乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

安東のカルビ横丁

2011-09-28 | 韓国
 安東は河回村に陶山書院、鳳停寺が揃う有名観光地だからか目立つ名物の食べ物や料理がいくつかあります。お土産なら塩鯖のカンゴドゥンオ、料理なら安東チムタク(鶏肉と野菜の蒸し煮)、ホッチェサパプに安東シッケ(一般的なシッケとは違い大根や唐辛子などが入ったもの)とどれも山間地らしくそう派手ではないけれどなんとなくホッとするような感じのものです。

 さて7月に安東を訪問したとき安東駅前の道路を渡った左手奥にある「カルビ横丁」を通りました。安東は韓牛の有名な産地の一つで、ここはそれを出す焼肉店が数軒固まっている横丁です。この安東韓牛も安東の名物になっています。


 そんな横丁を見て無性に焼肉が食べたくなってしまいましたが、こういうとき1人だと困ります。日本でも焼肉屋で1人というとちょっと場違いな感じですが、韓国の焼肉店は肉を注文するとおかずやキムチが別料金ではなくおまけで出てくるシステムなので1人の客は日本以上に面倒ばかり多くて儲けにならずお店側が嫌がるわけです。
 肉を2人分頼めばもちろん問題ないのですが、食べきれないともったいないし予算も倍だしさてどうしたものかと思っていたところ、1軒のお店でまあ1人分でもいいやということになりお世話になることにします。(なおカルビ横丁ではどの店もカルビ一人前200g19000wで値段は横並びでした。)


 とにかく牛肉を食べたいという気分だったので下味をつけていない生カルビを頼みます。あっさり目のおかずと牛肉、さらに炭火が運ばれて来たら準備完了です。お店のお姐さんがレア気味に焼いてくれた肉をあっさりにんにく醤油で食べるので肉の味がよくわかります。霜降りがきつ過ぎず噛むと味がある肉を頬張るのは幸せの一言です。

 後半は汁が冷めてしまわないよう器を網に載っけるのが面白く感じました。牛ダシがよく効きシレギ(干した大根葉)などが入った辛くない味噌汁でホッとする味です。


 というわけで安東らしく(?)ごちそうの牛肉ながらあまり派手でない点が逆にうれしく満足してカルビ横丁を出ました。満腹で付近を少し散歩するのもいいものです。比較的早仕舞いの店が多く繁華街の夜ながら静かでした。
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光州バスターミナルの錦湖高速

2011-09-26 | 韓国
 今回は韓国西南部・全羅南道の中心光州広域市のバス話です。
 光州の玄関口にあたる高速・市外バスターミナルは「ユースクエア」といい、新世界百貨店やEマートが隣接しかなりの規模があります。黄色の市外バス窓口、オレンジの高速バス窓口に分かれた切符売り場も壮観です。


 ユースクエア前の市内バスの停留所も大ターミナル最寄バス停だけありたくさんの系統が集まって来てにぎやかでした。



 さてこのユースクエアで最も目立つのが全羅道を中心に高速バス・市外バスを各地に走らせている紅白の錦湖高速バスです。アシアナ航空を持つ韓国の財閥の一つ「錦湖アシアナグループ」の母体になったのがこの錦湖高速バスを持つ錦湖産業で、ユースクエア自体も錦湖ターミナルというグループ企業が運営しています。


 そのユースクエア内を歩いていたら何やらクラシックなクルマが置いてありました。

 クルマの後ろに展示パネルが設けられ「タクシー2台で出発した美しい未来」とあります。これは1946年にタクシー業からスタートした錦湖高速バスの歴史展示コーナーで、クルマはその最初のタクシーというわけです。展示パネルには以下のように時系列で昔の写真が貼ってありました。
1946~67 光州の名物フォードタクシー
1968~87 高速バス事業進出
1988~95 優等高速バス登場
1996~  世界に向かって進出開始 中国進出


 世界に進出する錦湖高速バスの図と一緒の写真は中国の深圳~杭州線開通式で感激している故朴定求会長とのことです。錦湖アシアナグループは近年経営が傾いてしまい再建中ですがその基となったバス事業はなかなか力強いものがあるようですね。
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クルビの法聖浦

