乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

ソハチェフの軽便鉄道博物館

2012-10-27 | ポーランド
 ワルシャワ西郊のソハチェフ(Sochaczew)に軽便鉄道博物館があります。ここは普段展示している車両とともに動態保存車も持っていて春~秋のシーズンの週末を中心に保存運行をしているという施設です。運行日ではない日に行ったため「乗る」ことはできなかったのですが展示車両をざっと見物したので少々触れておきます。

 ソハチェフの近郊には著名な観光地「ショパンの生家」があるので先にそちらを見物してからハシゴするかたちで軽便鉄道博物館に足を運びました。
(ショパンの生家に行った話はこちらをご覧下さい。)
 ソハチェフ駅前には蒸機が置かれていてそれ自体博物館の看板みたいなものですが、よく見るとヘッドマークのように「博物館まで200m」と書かれた案内板がついていましたからこの蒸機は実は大きな「案内板の取り付け具」と言えるかもしれません。

 そのソハチェフ駅から正面方向にまっすぐ歩いていくと確かに200mくらいですぐに博物館に着きます。入口の門に窓口がありそこで入場券を買いました。


 敷地の外からも見える建物は敷地内から入れ、駅舎内の様子や資料を展示する場になっています。


 出て改めて敷地を見ると展示車両が広がっていてなかなか壮観です。


 蒸機と客車・貨車はもちろん、鉄道馬車、クルマのような事業用車、クルマのタイヤを軌道用に換えたもの(これはナローではなく標準軌のようでしたが)と多彩な車両が見られます。




 またここの路線は非電化ながら電気機関車の展示もありました。



 という具合に意外に規模が大きく展示車両は時々手入れがされている様子がうかがえ悪くない印象です。ワルシャワから足を延ばしやすい位置にありショパンの生家とハシゴができ、展示車両数が多く運転日なら片道1時間15分も乗れる、となかなかの好条件揃いですからワルシャワ訪問の機会があったら一考に値する施設だと思います。
(博物館公式サイト)
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ショパンの生家

2012-10-26 | ポーランド
 ワルシャワ西郊にショパンの生家があるというので行ってみることにしました。
 ショパンの生家の最寄り駅はソハチェフ(Sochaczew)です。今回は近郊電車の鈍行に乗って行きましたが、停車駅の少ない長距離の客車列車も停まります。
 このソハチェフに行く列車のワルシャワでの乗り場は2つあり、前者の近郊電車はワルシャワ・シルドミエシチェ駅(Warszawa Srodmiescie)から、後者はワルシャワ中央駅からなので注意が必要です。両駅ともに地下駅で隣接してはいるものの行き来にはちょっと歩きますから事前にどちらから出る列車を利用するか時刻表で確認してくとムダがありません。なおワルシャワからソハチェフまでの所要時間は近郊電車で1時間前後・長距離列車で40分弱です。


 というわけで着いたソハチェフ駅の駅舎はこの通りなかなかシャレていてます。


 駅前にはすぐバス乗り場が広がり、片隅の売店でバスの乗車券を販売していました。車内でも乗る時に買うことができますがこの売店で事前に買っておく方が多少安く済みます。(いずれの切符も車内の改札機で自己改札が必要)


 ショパンの生家の最寄バス停(Zelazowa Wola/ジェラゾヴァ・ヴォラ)に行くバスは6系統です。本数が少ないので事前に時刻表をチェックしておくことをオススメします。

 この6系統に乗り込んでかぶりついていると軽便鉄道のレールと併走するのが見えました。ソハチェフには軽便鉄道博物館(公式サイト)があり保存運行もされているので運転日を狙って両者のハシゴをするのもオツでしょう。

 乗ること20分でジェラゾヴァ・ヴォラに着きました。


 降りたらバスの進む方向にそのまま進むとT字路があり、その一角がショパンの生家です。T字路には「ホテルショパン」なんて看板もあって「らしい」感じがありました。


 門はありますが一般の入口はそこではなく隣接する建物から入ります。これは土産物やCDの売場やレストランが入る建物で、一旦ここに入って切符を買いまた出てショパンの生家の「建物」に向かうという手順です。


