題詠 渋い

断れぬ頼まれごとに苦り切る

ある雑誌の題に、「渋い」と言うのがあったので、この句を詠んでみたけれど、どうも「渋い」という意味が伝わらず、「苦い」になってしまった。
「苦り切る」の代わりに、渋い顔とでもすれば、よいのかもしれないが、「渋い」の題詠では、できるだけ、「渋い」という言葉を出さない方がよいと思って。

川柳鑑賞

あの時に時計の針を戻したい

あの時とは青春を謳歌していたころのこと。戻ることができるならば戻りたい。
戻ってあの時のように、みんなで飲んだり食べたり楽しく過ごしたい。女心が揺れ動いている。

＊私が書いても、たぶんこのように書くだろうけれど、あの時とは青春時代とは限らない。岩崎恭子ちゃんならオリンピックで金メダルをとった時かもしれない。
また、これが女性が詠んだ句ということを知っているから、女心が揺れ動いていると書かれているけれど、ここから女心まで読み解けるのであろうか。

自選句

三世代年始の写真犬もいる
半分こ大きい方を妻くれる
二人なら安気観光ヘリコプター
塚原羊雲

柳誌

一花を咲かす気力はまだ残り