乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

廃線跡の市場(馬山)

2017-04-22 | 韓国
 エボヤ祭り・ミドドク祝祭を見物したあとに鎮東乗り換えセンターで馬山を経て昌原に向かう71番バスに乗りました。祭りで昼間からビールを飲んだあとということもありうつらうつらして目が覚めたら馬山の街中に入っています。そのうち着いた桧山橋停留所でなんだか結構大勢降りていくので何かあるのかなとなんとなくつられて降りたら北馬山中央市場の前でした。


 桧原川の脇にひろがる市場に入るとなんというか中途半端な時間という空気ですが市場の活気があるのは午前中で刺身店が並ぶ一角もあるもののここで飲む人は夜以降とすると昼下がりの夕方前くらいでは仕方ありません。猫に何しに来たんだという顔で見られます。


 市場を出て改めて周りを見るとバス通りを挟んだ向かい側の桧山橋を渡った先に人の流れがあるのが見えました。ではとそっちに歩いて行くとなにやらキレイになっている橋をくぐった先にまっすぐ市場というかお店が続く道が延びています。


 しばらく歩いて行くと線路があらわれびっくりしました。改めて見回してみると線路はくぐった橋から続いています。ということは最初くぐった橋は鉄道の橋だったわけです。そこで気づいたのですがこれは馬山港第一埠頭線(馬山臨港線)の廃線跡でした。


 とりあえず市場の北端まで歩いてみると踏切のレールも残っていてその先はキレイな遊歩道が延びています。


 歩き出した桧原川へと戻っていくと線路の上でカボチャ粥(ホバクチュク)だけを商う店が気になり入って一杯もらいました。韓国のカボチャ粥は粥といっても餅なんかもはいっている甘いもので結構ボリュームがあります。なので大根の漬物を汁ごと食べる酸味のあるトンチミを箸休めというか匙休めにするわけですね。レールの上に置かれた小さなテーブルでレールを見ながら食べるカボチャ粥はなかなかオツでした。


 線路を歩いて行くと先に見た橋へと勾配がつきます。この辺りで線路上の市場は途切れるのですが今度は家庭菜園があらわれ「耕作禁止」という立札が見られました。そういえば日本でも名鉄なんかでよく「線路を耕作しないで下さい」という立札を見かけましたしどうも線路脇というのは耕作したくなるものみたいですね。


 線路跡に腰掛けておしゃべりしたりマッコルリを一杯やっている人もいます。馬山で見かけるマッコルリはたいてい釜山の「生濁」でここでもそうでした。橋を南側に渡った先も北側と同様にキレイな遊歩道に整備されています。


 という具合に見物してなかなかおもしろいところがあるものだなあと感心しました。
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ミドドク(エボヤ)祭り

2017-04-21 | 韓国
 ホヤは韓国でも日本でも盛んに食べられていますが韓国で食べられているホヤの仲間「エボヤ」となると日本では食べたことがありません。エボヤは韓国語でミドドクといいホヤよりずっと小さく、味はホヤに近いものの食感は全然違います。このエボヤの韓国を代表する産地が慶尚南道昌原市は馬山郊外の鎮東面で、4月にエボヤ祭り(ミドドク祝祭)なるものも開かれるというので行ってみることにしました。

 まず馬山駅前から昌原市内バス70番に55分ほど乗り鎮東面の中心にある鎮東換乗センターに出ます。


 祭りの会場は巌光港という漁港で鎮東換乗センターから1.5㎞くらいとそう遠くないのですが祭りのために無料のシャトルバスが運行されていました。


 会場は大変広くエボヤ料理の食堂をはじめその他飲み物食べ物雑貨など屋台がずらりと並び中心にステージが設えられかなりの規模です。韓国の祭りや市場につきもののアメ売りもハサミを鳴らしながら売り歩いていました。


 主役のエボヤは会場中に大量に用意されそこここで剥かれています。小さく食べるところが少ないことを考えると剥く手間が大変な食べ物だと改めて思いました。


 行列ができているので何かと見ると生のエボヤのパックをタダで配ったりエボヤビビンパを試食できるコーナーで私も負けじと並びます。エボヤビビンパをもらって食べてみたところエボヤの味がご飯によく合っていて大変美味しく気に入りました。


 さらに食堂に入ってエボヤの刺身とジョン(お好み焼き風のもの)を食べることにします。新鮮なエボヤの刺身はさわやかでジョンは香ばしくどちらもいいものです。


 エボヤの仲間のシロボヤ(オマンドゥンイ)というものも韓国では食べられていてこれも販売されているのが目につきました。エボヤより安く食感はコリコリとしています。


 ひと通り会場を見物してシャトルバスに乗ろうかと出口に向かうと普段は漁協の直販場の建物でエボヤその他の魚介類の刺身屋が店開きしているのが目につき覗いたらエボヤ以外も食べたくなってしまいました。注文は20000ウォン単位とメニューにあり韓国の刺身だけにかなり多そうですが1人なので10000ウォンで何か食べられないかと聞いたところボラならと大丈夫とのことでさばいてもらうことにします。


 生け簀から掬ってパキッと手際よく頭を折り放血後さばかれていく様子を見ていると食べる前からウマそうです。少なくしてもらったとは言え1匹分の刺身なので結構量があるもののもともと美味しい上にワサビ醤油の他味噌やごま油、ニンニクなども使い葉で巻いても食べる韓国風の食べ方だと飽きずに済みます。ボラは水質が悪いと臭くなりやすい魚ですがこの辺りはエボヤを養殖しているだけあり海がキレイとみえ臭みは全くありませんでした。考えてみればボラが飛び跳ねているのを見たり台湾でカラスミを買って来て食べることはあっても身を食べる機会は意外となくなんだかトクした気分です。


