「柳誌の同人句」

もうあの世が近いということで、夕日（夕陽）が５、旅が４、道が４，地図が３となっている。
夕陽だけ気になっている現在地
人生のロスタイムです旅の空
我が道は他力の道ぞ電車くる
終章の地図にはふたりだけの道

自選句(テーマ別)

勝ち(１１句中１１句)

金婚の夫婦は賭けに勝ったのか
自民圧勝貴党のツケを糺す時
雑学が勝手気ままにいる書棚
「全日本柳人写真名鑑」

「柳誌の同人句」

食べ物で断然多いのが「鍋」の５である。
もつ鍋を赤いピアスが取り仕切る

同じく、趣味が５である。
趣味の会溌剌松の内句会

自選句(テーマ別)

勝ち(１１句中８句)

勝った日の対戦記録太く書く
身長で勝っても負ける父の知恵
言い勝ってぽつんと浮いた昼の月
身の内の鬼一匹に勝つ介護
「全日本柳人写真名鑑」

「柳誌」

三択に裏の裏かき騙される
　　　　　　　　　　美和山吹
　　　　　　　　　　「川柳さいたま」　８月号

自選句(テーマ別)

勝ち(１１句中４句)

一発の勝負だ情はひっこめる
負ける癖に勝負したがる弱い奴
名将は勝って自ら幕下ろす
勝っている時は雨など苦にしない

「全日本柳人写真名鑑」

「柳誌の同人句」

体の一部ということで、顔が８、足が６、首が４などがある。
脱皮したつもりの顔が出てこない
軽快の足だ会話をしたくなる
肩の荷を下ろすと首が寒くなる

自選句(テーマ別)

頭(４句中４句)

大阪都古い頭をノックする
まだかわすほどのものではない頭突き
前頭葉むずむず動く好奇心
国敗れ馬一頭も帰国せず

「全日本柳人写真名鑑」

「老いて新鮮」 （松ひさし）

用のない日々

無用の一日間
おっ　きょうは用がないようだ
休めるぞ　のんびりできていいなあ
用のない日は続かない　今日だけだと思うと無性にうれしい

無用の一週間
あれっ　きょうも休みか　続いてありがたい
ゆっくり休めて疲れがとれていく
身も心もゆったりする解き放たれた気分がたまらない

無用の一月間
あああ　これは相当に長い休みだな
身体の疲れは消えてしまったが
長い間動かないでいても苦しくなってくるな
それに　ずうっと出番がないので不安になってきた

「寝言」より　　　つづく

「柳誌」

冷ややかに自分見つめるもう一人
　　　　　　　　　　美和山吹
　　　　　　　　　「川柳さいたま」　８月号