震災が間引いてしまう弱者たち
美和山吹
大統領の独り言
ああ怖かった こんな豪雨は初めてだ
こんな大きな災害は初めてだ
大災害は昔もあったらしいが私たちは初めてだ
私たちは働きものといわれ アリ国に棲む蟻
よく働く仲間が豪雨でおおぜいながされ消えていった
アリ国にはみんなの棲む巣があった
食べ物もたくさん蓄えてきた
みんなが安心して暮らせる財産が
豪雨でいっぺんに流されなくなった
私はアリ国の大統領
責任がある立場として大災害に立ち向かい
アリ国を復興させなければならない
私は自分の力を誇示しみんなを安心させたい
大声で力強く叫びたい
私が責任をもって復興します
国の責任として対処します
だが 責任や権限があるからといって
何でもできるわけではない
私は魔法使いではない
みんなに分けられるほどの特別な財産など私にはない
私にあるのは何でもできそうな立派な肩書だけ
私は微力だ
国にしても国民の負担と協力で成り立っている
国がどこからか借り入れすればみんなで返さなければならない
復興に必要な莫大な物資や労力は国が大統領がといっても
結局のところみんなの負担と協力によることではないか
復興にはみんなの理解と協力が大事だ
私はこの思いをみんなに率直に伝えてお願いしよう
川柳の理解
川柳は感じるもので理解するものでないというようなことを言われる。
しかし、「川柳マガジン」8月号の次の句を読んで、理系の人間としては納得がいかなかった。
太陽が地球を焦がす温暖化
太陽の光が地球に届いていようと、氷河時代もあれば、温暖化と言われるようになることもある。
ただ、「温暖化」は、人間が出したガスが地球を覆い、地球が温暖化したともいわれている。
だから、川柳のこの文脈はおかしいと言わざるを得ない。
バカなことを承知で書いている。
昨日、体調が悪いときには川柳を詠んでも全没だというようなことを書いた。
ところが、昨日の朝、少し調子が良かったので、「川柳マガジン」8月号を見ていたら、なんと私の句が選ばれているではないか。
あれだけ何回も見たのに、体調が悪いと、見落とすことがあるようだ。
選んでいただいた三村舞先生すみませんでした。
選んでいただいた句が:
隠し子が父の葬儀に顔を出す 美和山吹
題:タイムリー {川柳マガジン」8月号 超!柳派
病気と川柳
病気になったら、それに関する川柳が詠めそうである。
ところが、6月、歯が浮いて、食べ物が噛めなくなり、医者にかかった。
そして、2週間に1回歯石をとるために通院した。
その間、川柳を詠むどころではない。
それでも、ネットで投稿できるWEB句会へは投稿を続けた。
結果は、全没が続いていたのである。
そして、ようやく今月の発表で、2句が選ばれた。