 というわけで大変楽しいというか美味しいお祭りでした。
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蔚山のビビンパとワカメカステラ

2017-04-20 | 韓国
 ムグンファ号に乗って蔚山広域市の太和江駅で降りました。ここはかつて蔚山駅だったのに郊外にできた高速鉄道の駅に蔚山駅の名前をとられ改名の憂き目に遭っています。一方やはり郊外に高速鉄道の駅ができた隣の慶州市では在来線の慶州駅はそのままで高速鉄道の駅は新慶州駅ですからいろいろですね。
 太和江の駅前で127番の市内バスに乗り市庁前に向かいます。


 目的地は市庁前停留所近くにある咸陽チプという1924年創業という老舗のビビンパ店です。ユッケビビンパを頼んだところあっさり目の上品な美味しさでまた食べたくなりそうな味でした。


 ビビンパのあとは太和江行きの127番バスに乗って途中の達洞現代アパート停留所で降ります。バス通りから現代アパート沿いに少し歩いて行くとイソンホ菓子店というパンと洋菓子の店がありここでワカメカステラなるちょっと珍しいものを買いました。


 菓子店のすぐ前には達洞住公アパートという停留所がありここから923番のバスに乗ります。数分で着くロッテ百貨店後門停留所で降りると市外バスと高速バスターミナルのすぐ近くです。今回は市外バスや高速バスではなくまた列車に乗るので太和江駅に向かうバスに乗るためすぐ近くの市外高速バスターミナル停留所で847番に乗り換えたところ名前が違う停留所同士ながらちゃんと(交通カード利用で)乗り継ぎが無料になったので感心させられました。


 市外高速バスターミナルを出ると3つ目が太和江駅ですからすぐです。乗る列車の発車まで時間がありおあつらえ向きに駅構内にテーブルのある席があったのでワカメカステラを開けてみました。カステラと言ってもクリームが挟んであるケーキなのでナイフで切らないと食べづらくあきらめて丸かじりしたり少しずつつまんだりしてみるとワカメがなかなかよいアクセントになっていて美味しくなるほどと納得です。


 太和江ではまた釜田行のムグンファ号に乗りました。海沿いを走る景色のいい区間が線形改良で内陸部に移ったため車窓はイマイチになりましたがリクライニングシートで揺られているとまずは快適です。終着の釜田に着くと昨年末から走り出した4扉の通勤電車が停まっていたり自動改札が設置されているのが見られ釜山は地下鉄や新交通システムに加え通勤電車も走る都市になったのかとしみじみしました。
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浦項の新駅とドジョウ汁

2017-04-19 | 韓国
 暖かくなったらなんだか韓国に行きたい気分が盛り上がり大邱へと向かいました。東大邱に出ると昨年の訪問時にはまだ工事中だった「東大邱複合換乗センター」が12月に開業し高速鉄道と在来線両方が停まる隣の東大邱駅と相まっていよいよ交通の要所としての迫力が増した感じです。
 新しいものといえば東大邱駅に入るとこれまた12月に運行が開始されたSRT(水西高速鉄道)の案内カウンターが見え半年も経っていないのになんだかずいぶんと久しぶりのような気がしてしまいました。


 今回はここから浦項へと向かいます。ホームに降りると号車案内にKTX、KTX山川さらに新顔のSRTと高速鉄道が並ぶのでやってきた浦項行きのKTXがだいぶ古株のように見えました。


 東大邱~浦項の移動方法は高速鉄道に在来線にバスとありますが今回KTXにしたのは前回慶州市にある「良洞民俗村」に行ったときすぐ近くを走る東大邱~浦項間のKTXの高架が印象に残り次は車内から村を見てみようと思ったからです。車窓から良洞民俗村が見えるのはほんの一瞬ですが無事見えとりあえず達成感みたいなものはわきました。


 東大邱から35分で着いた浦項駅は2015年にできた新しいものです。現在は行き止まりでも今後東海岸に沿って北へと延長される予定なのでレールはずっと先まで続いていて途中駅のように見えます。この新駅は浦項の街中からだいぶ北にズレた郊外にあり、街中にあった旧浦項駅にくらべだいぶ不便になってしまいました。もっとも街中と新駅を結ぶ市内バスはじゃんじゃん来るので着いて困るということはありませんけれども。また新駅がある興海邑の中心部に向かうバスも頻発していて今回はこれに乗りました。


 浦項駅から10分弱乗って市内バスの拠点「興海換乗センター」で降りると目の前に興海市場があり地域の拠点らしい雰囲気です。換乗センターと言っても折返場やホームはなく道端にこじんまりとした待合所があるくらいの地味なものですが浦項の街中からやって来る系統と興海地域を走る支線系統が結構頻繁に発着していてそれなりに活気は感じられました。


 興海市場に入ってみるとそう規模は大きくなくやや刺身屋の数が多いかなというくらいの印象です。

 この市場にある79歳になるという店主が切り盛りする老舗「玉分ハルメチュオタン」に入りました。うれしいことに自家製トンドン酒もあって1杯単位から注文できるのでチュオタンと一緒に頼みます。よく漬かったキムチなどのおかずをつまみながらチュオタンとトンドン酒をすするのはなんとも楽しいものです。


 やや酔い心地で換乗センターに戻るとすぐ前に迎日民俗博物館があったので入って見物しました。民具、古書、農具、漁具などが展示されている大変キレイな施設です。


 という具合に飲み食いや見物を楽しんだら新しい浦項駅は街中から遠くなったもののおかげで興海に足を運ぶ気になってよかったとなんだかトクした気分になりました。
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