「柳誌」雑詠

誠意から助言をすれば誤解され
「川柳さいたま」１１月号

「川柳歳時記

枯葉
シャンソンの枯葉が似合うベレー帽
枯落葉人は言うけど今が花
吹きたまる枯葉を踏んで急ぐ児等

「映像川柳」

弾頭に仕込む平和の旗印
　　　　　　　　　　　美和山吹
　　　　　　　　　　　「川柳マガジン」掲載句

「川柳歳時記

神
また一歩神に近づく屠蘇に酔う
イケメンのお願いだけを聞く女神
直会のお神酒で和む神と人

「柳誌」雑詠

陳謝する真摯の言葉空しすぎ
「川柳さいたま」１１月号

「川柳歳時記

壁
泣き虫に土蔵の壁があたたかい
火葬場の白い壁より深む秋
氷壁が続く手足がすり切れる

「映像川柳」

死ぬまでは歩けることが宝物
　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳時記

喝采
喝采の声に混じっている嫉妬
地球より宇宙で受ける日本丸
駅伝へ無名選手のごぼう抜き

「老いて新鮮」 （松ひさし）

宇宙人がびっくり

地球に住む地球人の　このごろの合言葉
地球にやさしくしよう
美しい自然を汚さないようにしよう
地球には　海や山　河がある　森がある　原っぱがある
自然はみんなのもの
ゴミは捨てないで持ち帰ろう

でも地球は汚れていく
地球人　人間はゴミを出す　ごみを捨てる人間がいる
地球人の生活が便利になるほどゴミが増える
燃えないゴミ　消えないゴミ　危険なゴミ
地中や海の底に捨てるほかはないのだ
地球にやさしく　地球をたいせつにしても
自然が汚れ地球が壊れていくことを　少し遅らせるくらいだろう

地球人がロケットで宇宙に出かけるようになった
宇宙には地球のような自然がないのか　まだ見つかっていない
だから　いいのだろうか　役目を終えた人工衛星などが放置されている
地球人がゴミを持ち帰らないで
宇宙を汚し始めたのではないか
そうか　地球はゴミで汚しながら開発してきたのだ
宇宙の開発だって　ゴミが出ることは驚いちゃいけないのか

いったい　宇宙は誰の領分なのだろう
宇宙の開発は早い者勝ちで　地球人が自由にやっていいのだろうか
地球と同じように宇宙がロケットの往来やゴミで混乱してから
地球人の相談所である国連あたりで話し合うのかな
どこかで宇宙人さんがびっくりしているのではありませんか
「戯れ言（ざれごと」

「映像川柳」

長命は天が授けたプレゼント
　　　　　　　　　　　美和山吹