川柳鑑賞

リハビリの汗神様は見えますか

軽い脳梗塞だが三度見舞われ、言葉の障害はほとんどないが、身体的には介護を必要としている兄がいる。その兄はもう一つ骨髄腫を抱えながら闘病しているが、厄介なのは治療が真逆な二病ということだ。きっと神さまはいるのですかと、問い掛けながらの闘病を続けているに違いない。

＊都合のいい時ばかり神さまに頼っても聞いてくれない。
そう思いながら、正月には初詣に行って、いろいろとお願いしようと思っている。

雑詠

元気無い自分に活を入れる朝　　　　K

雑詠

見せられる訳知り顔が憎らしい

自選句

寒い朝音くっきりに物理学
除夜の鐘音は大小唸ってる
アルコール化学処理してダイヤなり
山下博

柳誌

記憶力テストがやる気つれてくる

雑詠

幸せの形は夫婦ともに生き　　　　K

自選句

ひらめいた夢を広げる今朝の靴
ふるさとは青信号で君を待つ
父母の墓吐いた弱音は拭いておく
山崎五十二

川柳鑑賞

上げ底の人生だったかも知れぬ

人生も４コマ目に入って、少しは振り返るゆとりができた。そして来し方を見る時、あそこにもここにも思うさま背伸びしている自分がいる。何とも無様な爪先立ちだが、今の自分にも同じ自分がいることに、気づいていないのかも知れない。

＊上げ底という言葉はあまりよい意味には使われないような気がする。
しかし、今の自分より少し高い目標に向かっていつも努力してきたのであれば、それはそれでよいのではなかろうか。

自選句

測稈が瓦礫へ描いた未来都市
ふるさとの蛍と招く母の文
百歳のペンがこの世で謳歌する
山岸峰隆

雑詠

坪庭に目覚め始めたチューリップ　　　　K