乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

ハノイの地下市場と餓死者慰霊碑

2020-01-31 | ベトナム
 ハノイでちょっと市内バスに乗りたくなり旧市街の中心部から36番で南下しました。(36番に乗った話はこちら)降りたのはCho Moというかつて市電の終点だったところです。Cho MoのChoは市場の意味なのでMo市場ということになりますが、この市場は再開発で大きなビルになっていて地下に市場らしい市場が広がっていました。


 衣類や食品、食器などを扱う店がたくさん並んでいて日用品はひと通り揃いそうです。


 食堂や甘味処といった飲食店も結構ありました。ぐるっと見て回ったところ地下という点以外はそれほど特徴はない普段使いの市場という雰囲気です。とりあえず満足したので地上に出て24番のバスに乗って次の目的地「餓死者慰霊碑」に向かいます。


 24番バスでMinh Khai通りを東に進み、Kim Nguu川・Kim Nguu通りと交差する手前で降りました。工事でわやわやしています。


 川を渡りMinh Khai通りの北側沿いに歩いて行くと西に向かうバスの停留所があり、そこを過ぎて新しいマンションが見える手前の道を北に入ります。


 そのまま商店がぱらぱらある道を北へ進んで行くとすぐに奥まった雰囲気になりました。


 この先でいいのか不安になり行きあった方に道を聞くとこの奥だというのでさらに北に向かうと行き止まりの手前に門が見えてきます。


 門を入るとすぐに慰霊碑が立っていました。ここには第二次大戦中日本の侵略の犠牲になり餓死された方の遺骨が葬られているそうです。係の方がいらして案内して下さるのでついて行きます。


 祭壇が設けられた建物の中には遺骨の写真が掲げられていました。


 手を合わせて辞します。少し周りを歩いてみたところ建物が立ち並び狭い路地が続いていて迷路のようでした。
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ファッジエム教会と名物麺

2020-01-22 | ベトナム
 ベトナム北部ニンビン省の景勝地「チャンアン(Trang An)の複合景観」とハシゴしやすい場所にファッジエム教会(Nha tho da Phat Diem、ファッジエム大聖堂・Nha tho chinh toa Phat Diemとも)という観光名所があります。そこではベトナム風の昔の教会が見られるということに加えちょっとバスで出かけたいという気分も起こり行ってみることにしました。

 ファッジエム教会はニンビン(Ninh Binh)省のキムソン(Kim Son)というところにあります。まずニンビン省の中心ニンビン市内のニンビンバスターミナル(Ben xe Ninh Binh)に行きキムソンに行くバスはどれか尋ねたところ02番と書かれたキムドン(Kim Dong)行きに案内されました。運賃は車内で支払うので事前に乗車券を買う必要はないとのことです。韓国のマウルバスのような現代の小さ目のバスに乗り込むと既に座席が埋まり立つ乗客も多いなかなかの混雑ぶりでほどなく発車します。ちなみに詳しい時刻は聞きそびれましたが日中30分毎くらいで出ているとのことでした。


 ワンマンではなく市街地を抜けた頃に車掌さんが回って来ます。運賃は均一ではなくニンビンからキムソンまでは22000ドンで特に乗車券はありませんでした。運賃の徴収が落ち着いた頃パン屋の前で停まるので停留所かと思ったらパン屋さんが大量にベトナムのパン、バインミーを抱え扉までやって来て乗客が群がり飛ぶように売れていきます。みんな結構たくさん買うのでよほど美味しいのか、単にバスで街から帰る途中に買えて便利なのかあるいはその両方かはわかりませんが大したものです。
 パン屋を過ぎニンビンの街から遠ざかるにつれ徐々に乗客が降りて行きます。ずっと起伏のない道を走り続けニンビンのバスターミナルを出てから50分ほどでキムソンのバスターミナル前に着きました。(このバスはキムソンのバスターミナル内には入りません。)


 キムソンに着いたら昼どきです。まずターミナルの近くでキムソンの名物だというブンモック(Bun Moc)の看板を出している店に入りました。ブンモックはあっさりしたつみれ入りの米麺で中国南部~香港、台湾辺りのつみれ入り麺と通じる感じがする料理です。香草やライムを入れて食べると爽やかさも加わってなんだかホッとするような味でした


 お腹が落ち着いたらバス通りを西に歩いて行きます。10分もかからないうちに観光用なのか地域のシンボル的な意味なのか昔風に屋根がついた橋が見えたらそろそろファッジエム教会の近くです。(ニンビンからのバスはこの付近も通ります。ターミナル付近に用がなくファッジエム教会だけが目的地であればこの辺りまで来てから降りた方が便利なはずです。)


 屋根付きの橋付近でバス通りから北に向かうとすぐにファッジエム教会がありました。教会の周りは案外と立て込んでいるのですが教会の正面に出ると急に池があって広々としているのでふいを突かれる感じです。


 入場料はないので教会内には自由に入れます。観光地なので観光客で混みあっているかと思ったら教会の内外とも人はまばらで拍子抜けしました。建物は教会ながらベトナム風というか日本や朝鮮半島も含めて大雑把な中華圏風と言ってもいいのか不思議な雰囲気があります。