 敷地は大変広くまたよく整備されていて「ショパン生家公園」とでもいった方がいいような感じでした。


 普通の公園と違うのは敷地のあちこちにスピーカーが置かれていることで、ここからずっとショパンの曲が流されているのはちょっとやり過ぎというのかなんか落ち着きません。


 「ショパンの生家」はごくあっさりとした建物でした。


 中の展示もごくあっさり目です。


 一応中をぐるっと回ったので敷地を出て改めて周りを見ると大きな駐車場と土産物売場が並んでいます。停まっている観光バスの数はなかなか多く日本からの団体さんも来ていて盛況でした。


 駐車場の先は広っぱが広がり馬が放されています。また多分わざわざ茅葺だか草葺にしているらしきキレイな家があってゼイタクな雰囲気です。


 あとは草っ原にショパン生家の敷地内から続く川があってだだっ広くただの田舎という感じですが、(私の勝手な思い込みの)ポーランドらしいというかショパンが生まれそうな(?)というか、ともあれなんとなく敷地内よりも納得できてしまう風景でした。


 また上述のT字路の「一本足」側に歩いていくとショパン生家の敷地内を流れる川を渡る橋があり、整備された敷地側と、整備されていない側を見比べることができます。この辺だとなんとなくでも昔を偲べるでしょうか。




 というわけでショパンの生家を見に来たのかその辺のただの広っぱを見に来たのか微妙ですが、なんとなく納得できたような気分になったところで6系統のバスに乗ってソハチェフ駅に戻りました。ソハチェフ駅に着いたあとは軽便鉄道博物館に行きましたが、長くなったのでその話は次回とします。
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カウナスでツェペリナイ

2012-10-21 | リトアニア
 リトアニア第二の都市カウナスにはケーブルカーが走っているというのでそれに乗るためちょっと寄ってみました。幸いカウナス駅構内にコインロッカーがあったので身軽に歩き回れ助かります。
(ケーブルカーの話はこちらをご覧下さい。)


 このケーブルカーの近くDonelaicio通りに旧市街からカウナス駅に向かうトロリーバスが走っています。ただしカウナスの中心部はトロリーバスの上下線が遠く離れているのでカウナス駅「から」トロリーバスに乗っていく場合は最寄の停留所で降りてもケーブルカーからは結構距離があります。


 ケーブルカーに乗った後トロリーバスを見ながらDonelaicio通りを歩いていたらキレイめのお店にランチの文字が見えました。昼時なので入ってみます。

 入るとまずカウンターでいくつかあるランチメニューから注文しおカネ(7リタス:訪問時約200円)は先払い、食器を取って勝手に席につきあとは料理が出てくるのを待つという形式です。

 まずスープが出たあとほどなくして「ツェペリナイ」が出てきました。

 ツェペリナイはリトアニア料理の定番だそうで、ジャガイモで作った皮でひき肉を包み揚げたものにサワークリームがかかっています。やや油っこいもののジャガイモの風味があるモチモチとした皮の食感はなかなか悪くなく、ボリュームたっぷりでお腹いっぱいになりました。名前の由来は形が飛行船(ツェッペリン)を連想させるからだそうです。

 ところでこの感じどっかで似たものを食べたような、と記憶をたどると、そうだ台湾の肉円(バーワン)だ、と思い出しました。肉円は南国らしくイモはイモでもサツマイモの澱粉で皮を作りひき肉とかタケノコ、シイタケなんかの具を入れて揚げるか蒸すか、というものですから全然接点はないのですが、遠いところで意外なものを思い出すというのはなんだか楽しいものです。
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原発の町ヴィサギナス

