題詠 アゴ

剃り残し増えて無様な下の顎　　　　題：アゴ

晩年のおやじの顔を見ると、下あごに、長くのびつたそり残しの髭があった。
電気カミソリでは、時々剃るだけだと、どうしてもそり残しができ、それが長くなったしまうのである。
出不精で、時々しか髭を剃らない私にも、最近同じようにそり残しで、伸びた髭がある。

自選句

大正の母は眼鏡で米を研ぐ
語り部に昭和を駆けた膝が酔う
大事にも粗末にもして来て命
望月たか美

川柳鑑賞

オムレツの中身はきっと愛だろう

こうストレートに言われてしまうと、男は率直に従う他はない。多少オムレツの味がまずくても（失礼）。

＊これは愛をこめて、オムレツを作って、旦那さん？に出したということなのか。
川柳のこの仕立て方は、どこにも使えそうである。
オムレツのところを変えれば、「愛」のところは、正義、友情、信頼・・・なんでもいれることができる。
読んだ人には、確かに、川柳となっていると感じるだろう。
ところで、川柳というのはこういう詠み方をしてもよいのだろうか。

柳誌

食うにも困る偏差値のなれの果て