大宮喜三郎の腹黒徒然草  下巻

     沖の干潟遥かなれども、磯より潮の満つるが如し

東京禁止令

2024年03月16日 14時34分07秒 | 日記
所要があって、春の息吹を感じさせる季節に、東京へと足を運んだ。期待に胸を膨らませ、東京の地を踏むのは久しぶりだった。しかし、その旅行が、後に私の中で「東京禁止令」を自らに課すきっかけとなるとは、出発する際には微塵も思いもしなかった。

まず目にしたのは、上野公園の桜。春の訪れを告げるかのように、入口にある2本の桜だけが咲いていた。その光景は、この旅が特別なものになる予感を私に抱かせた。しかし、その予感はすぐに打ち消されることになる。

京成上野駅から満員電車以上の人波をかき分けながら上野公園へと向かった。その大半が外国人観光客で、彼らはマスクもせず、大声で話し、まるで無秩序な開発途上国のスラム街を思わせるような光景が広がっていた。移植手術を経て、免疫が皆無の私にとって、この状況は文字通り命に関わるリスクを伴うものだった。

予想は的中し、帰宅後3日目には40度の高熱を発し、血圧は80-50、脈拍は120に達した。障害者手帳1級の身体を持つ私にとって、この体験はあまりにも過酷だった。熱は3日間続き、トイレに行くのさえ苦痛で、生活に支障をきたした。

この経験から得た教訓は明確だ。私にとって東京は、少なくとも現時点では、行ってはならない場所となった。豊かな文化と歴史を持つ場所であるにもかかわらず、自分の健康を第一に考える必要があることを痛感したのだ。時と場所を選んで旅をすることの重要性を、この体験は私に教えてくれた。
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