ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 132ページ目 第四話 人型ソムリエロボットの実力は?  

2012-06-18 22:33:58 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【132ページ】


 深川博士はテーブルに置かれたシャトー・マルゴー2,000年のグラスに近づき、


「味川さん、我々もシャトー・マルゴー2,000年をいただきましょう。」と言った。

「はい」


 深川博士は、ワインを一口飲むと、本題の話に入った。


「味川さん、2ヶ月後にプライベートワイン会を開催するので、ワイン選んだりするのを手伝ってほしい。」

「ええ、もちろん」


味川は即座に返答した。


「アジミーの披露ですか? 何名招待されるのですか?」

「アジミーの実力を試そうと思っている。 招待は一人で、彼にテイスティング対決を申込みます。」

「招待客は男性で、その方とアジミーが勝負するのですね?」


味川は、ちらっとアジミーの方に目をやった。


「その方はトップソムリエ?」

「いや、和音 通という名前を聞いたことないかな?」

「深川博士が以前話をされていたトップソムリエもテイスティングにかけては敵わない人ですか?」

「そうです。」


深川博士は、シャトーマルゴー2,000年のグラスを飲み干した。


「さすが、このワインはボルドーの格付けシャトーの同業者もシャトー・マルゴーの2,000年は最高傑作だと

褒め称えるだけのことはある」


深川博士は、マルゴーが入ったワインセラーを指さしながら、


「プライベートワイン会で飲むワインは、あの中から選びます。テイスティング対決に使うワインは味川さんが選んでください」