雑詠

妻のてのひらで踊りが上手くなる　　　　　S

自選句

人が人裁く狭間で見た情け
躓いたあたりで探す道標
鈍行に乗ると私の過去に着く
小林映汎

柳誌

距離感を掴めず迷う神仏

雑詠

腐っても鯛思い出は美しい　　　　S

自選句

老い二人仲良しごっこ鬼ごっこ
老い二人いま巡礼はどのあたり
老い二人流れのままに花筏
加藤友三郎

川柳鑑賞

独り酒猪口に浮かべる過去の華

大好きな酒が昔を呼び起こす。ロマンがある。

＊独り酒だったら、華を浮かべたらなお寂しくなってしまうのではないだろうか。
華のないものは、桜の花びらでも浮かべたらいいのだろうか。

雑詠

ふるさとの山は今でもそこにある　　　　S

自選句

落花舞うこの一言を無にしない
花いっぱい笑顔花屋のまん中で
綿帽子ふる里の山抱きたくて
山口富衛

雑詠

猿よりも演技が下手な檻の外　　　　S

自選句

たくさんの約束をしてサクラ咲く
ホップステップそこから軌道かえてみる
ラーメンは作れる生きていけそうだ
水野奈江子