乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

福岡・釜山・対馬の麺もの

2014-02-10 | 釜山→対馬→壱岐
 対馬をはさんで向かい合う大都市、福岡と韓国の釜山はなんとなく似ているという印象を勝手に持っています。と言っても理由はたった2点だけなのですが。
 1点目はどちらも地下鉄があってなおバスが大変元気で目立っていることです。西鉄バスだらけの福岡はひょっとすると日本で一番バスの存在感が強い街ではないでしょうか。


 一方そもそもバスの存在感が日本よりずっと強い韓国で第二の都市となれば当然と言うべきか釜山も市内バスだらけです。


 2点目はなんとなく似ている食べ物の存在です。福岡に行くととりあえず豚骨ラーメンを食べてしまいます。


 豚骨ラーメンを食べていて思い出すのが釜山の豚骨スープごはん「テジクッパ」です。これも行くととりあえず食べたくなります。麺とごはんの違いはあれど豚の香りと盛んに走り回るバスの姿が重なって似ているという印象が残ってしまうというわけです。


 似たもの同士の話はここまでにするとして、では釜山の麺ものはというと「ミルミョン」という小麦粉麺の冷麺が浮かびます。これは豚骨から離れてあっさりさっぱり系ですけれども。


 それなら福岡のあっさり系麺も、ということで軟らかいうどんです。


 と福岡と釜山の麺ものを見ていて、間の対馬にもいろいろな麺ものがあったのを思い出しました。両側を見て真ん中を無視しては失礼、というわけで対馬の麺ものも見ていくことにします。せっかくなので(?)両都市にあわせて対馬交通バスにも登場してもらいましょう。


 まず比田勝で食べたアナゴラーメンです。対馬はアナゴ漁が盛んなことからそれを活かそうと最近考えられたもので、スープはアナゴの骨でとるそうですから豚骨ならぬ穴骨ラーメンとでも言えばいいのか上品なコクがあり美味しいものでした。アナゴとラーメンという組み合わせは私はこれが初めてですがほかの地域にもあるのでしょうか。


 麺からちょっとそれますがアナゴの刺身も対馬で初めて食べました。アナゴは焼いたり煮たりして食べるものとばかり思っていたのでびっくりです。刺身でもウマいものですね。


 さて新顔のアナゴラーメンに対し、古くから伝わる変わった麺ものに「ろくべえ」があります。


 ろくべえはサツマイモの澱粉を麺状にしたものを温かい醤油味の汁で食べるというものです。冷麦よりは太くうどんよりは細く、ぷつぷつと切れていてあまり長さがありません。やや透明の灰色で口に入れるとぷるんぷるんしていました。
 そういえば澱粉を麺にするとき切ったり伸ばすのではなく穴から押し出す方法をとるのは日本では珍しい気がします。一見のシロウトが安易に伝播を考えてはいけないのですが、押し出し麺の盛んな朝鮮半島の影響が頭に浮かんでしまいました。(ちなみにろくべえ・六兵衛は島原にもあります。食べたときの話はこちらをご覧下さい。)

 最後は「いりやきそば」なるものを見ていきます。「いりやき」とは鶏肉とか魚や野菜を使った醤油味の寄せ鍋のことで、そのシメにそばなど麺を入れて食べることがあるそうです。それを最初からくっつけたメニューにしたのが「いりやきそば」という流れで、野菜・鶏ダシの醤油味とそばの組み合わせは親しみやすくなんとなくほっとさせられるものがあります。


 というわけで福岡・釜山・対馬の麺もの(とクッパ)を並べてみました。国境を越える乗り継ぎをしながら麺の食べ継ぎ(?)もまた楽しいものです。

(韓国~九州乗り継ぎ話一覧)
■(1)釜山→対馬(比田勝)
■(2)比田勝
■(3)韓国展望台
■(4)日本の離島最長路線バス(比田勝→厳原)
■(5)対馬(厳原)→壱岐(郷ノ浦)
■(6)郷ノ浦~勝本
■(7)フェリーみしま
■(8)壱岐(郷ノ浦)→唐津
■(番外)福岡・釜山・対馬の麺もの(このページ)
コメント (4)
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台湾最南の港口茶

2014-02-07 | 台湾
 台湾南部、屏東県の恒春でスクーターを借りなんとなく走ってみることにしました。
 付近の地図を見ると鵝鑾鼻に続く細長い岬の海岸線を省道26号線がぐるりと囲むのが目に入ります。この道は台湾の路線バス最南区間があり既に「乗りバス」したあとだったので、この囲まれた真ん中を走って横断しようと考えました。真ん中は高台になっているので眺めがよさそうです。
 というわけで恒春から省道26号線を南下し、船帆石という景勝地付近から坂道を登ってみました。しばらく上がると期待通り眺めがよくなります。(画像の海に立っている石が船帆石)


