママは、長女の安倍 陽菜(あべ はるな)

次女の名前は月菜(るな)で、三女の名前は香菜(かな)である。

晴数と3姉妹は従妹同士であるが、晴数が小学4年生の時から3姉妹の

家で暮らしている。


 お店のあべのハルカズの名前は、マスターの安倍 晴数(あべの はるかず)

が由来であるが、常連客達は、陽菜のハと月菜のルと香菜のカを合わせて

ハルカズBARと名付けたと思っている。

そして、今では彼らはスリーシスターズBARと隠語で呼んでいる。


 一番奥のカウンターには予約席のプレートが置かれている。


「もうすぐ来る時間だ!」


 晴数の視線は、店内から店の入り口の方に移る。

すると、日焼けした、体格のがっしりした初老の男性が入って来た。


「いらっしゃいませ!」


 香菜の元気で、明るい声が店内に響いた。


「予約席をお願いした者ですが・・・」


 彼は、物静かに、香菜に訊いた。


「席をお取りしています。 どうぞ奥のカウンター席へ」