2012-10-13 | リトアニア
 リトアニアの話ですがラトビアの「鉄話」から始めます。ラトビアのダウガフピルスからリトアニアのヴィリニュスまで国際列車に乗って行こう、と思いラトビアの時刻表を見たら国境を越える列車は早朝発の1便(サンクトペテルブルク発ヴィリニュス行きの夜行列車)しかありませんでした。私は客車より電車・気動車の方が好みで、また比較的ローカルっぽい列車が好きなタチなのでこの手の長距離列車にずっと乗るというのはやや気が進みません。
 改めてダウガフピルスから国境は近いので、例えば国境越えてすぐに降りればリトアニア国内だけのローカル列車に乗れるかも、とリトアニアの時刻表を見たところ案の定気動車の鈍行がありました。じゃ国際列車の国境越えたあと最初の停車駅はどこだろうと改めて時刻表を見るとダウガフピルスの次、30分くらい乗った先の「ヴィサギナス(Visaginas)」とあります。そこで降りると鈍行までの待ち時間は2時間弱後というダイヤです。そのくらいなら時間がつぶせそうだからそこで乗り換えよう、と方針が固まりました。

 さてじゃヴィサギナスってどんなとこだろうと思い検索してみたらなんとここは「1970年代に原発のために作られた町」とのことです。韓国や台湾で路線バスで原発見物なんてふざけたことをやってたからリトアニアくんだりまで行くというのに原発がついてきちゃうのか、幸いと言うべきかヴィサギナスの原発はチェルノブイリ事故後に危険性が指摘され操業を停止し今は稼動していないのですが、今度はここに日立が新しい原発売ろうとしているそうなので日本とまんざら無関係でもありません。ともあれそんな町で時間つぶしをすることになったというわけです。(※その後10月14日に行われた原発建設を問う国民投票では原発反対票が多数となり、同時に行われた国会議員選挙では推進派の与党が第一党から転落し建設計画の見直しがあり得る情勢になったとニュースがありましたが。)

 では前置きは終わりにして実際に寄ったときの話に移ります。ダウガフピルスから乗った列車がヴィサギナスに着いたのはまだ暗いうちです。単線にホームが一本あるだけの小さな駅で拍子抜けしました。原発に向かう引込み線はもっとヴィリニュス寄りから延びていてこの駅は基本的に旅客相手のもののようです。


 町中に出るバスの時間と合わないので白々と明けてきた道を歩くことにしました。本当に何にもない駅前から町まではやけに立派な道路が延びています。日本の原発城下町にある駅だったら「おおこれも『原発マネー』の力かな」などとさっそく思うところですが、社会主義のもと原発のために作られた町ですから計画経済の賜物でしょうか。


 そのうち町らしくなってきたのでキョロキョロ見たところ70年代に作られた新しい町らしく日本のニュータウンとあまり変わらない雰囲気です。西側・東側と言っても案外似たような感じになるものですね。そういえば単に方角だと日本の方が東側かも、などとしょうもないことを考えてしまいました。


 教会が目を引くくらいでボーっとしているとどこにいるのかよくわからなくなってきます。


 申し訳ないけどヘンテコなオブジェめいたものとかも日本にもありそうですし違和感がありません。

 ウロウロしていると実にあっさりした町で、日本の原発城下町みたいに「原子力明るい未来のエネルギー」的な標語の看板の類なんかは全然見当たりませんでした。まあとりあえず稼動してない上、そもそもが原発のために新たに作った町ともなればそんなものをあえて掲げる必要がなさそうではありますが。でもこの町は今どうやって「食って」いるんだろう一回稼動しちゃうと止めても後始末にえらいカネがかかるのが原発ではあるもののと不思議な気がしてきます。

 そのうちに中・長距離バスの乗り場が集まるParkoという通りに着きました。

 参考のため掲示されていた時刻表を大きめのサイズで貼っておきます。


 この附近にいると朝の通勤通学時間帯とみえ近郊バスやタクシー(乗合かもしれません)がどんどんやってきました。またなんだかてっぺんに鳥のくっついた塔が立っています。(ヴィサギナスは湖や湿地が多く鳥が多く棲息しているのだそうです。)

 塔には電光表示もくっつき日付、時間、温度と表示されるのですが、もうひとつ何か表示が出てヘンな単位らしきものが見えます。よく見たらμR/h、つまり「毎時○マイクロレントゲン」という表示でした。原発の町らしいなあと思ったのはこれくらいです。


 ヴィサギナスは湖畔にある町でParkoから南に林を抜けると白樺の映えるヴィサギナス湖が見えます。この辺りは湖が多くこれよりさらに大きい湖が近くにあるためその水を利用しようと原発が立地したのだそうです。