 高台の上は草原がひろがり牧場になっていて、頭の中の勝手なステロタイプの熱帯あるいは台湾ぽくない感じがしました。


 道がよくわからないので適当に走っていたらヤギを連れたおばさんがいて「ここは行き止まりだよ。」と言われてしまいます。


 取って返すも路面に直接県道の終点と書かれていたりでうまく抜けられる道にたどりつけません。


 やがて舗装されていない道になり、やや崩れていたりする箇所もあったりして不安になりつつもとりあえずガタガタと走ってみます。


 無事船帆石とは反対側の海側を走る省道26号に出ました。やれやれです。


 省道に出たところは台湾最南区間を走る路線バスの終点「水蛙窟」の近くで、風と波に洗われた荒々しい海岸線が「風吹砂」という景勝地になっています。


 風吹砂から海沿いに省道を北上するとやがて満州郷に入ります。熱帯の台湾最南端の近くで寒いイメージの満州という字を見ると思わず「大陸から逃げてきた国民党軍の満州出身兵士が住みついたから」などとインチキなエピソードを勝手に考えてしまいましたが、そうではなく原住民語の地名などをもとに日本植民地時代につけられた地名だそうです。その満州郷を走っているとやがて港口というところで吊橋が見えてきました。観光用の橋で渡るには10元の入場料が必要です。


 この港口付近は台湾最南のお茶の産地なのでお茶を売る店が点在しています。

 台湾のお茶というと高山茶が目立つように山奥の標高が高いところが尊ばれる傾向がありますが、この辺りは海が近く標高も高くなくあまりお茶の産地という感じがしないのでちょっと面白く感じます。飲んでみたところ濃い味の美味しいお茶でした。



 という具合に墾丁国家公園の東側をスクーターで流してみるとビーチや原発があって賑やかな西側に比べだいぶ静かでこれも悪くないと思いましたが、その分バスの便が非常に不便なのでこの点はバス好きとしてはちょっと残念です。
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ベルギービールと鐘楼

2014-02-06 | ベルギー
 日本に観光名所として積極的に観光客を受け入れている酒蔵やビール工場があるように、ベルギーのビール醸造所も観光客を受け入れているところがあります。(例:ブリュッセル南駅近くのカンティヨン醸造所)
 日本と違うのはタダではなく見学料が必要なところが多いことです。(どこも数ユーロでそう高くはありませんが。)考えてみれば見物させてもらった上飲むとなれば本来払って当然ではあるはずで、日本の酒蔵や工場は宣伝の場になるとは言え大サービスしていることになります。その代わり入場料を払っていると試飲の段になっても日本の酒蔵見物のように一本くらい買わないと悪いかななどと考える必要がないので小心者の私は少し払った方が気が楽ですけれども。

 見物+試飲もいいのですがレストランが併設されている醸造所となるとさらにうれしいものです。例えばブリュッセルとアントワープの間にある街メヘレン(Mechelen)で寄ったHet Anker(代表銘柄はGouden Carolus)という醸造所がそうでした。


 中のブラッスリーは落ち着いた雰囲気で観光客のみならず近所の人とおぼしきお客も結構出入りしていていました。

 ここではメヘレン名物の鶏(Mechelse koekoek)を食べながらビールを飲むことができます。

 食べ終わろうというころ壁を見ればクリスマス限定ビールなどというものも目に入り1杯では済まなくなったりしますが、ビールとは言えアルコール度が10度を超えているので昼間から結構回りました。


 さてビールと並ぶベルギー名物に鐘楼があります。小さな国で世界遺産に指定されているものが33本もあるそうですから鐘楼のある街だらけというわけで、メヘレンもそのひとつです。

 午後鐘楼見物にしてしまうとビールが残りキツい階段の上りになります。


 ベルギー北西部の街ブルージュ(Brugge)でもレストランが併設されている醸造所(De Halve Maan/代表銘柄はBrugse Zot)に寄ってみました。

 入ると天井が高くゆったりしていて結構広く、各国からの観光客が楽しそうにビールと食事を楽しんでいるのを見るとこちらもわくわくします。

 美味しいウサギの煮込みを食べながら美味しいビールとなるとやはり1杯では我慢できません。

 気持ちよくなって出てからブルージュにも鐘楼があることを思い出しました。ベルギーの街を観光しようというときはまず鐘楼の有無を確認して午前中に見物を済ませておくべきのようです。


 なお近々東京にこの醸造所の公認レストラン(ブルッグス・ゾット)ができるというのでびっくりしました。美味しいベルギービールを飲んで食事できるところが増えるのはうれしいものです。
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