乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

ティラスポリ(沿ドニエストル)

2017-10-25 | 沿ドニエストル
 先月モルドバの首都キシナウで時間があったので沿ドニエストル共和国の首都ティラスポリに行ってみることにしました。キシナウの中心部にあるバスターミナルからティラスポリまでバスが日中毎時3本程度出ているので気が向いた時に行ってもさして待たずに出発することができます。運賃の支払方法はバスターミナルの出札口で乗車券を買うか運転士さんに直接現金で払うかのどちらかです。バスターミナルを出るとものの100mも走らないうちから手を挙げて乗って来る人がいるほどで全区間自由乗降状態のようでした。画像のようにバスらしくない小さい車両なのでバスらしい大きさのバスよりこまめに停車しやすそうではあります。


 渋滞するキシナウ中心部を抜け田舎道を走り出発から1時間くらいで出入国管理所に着きました。ここで私のような外国人は入国審査を受ける必要があるので降りて窓口に行かねばなりません。もっともパスポートを出して観光だと言うとすぐに10時間有効の入国許可証が発行されあっという間にことが済みます。(パスポートにスタンプは押されません。)
 入国後は数分でティラスポリの対岸ベンデル(Bender)の街のバスターミナルに着きました。(画像のようにプラットホームから離れての停車ですがキシナウ行きのバスはちゃんとプラットホームに寄ります。)ここからはティラスポリまではトロリーバスも通じていてひと続きの市街地という感じです。


 ベンデルを出るとすぐにドニエストル川を渡り徐々に乗客が降りていくようになります。終点のティラスポリ駅前まで乗っていたのは私1人だけでした。駅前に着いてみると意外と何もないところなのでなるほどというところです。駅舎の向かって右側に鉄道の出札口があり、バスの出札口は左側に入っているので終バスの時間(訪問時18:30)を確認しておきました。コインロッカーもあったのですが15カペイカと時代がかった料金が書いてあり使えるのかどうかわかりません。(訪問時公式レート1米ドル=15ルーブル・1ルーブル=100カペイカ)両替所もありとりあえず小遣い分の沿ドニエストル・ルーブルを作っておきます。(両替所は街中にたくさんありました。)


 特にこれと言って行こうというあてもないので駅から南の街中へとぶらぶら歩き出しました。沿ドニエストル国旗とソ連の国章旗を飾っているクルマがあったりするとすごいなあと感心させられます。沿ドニエストル同様に日本は承認していない国、アブハジア・南オセチアの代表部がありその国旗が翻っている様子も珍しい気がするものです。もっとも承認の点よりもそもそも普段あまり縁がない地域なので珍しく感じるだけかもしれませんが。


 トロリーバスが走る広い10月25日通りがドニエストル川が近づく辺りによくあちこちの街にある「アイラブティラスポリ」のロシア語版がありました。


 ハートマークといえばドニエストル川を見ようと橋に上がると南京錠がいっぱいくっついていておふたりさんがすることはどこでも同じだなあと感心させられます。


 その橋のたもとには物騒なモノがあったりその先にはレーニン像が立っていたりとなんだか目まぐるしい感じです。


 沿ドニエストルの国章にはブドウが描かれているくらいブドウやワイン、ブランデーが大事な産物だというのでとりあえずワインを飲んでおきます。


 さて一番沿ドニエストルに来たなあ、という気分になったのは郵便局でした。沿ドニエストル独自の切手はあるものの外国への郵便物はモルドバからという扱いになるのでモルドバの切手を貼らねばならず郵便局では両方の切手も売っています。なのでお土産用の沿ドニエストルの切手、日本に出すハガキ用のモルドバの切手を一度に買うということになりちょっと面白いものです。
 ハガキを書いて出したらたらもう夕方だったのでバスに乗って沿ドニエストルを出ました。ティラスポリに着いたのが昼下がりと遅かったのでもう少し早く出てくればよかったと思うところです。キシナウに戻るバスもキシナウの街に入ると途中で乗客が降りて行き終点のバスターミナルまで乗っていたのは私1人だったのでちょっと意外でした。バスターミナルはトロリーバスが走る大通りから少し奥まったところにあるので他の交通機関に乗り換えやすいところで降りた方が合理的ではありそうです。


 ところで自分用の沿ドニエストルのお土産は他ではあまり聞かないプラスチックの硬貨です。4種あるのでお釣りで手元に来たら使わずお土産にとっておこう思っていたらあまり流通していないようで全然見かけませんでした。買い物のときに無いか聞くとごそごそと探し1枚だけあったよはいこれ、みたいな感じで何軒かで聞いてようやく全種集まったという具合です。それほど大きくない国の沿ドニエストルの首都であまり流通していないとなるとプラスチックの硬貨は使いにくいということなのでしょうか。
コメント
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