2011-09-25 | 韓国
 今回はクルビ(イシモチの干物)で有名な韓国全羅南道霊光郡法聖浦の話です。
 日本でイシモチと言ってもいまいちパッとしない感じですが韓国では高級魚とされます。中でも法聖浦で作られる干物は「霊光クルビ」「法聖浦クルビ」としてブランド力があり高価です。それならちょっと町を見物しようと「乗りバス」の途中に寄ってみました。(乗りバスの話はこちらをご覧下さい。)

 まず法聖浦の町の東端にある法聖浦市外バスターミナルの様子です。

 建物には「ここが霊光クルビの原産地法聖浦ターミナルです」と大書きされ、中に入ると切符の窓口がなく自動券売機化されていました。

 このターミナルで最も多く発着する市外バスは弘農バスターミナル始発の霊光バスターミナル経由光州バスターミナル(ユースクエア)行きで、6:20~21:45の間毎時2~3本くらいの頻度で運行されています。ソウルや釜山に直通する便はないので、ソウルからなら霊光バスターミナルで、釜山からなら光州バスターミナルで乗り換えねばなりません。また霊光バスターミナルからここ法聖浦ターミナルを経由して周辺各地に向かう郡内バス(農漁村バス=ローカルな路線バス)も多数あります。そのほか全州市外バスターミナル行きの市外バスが1日4便と少ないながらあるので例えば「全州ビビンパとクルビをハシゴしたい」というようなときに便利そうです。

 バスの話はこのくらいにして話を進めます。ターミナルを出た表通りは「クルビ路」というそのままというのか何ともきっぱりはっきりした名前でした。


 クルビ路というだけあってバスターミナル近くからクルビを売る店とクルビを出す食堂が延々と並んでいます。とりあえずクルビを食べようかと思ったものの特にあてもないので目についた「007食堂」という不思議な名前の食堂に入ってみました。

 豪華な内容だという「クルビ定食」はテーブル単位60000wからのメニューなので一人では頼めませんが、一人前ならクルビ白飯10000wがあるというのでそれにします。(韓国語の「定食(ジョンシク)」と「白飯(ペッパン)」の意味はどちらも日本語だと定食です。ただ定食は「韓定食」に代表されるように良い目寄り、白飯は普段食べるような定食というニュアンスの違いがあります。)
 出てきたのは標準的な「白飯」にクルビの焼いたのとイシモチのメウンタンがついたものという感じでした。食べ終えた頃「小さいクルビで悪いね。これも食べなよ。」とまかないのカルグクス(うどん)が出てきたので満腹の上に満腹になります。


 食べすぎで苦しいお腹を抱えて食後クルビ路を進むとずっとクルビ店が続いていました。


 韓国でも日本同様によくロータリークラブだかライオンズクラブ辺りが建てたオブジェを見かけますが、法聖浦のロータリークラブのオブジェはクルビでした。


 クルビ路の前の干潟は埋め立てられているので眺めはいまひとつです。


 ならば高いところに上がってみようとクルビ路の裏手に上がってみたところのんびりした風景が広がりなかなか悪くない感じです。


 縁側で涼んでるおばあさんが2人いるので挨拶しました。「暑いですねえ」「暑いねえ。」「海はあまり見えませんね。」「埋め立てちゃったからね。気をつけてお行き。」みたいな流れになるのは日本とあまり変わりません。


 絵本に出てくるような藁葺でなくともカボチャに乗っ取られた屋根を見ると韓国っぽい気がします。


 古そうな家が少なからず見えますが、人が住んでいる気配がなかったり朽ちたりで建て替えられているところも多く過渡期という感じでした。



 という具合に斜面の町並みをぶらぶらした後バスで法聖浦を後にしました。ところでこの法聖浦は霊光原発たった5~6kmの距離です。フクシマの浜通りで起こったことはこういうのどかな田舎町からある日突然人が消え目の前のクルビの海が汚されるようなことだったのかとふと思い出してしまい暑いのにゾッとしました。
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鎮海の帝皇山公園モノレール

2011-09-24 | 韓国
 今回は韓国慶尚南道昌原市の鎮海の話です。ここはもともとは鎮海市だったのですが2010年に昌原市に編入され鎮海区になりました。なので昌原と鎮海は別のところという感覚がなかなか抜けません。
 この鎮海で有名なものというと海軍と桜ですが、行きたくなった理由は鎮海線という枝線の存在です。なのでまず鎮海線に乗って鎮海駅に出ました。(鎮海線「乗り鉄」の話はこちらをご覧下さい。)


