大統領の独り言
ああ怖かった こんな豪雨は初めてだ
こんな大きな災害は初めてだ
大災害は昔もあったらしいが私たちは初めてだ
私たちは働きものといわれ アリ国に棲む蟻
よく働く仲間が豪雨でおおぜいながされ消えていった
アリ国にはみんなの棲む巣があった
食べ物もたくさん蓄えてきた
みんなが安心して暮らせる財産が
豪雨でいっぺんに流されなくなった
私はアリ国の大統領
責任がある立場として大災害に立ち向かい
アリ国を復興させなければならない
私は自分の力を誇示しみんなを安心させたい
大声で力強く叫びたい
私が責任をもって復興します
国の責任として対処します
だが 責任や権限があるからといって
何でもできるわけではない
私は魔法使いではない
みんなに分けられるほどの特別な財産など私にはない
私にあるのは何でもできそうな立派な肩書だけ
私は微力だ
国にしても国民の負担と協力で成り立っている
国がどこからか借り入れすればみんなで返さなければならない
復興に必要な莫大な物資や労力は国が大統領がといっても
結局のところみんなの負担と協力によることではないか
復興にはみんなの理解と協力が大事だ
私はこの思いをみんなに率直に伝えてお願いしよう