 木造の部分に細かい彫刻が施されている様子や縦長な釣鐘などを見ていると教会というよりお寺に来たような気分になりました。


 マリア像の前に無染原罪・為臣等祈と漢字が並ぶ様子を見たら今度は中華圏の廟を見ているような気になったりです。またアオザイを着たマリア像というのもありここへ来るとだいぶベトナムだとわかりやすくなりました。


 という具合になかなか面白いファッジエム教会の見物を終えて帰りのバスに乗ると徐々に託送の大きな荷物が積まれていきます。そのうち床に足の踏み場がなくなり運賃を集めなければならない車掌さんが大変そうでした。


 ニンビンの街に着くともう暗くなんとなくお腹が空いてきます。早めの夕食はニンビンの名物のひとつだという田ウナギ入りの春雨汁、ミエンルオン(Mien Luon)にしました。田ウナギというとたまに台湾で田ウナギ入り炒め麺を食べるくらいであまり馴染みがないのですがベトナム風に香草やライムを入れて食べるあっさりめの汁春雨もなかなかウマくまた食べたくなりそうな味です。チャンアンのような世界遺産になるくらいの景色や面白い教会に美味しいモノも色々あってニンビンは楽しいところだと改めてうれしくなりました。
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タムコックでサイクリング

2019-11-29 | ベトナム
 前回のつづきです。前々回のチャンアンと同様にボートに乗って景色を見物するタムコックという名所がムア洞窟からそう遠くない所にあります。それなら見物しに行ってみようと自転車を漕いで向かうことにしました。岩山が多い景観で険しそうですが各名所を結ぶ道は岩山を越えず平坦なので自転車でもそう苦になりません。チャンアンに行くときは水牛を見ましたがタムコックへと走っていると道路脇に牛が集まっていました。


 タムコックのボート乗り場は周りに食堂や土産屋、宿泊施設等が多くありチャンアンよりも町らしいところです。ただボート乗り場自体はチャンアンほどは大きくなくボートの数や乗客も少な目でした。


 タムコックには着いたもののボートにはチャンアンで長時間乗ったのであまりまた乗ろうという気分になりません。そこでタムコックは自転車で見物することにしました。といっても特にここをすごく見物したいという目的もないので大雑把にボートが向かう方へと自転車を走らせることにします。タムコックの町を抜けてしばらく走るとらしい風景が広がりはじめました。あとはずっと岩山の中を走るのでずっと景色が楽しめます。


 遠目にどこかで見たようなものが、というところがちょうどムア洞窟から見下ろした辺りでした。


 1度登ったムア洞窟の竜の尾根を見たらなんというか帳尻があったような気分になります。


 なにやら立派なお寺だか廟みたいなものが見えたので近寄ってみると太微祠(Den Thai Vi)とありました。お祭の準備とかで紙で作った大きな動物などがたくさん置かれています。


 境内の字を見ると漢字そのものもあるものの、ベトナム語のクォックグーのアルファベットと記号を漢字の偏や旁のように並べて1音節を作り、さらに漢字のように縦書きにしたものもたくさん使われていました。元々漢字圏だけに漢字っぽいカタチが似合うのでしょうがよく工夫するものだとびっくりです。


 太微祠の見物が済んだらお腹が空いてきました。タムコックの町を出ると店や人家がなかったのでまた戻らなければ何も食べられないかと思ったら幸いなことに観光客をあてこんでいるらしい食堂が1軒ぽつんとあって助かります。


 表の席につくと岩山の景色がよく見え気分よく食べかつ休めたのですが、注文した鶏肉の匂いをかぎつけたのか食堂のイヌが席に寄って来て離れないのでなんだか申し訳なくなりました。キレイな毛並みからして普段からしっかりと食べさせてもらっていそうなので気がねする必要はなさそうですけれども。


 という具合にタムコックではボートでなく自転車で回ってみましたがやはり景色がよくとても楽しい時間を過ごせました。
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ムア洞窟

2019-11-28 | ベトナム
(前回のつづき)
 ベトナム・ニンビン省の世界遺産「チャンアンの複合景観」の景色が高いところからキレイに見られる場所があるというので行ってみることにしました。名前はムア洞窟(Hang Mua)といいとりあえずテーマパークというか公園というかとにかく入場料をとる施設で、園内には展望台のある山に蓮池に土産屋に食堂や宿泊施設なんかが並んでいます。名前にあるくらいで洞窟らしきものもあるにはあったのですがごく小さくオマケみたいな感じのもので、メインになるのはそこから階段を登った先にある岩山の展望台です。


 登る前に岩山を見上げるとこんな感じで、てっぺんの尾根にはコンクリートでできた竜が飾られています。


 ともあれ階段を登っていくと園内とニンビンの街がよく見えるようになりました。ハートがくっついた尻尾みたいなのは園内の蓮池の遊歩道です。


 ちなみに蓮池の遊歩道はこんな感じでキレイな蓮の花が見物できいかにもベトナムに来たという気分になれます。


 結構くたびれ感覚的にはもっと長い気がしたのですが階段を登り始めてから10分ちょっとで竜の尾根に到着しました。結構険しく狭いところなので観光客の数がそこまで多くなくても混雑することになります。