 というところで時間切れになりました。ちなみに原発(稼動をやめたので「跡」とつけるべきでしょうか)そのものは町から7~8km離れたところにあります。日本や韓国の原発はかなり町の近くにあったりしますがこちらは町も新しく作ったところだけに事故に備えて多少は両者を離したのでしょうか。それにしても、もし最初から「そう」と知らないで降りていたらそういう目で見ないので原発の町と気づかないままだったろうなあと思ったヴィサギナスでした。
 だからというわけでもないのですが、最後に町中で見かけた「ここは原発のために作られた町」と書かれた碑でシメます。
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ダウガフピルスの要塞

2012-10-12 | ラトビア
 今回は先月行ったラトビア第二の都市、ダウガフピルス(Daugavpils)の話です。
 ダウガフピルスは首都リガからダウガヴァ川を遡ったラトビアの南東端にあります。第二の都市と言ってもそう有名な観光地があるわけでもない地味な街なので、遊びの旅行でヨソモノが来るとすればすぐ先のリトアニアやベラルーシに移動するとき通るとかそんな感じでしょうか。とりあえず私はそのクチでしたが一応路面電車を乗り回してみました。
(ダウガフピルスの路面電車の話はこちらをご覧下さい。)

 まずは玄関になるダウガフピルス駅です。立派でキレイですが列車がそう多くないため人影は少なめでした。


 駅正面にはキレイな商店街が延びていますが店の密度は薄くやはり人通りは少なめです。


 商店街から脇にそれると旧共産圏らしい雰囲気の集合住宅が顔を出します。


 駅を出てこの商店街ではなく右に進んだところに路面電車1系統の起終点Stacija電停があります。(ダウガフピルスの路面電車の系統数は3つ)これに乗って4つ目がUniversitate電停で、この周辺にはダウガフピルス大学、劇場、ロシア教会が集まり落ち着いた雰囲気です。




 ここで3系統に乗ります。一旦駅方向に戻ってから分岐し単線をしばらく走ると終点のCietoksnis電停です。ここで降りてさらに先に歩いていくと鉄道のガードが見えるのでくぐるとまもなく大きな星型をした要塞の跡にたどり着きます。ここは街外れで閑散としたところではありますが、市電&要塞の組み合わせで函館市電に乗って五稜郭公園に行く感覚をちょっと思い出しました。


 この要塞がダウガフピルスの名所のひとつなのですが、門をくぐり中に入ってみるとちょうど大規模な整備工事中でした。

 要塞だけあり武器系オブジェがいくつか置かれています。


 要塞内は広大で集合住宅が建っていました。今は普通に人が暮らしている場所というわけです。

 城壁に挟まれた一角はうまいことバスケットボールなど運動用のスペースに使われていました。


 あまり整備は進んでいませんが城壁の上はなんとなく歩けます。外側のお濠に水はなく草に覆われ廃墟と化していました。


 工事中ながら一応要塞を見た、ということで満足し改めて3系統の電車に乗ります。上述のUniversitate電停を過ぎラトビア鉄道を陸橋で越えると教会が多く立ち並びなかなか映える景色になりました。




 陸橋を越えてからSaules veikals電停辺りまでが市電の系統が複数重なる街中らしいところで、Saules veikals電停前には小さな市とスーパーマーケット、郵便局のほかカフェがあって一休みできます、とわざわざ触れたのはSaules veikals電停は1・2系統と3系統が分岐する電停で、3系統はここを過ぎるとまた単線になり閑散としたところを走るからです。


 さらに3系統に乗ってSaules veikalsの先まで行ってみます。閑散としてきたと思ったらそのうち林の中を走るようになって「市電」っぽくなくなりました。


 終点のStropu ezers電停は近くに湖も広がり気持ちよく散歩が楽しめそうです。


 という具合に市電の1・3系統に沿った観光スポットっぽいところをざっと見てみました。あまり気合入れて観光するぞ、という感じでもなかったのですが落ち着いた雰囲気でとりあえずのんびり過ごせる街だと思います。
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