 鎮海駅に着いたらとりあえずは目的を果たしたことになります。とは言えせっかく来たのだし少しは見物もしようと町中からぽっこりと見える帝皇山公園に行くことにしました。尤もここに行ってみようと思った理由は斜行モノレールがあるからでやっぱり乗り物目当てではあるのですが。
 そんなわけで駅前正面の中原路を200mほど南下し、左に100mほど歩いて突き当たったところにモノレール乗り場があります。


 ここのモノレールは例えば東京の王子にある飛鳥山公園に設置されている「アスカルゴ」と同様の嘉穂モノレール(韓国の代理店は韓国モノレール)です。小さいゴンドラが2両連結されているので可愛らしい感じがします。1両20人ずつの40人乗りといいますから輸送力もなかなかあなどれません。路線の全長は174mとのことです。


 切符を買おうと出札口に行くと、お父さんが「ケーブルカー、」と言いかけ子供が「ケーブルカーじゃないよ、モノレールだよ。」なんていうやりとりが聞こえてくるのでほほえましいものがありました。そういえばソウルの南山や雪岳山、統営などロープウェーのことを韓国語ではケーブルカーと言いますから、この手の変わった乗り物はみんなケーブルカーというイメージなのかも知れません。運賃は大人片道2000w往復3000wですが、昌原市民は片道1500w往復2000wと割引されるので身分証明を出して切符を買っていました。
 市民ではないこちらは普通運賃の片道を買ってゴンドラに乗り込むとエレベータのような雰囲気です。


 下から上まで乗っているのはせいぜい3分くらいですなかなか悪くない眺望が楽しめました。


 上部の乗り場には係員の常駐がなくゴンドラは基本的に下部に待機しています。もし下りようとするときゴンドラが停まっていなかったらインターフォンで下部に連絡するよう指示が書いてありました。


 モノレールを降りた帝皇山の頂上は標高90mとのことです。目の前には鎮海塔という塔が立ちさらに登れるのですがこのときは秋夕で休みでした。モノレールの切符売り場で「塔は休みだけどそれでも登る?」と聞かれましたからやはりセットで見物すべき観光地なのでしょう。なるほどというのか木が多いので塔に登らないとあまり眺望は開けません。


 ともあれモノレールには乗って満足したので下りは歩くことにします。山の北側には中央市場が広がっているのでちょっと見物しました。


 港町らしく天ぷら屋さんの店頭には豪快に丸揚げが並びます。


 魚の周りにはハエ避けにでもなるのかよく蚊取り線香が置かれていました。


 秋夕を控えお餅屋さんは大忙しです。(韓国では秋夕に松片=ソンピョンという餅を食べる習慣があります。)


 という具合に鎮海見物をし、お土産には鎮海の名物「チネコン(あるいは豆菓子の意味のコンクァジャとも)」を買いました。小麦と大豆の粉を混ぜ豆状に焼いたものを軽く砂糖でコーティングしてあり素朴な味わいです。植民地時代に日本人が売り出して今に続くそうですからなかなかの歴史があります。
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馬山のトンスル通り

2011-09-23 | 韓国
(前回のつづきです。)
 馬山で気になった飲食店街が魚市場から2kmほど南西にある「トンスル通り」です。(トンは漢字の桶・スル酒のことなので桶酒通り、あるいは樽酒通りなどと訳されています。)飲み屋が集まっている通りだというのでとりあえず様子を見に行きました。

 魚市場から南西に向かう市内バスに乗って「半月洞」バス停で降り、バス通り(3.15大路)をバスの進む方向に歩いていくとそのまま正面に続く道がトンスル通りです。

 画像のようにバス通り(3.15大路)は斜め左に曲がりますが、その正面にトンスル通りの看板が大きく見えます。


 飲み屋の横丁然としているようなところではなく割に広い通りです。

 両側に「○○トンスル」「××シルビ(シルビの意味は居酒屋)」といった看板の店が何軒も並んでいます。

 そのうちの適当な1軒に入って店員さんにシステムを聞いてみたところ1テーブル分の料理が50000wで1~4人分とのことでした。テーブル単位なので例え1人でも50000wになってしまうわけです。この料理を頼むと海産物中心に刺身や焼き物、鍋やその他おかずがあれこれとたくさん出てくるので、そこに焼酎5000w、ビール4000wなどを注文して飲むということになります。なので1人ではちょっと無理ですから人数が揃うとき飲みに行くと楽しそうです。
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