「映像川柳」

あやふやな意見が頼るペンネーム
　　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳時記

対
対等の立場に燃える自尊心
対岸に縋りたい藁流れ着く
一徹の父に対して母の機知

「映像川柳」

同罪と言ってるような妻の口
　　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳時記

染める
ダリの絵を保護色にして蝶の舞
少女羽化ピンクに染める恋の詩
愛壺の愛になりゆく母の日々

「映像川柳」

納得が出来るまではと生きつづけ
　　　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳時記

ソフト
ぽあんぽあんと笑ってくれる母が居る
負けた日はぷにゅぷにゅ枕抱いて寝る
節電の街やわらかく息をする

「映像川柳」

他人事とまだ見て居れる闘病記
　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳時記

注ぐ
全力で愛を注いでくれた父母
子に注ぐ親の期待が重過ぎる
注がれる乾杯の酒みな笑顔

「老いて新鮮」 （松ひさし）

尊い我慢強さ

どこへ出かけるか
山へ行こうという友　ヤマちゃん
海へ行こうという友　ウミちゃん
山がいい　海がいい　それぞれ言い分がある
どちらの言い分ももっともな理由がある
どちらに賛成するか迷い悩む
ここで山や海でなく里へ行こうといいだせば混乱する

ヤマちゃんとウミちゃんが言い争う
サトちゃんは思い悩む
主体性とか決断力とかのことではない
言い争うことがよくない　争いは嫌いだ
争いが強まると憎しみになる
友達や仲間が敵に変わる
仲良しがこわれてしまう

めいめいが自分の考えを自由に言える時代
いい時代だけれど意見が分かれて争いになる
人を選ぶ　策を決める
自分の考えがとおらなければ悔しい　つらい
争いがおさまらなければ混乱が続く
勝つ人の力強さが決まりをつける
負けて譲る人の我慢強さが尊い

「映像川柳」

貧困が人生とはを突きつける
　　　　　　　　　　　美和山吹