川柳鑑賞

晩学のペンは居眠りばかりする

若いときにもっと勉強しておけばよかったなと、いつも思う。老いてからの勉強は、やる気は満々だが、体がついてきてくれない。晩学も悪くはないが、無理をしないで、楽しみながらの晩学にしたい。

＊晩学と書けばたいていは川柳になるというか、晩学という言葉がよくつかわれる。
それにしてもここでは居眠りをしているのである。
ところで、私は川柳を遅くなって始めたため、これも晩学になるのか、居眠りばかりしているのかなかなか上達しない。
しかしながら、年取って、それまでにいろいろ経験したことが、重みのある川柳となってくるのではないだろうか。
経験の浅いときには詠めないような句が一句でも詠めればそれでよいと思っている。

公民館祭り（続）

万引きのスリルに勝って払う金

最近、高齢者の万引きがよく放送されている。
年金生活で生活に困っているものもいるけれど、たいていは支払うお金があっても、払うのが惜しいということで万引きをするという。
さらには、高齢者となると何の楽しみもなく、スリルを味わうこともない。
そこで、とんでもない話であるけれど、万引きにスリルを求めているという。
お店の経営者にとってはひどく迷惑な話である。
（この句は川柳として、お許し願いたい）。

自選句

風邪の菌予防接種で防げれば
風力器炭素繊維で回せれば
外国の外科医日本で働かせて
大川聡

柳誌

空梅雨に負けてはいない花時計