 ここからは前回のチャンアンと同様にボートに乗る観光地のタムコック(Tam Coc)がよく見えるのでみんな盛んに写真を撮っていました。私は高所恐怖症の気があるのでだいぶおっかなびっくりです。


 ちなみにタムコックの側に行ってこの竜の尾根を見上げるとこんな感じでした。どっちから見てもキレイです。

 ということはタムコックにも行ったというわけですが、長くなったのでその話は次回とします。
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チャンアンの水牛とヤギとボート

2019-11-27 | ベトナム
 11月は暑さが落ち着いて過ごしやすいというベトナムに行こうという話が持ち上がり、ハノイからあまり遠くなくのんびりできそうなところはと検討したところニンビン(Ninh Binh)省にある世界遺産に登録されている景勝地「チャンアン(Trang An)の複合景観」というところが浮かびました。そういうところなら風光明美なだけでなく何かと便利そうだというわけで話が決まります。

 そんなわけでハノイからサイゴン行きの列車(乗った話はこちら)に乗ってニンビン省の省都ニンビンに行きました。スピードは遅めながら食堂車もあったりなかなか快適です。


 さて「チャンアンの複合景観」はチャンアンというところだけではなくニンビン郊外のチャンアンを含む地域一帯に広がっています。今回は自転車を借りて見物することにしました。
 とりあえずチャンアンに向かってただなんとなく自転車で走るだけでもカルスト地形の岩山が並ぶキレイな景色が楽しめます。水牛は何度も見かけましたが結構大きく角もあるので近寄るときはちょっとおっかなびっくりです。


 泥水に浸かっている水牛を見ていたら台湾の桃園県に行ったとき食べた「牛汶水」を思い出しました。黒糖で黒く生姜の香りがついた甘いタレに浸かったモチというか白玉というかの様子が泥水に浸かっている水牛に見えることからその名があるというので改めてなるほどと思ったわけです。


 水牛から牛汶水を思い出して食い気に走ったというわけではないのですが、自転車でチャンアンに向かう途中昼食どきになったのでニンビンの名物だというヤギ料理を食べることにしました。名物というだけありヤギ料理を出す食堂はそっちこっちにたくさんあります。適当な一軒に入ってヤギの焼肉を頼んでみたところ肉質がいいのか匂いはあまりせずあっさりしていてとても美味しいので感心しました。となると逆にヤギらしい匂いが強い方がいいと期待する場合は物足りないかもしれませんけれども。また「コム・チャイ(Com chay)」というおこげもニンビンの名物だというので一緒に頼んでみました。おこげは見たところ地味でこんなにデカいと多すぎないかと怖気づきましたがとろみのあるスープにつけながら食べると食感が軽くあとをひきあなどれないウマさです。


 食べ終わって自転車を漕ぎ出すと食堂の裏手の岩山に何か動いているものが見えたので目を凝らすとヤギでした。見るたび感心しますがヤギは険しいところでも平気で登りますね。食べたヤギがここで育ったものかはわかりませんがもしそうだとすると肉質はこういうところを跳ね回っているおかげなのかなあとちょっと思ったりもするところです。


 ほどなくチャンアンのボート乗り場に着きました。ここで船頭さんが漕ぐボートに乗って景色を見物するというのがチャンアン観光の目玉です。駐輪場(有料)に自転車を置き、窓口でボートの切符を買って乗り場に行くと規模はかなり大きく多くの観光客が次々に乗下船していました。今回は2人だったのですが他の観光客2人と相乗りの計4人になって出発します。ボート乗り場はにぎやかだったもののちょっと離れるとすぐ静かになりました。ボートに乗って岩山をながめているとちょっと中国の桂林でボートに乗った時のことを思い出したりもします。


 途中天井が低く狭い洞窟の水路を何ヶ所も通るのでなかなかスリリングです。船頭さんは洞窟に差し掛かるたび頭を下げるよう注意を呼び掛けていました。硬い岩だけに頭を打つとシャレにならなそうです。


 ずっとボートに乗りっぱなしではなく途中何ヶ所か降りてお寺や廟を見物する場所があり、船頭さんは乗船中乗客がつける救命胴衣を片付けて待機します。


 お寺や廟を見物すると時々どうもアルファベットのクォックグーを1音節ごとに丸くして漢字っぽくしたらしきデザインのものが目につきました。画像のものは辞書を引くと登あるいは灯・仏・国の3字と思われます。漢字圏で漢字をなくすとなるといろいろな工夫が出て来そうですね。


 という具合になかなか面白く見物できたのですがボートに乗ってから降りるまで3時間とかなりかかるのでややくたびれました。


 11月であまり暑くなく日差しも強くない日だったのでその点は助かりましたがもし炎天下だと相当厳しそうなのでそういう時期に乗るのであれば飲み物や帽子を準備しておいた方がいいと思います。
(ニンビンの話は次回につづきます。)
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