「川柳歳事記

リンク
尻餅へメダルが遠くなるリンク
復興へ世界の知恵がリンクする
移植する臓器がリンクする命

「川柳歳事記

横
首横に振って仕舞った自尊心
振り切った過去がま横にきて座る
スランプの横にころがるカンビール

「川柳歳事記

指
歩くにはよく出来ている足の指
野心家の指はいつでも起きている
株安がグーチョキパーで加速する

「川柳歳事記

山
火の山が吐く癇癪を缶で売る
知らぬ間にしまい込んでた塵の山
山越してそっと遺言しまいこむ

「川柳歳事記

物差し
羊羹に目盛りをつける子沢山
米を研ぐ手の踝の水加減
物差しが合わぬ仕事も生きるため

「川柳歳事記

未定
満願は未定気ままな遍路道
原発の眠りは未定揺れ動く
その先は未定悪魔のよな罹災

「川柳歳事記

巻く
言葉尻から逆転の風が吹く
みやびやかな源氏絵巻の筆に酔い
鉄線の巻きつ巻かれつ愛一途

「川柳歳事記

星
大停電天から届く星明り
誇るもの無いが故郷は星がある
八百長の無い白星が美しい

「川柳歳時記

返事
返事するすきもないほど喋られる
返事ない夫にぬるいお茶を入れ
返事など待たずどんどん進めます

「川柳歳事記

プライド
プライドよそんなにへこむものじゃない
ゴミの日にポイっとプライド捨てました
プライドがだんだん育つ伊達直人