ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 犬の嗅覚を持つソムリエ 68ページ目

2010-04-06 23:29:31 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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トーマス   始めまして!

       日本への招待ありがとうございます。

社長     捜したよ!

       名前を変えていたのだね?

トーマス   ソムリエ経験の浅い女性ソムリエにテイスティング対決で負けたので、

       名前や姿を変えました。
   
社長     どうして変える必要があったの?

トーマス   アメリカは、敗者にはきびしい国なのです。

       だから一から出直すつもりで変えたのです。

       私は、自分の嗅覚に自信過剰で自惚れていました。

社長     でも犬の嗅覚を持つというのは本当でしょう?

トーマス   はい。

       しかし致命的な弱点があったのです。  

社長     その弱点とは?

トーマス   ひとつの香りを嗅ぐことだけに集中できないのです。

       他の香りも感じとってしまうのです。

       女性ソムリエとの対決では、香水の香りに負けたようです。

社長     一から出直したと言いましたが、どんな修行をしたの?  

トーマス   犬です。

社長     犬?