乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

星州のマクワウリとミサイル

2018-06-30 | 韓国
(前回のつづきです。)
 映画「タクシー運転手」の撮影地、慶尚北道の星州バスターミナルの見物を終えたら星州最寄の高速鉄道駅金泉(亀尾)に出ることにしました。ただそこに行くバスの時刻を確認すると1日6往復と少な目で発車までだいぶ間が空いています。そこで先に金泉に行く道の途中まで行くバスに乗って様子を見てから改めて金泉に行くことにしました。

 というわけで乗ったのは星州郡草田面の韶成に行く農漁村バスです。市外バスみたいな立派な車両なのでびっくりしました。星州から金泉方面に北上し竜鳳1里停留所で星州~金泉の道から西に曲がり2.5kmばかり入ると三差路の終点韶成です。


 三差路の右、韶成の集落の中心に向かうと道路に「サード出入禁止」というトリックアートの立札が描かれNO THAAD! NO NUKE!、平和などといった訴えがいくつも見られました。ここ韶成里内にはTHAAD(サード)ミサイルが配備されたため反対運動が続けられています。


 運動されている方に事情をうかがったところ集落のすぐ先に警察が詰めているもののここは通ることができ、しばらく先の基地に近いところにもう1か所拠点を設けてここと併せて搬入阻止行動を行ったそうです。


 という具合に韶成に寄ったあとは金泉に行くバスに乗るため竜鳳1里停留所まで2.5kmの道を徒歩で戻ります。マクワウリのビニールハウスと田んぼに囲まれた道にはサード撤回の幟や横断幕が続いていました。


 竜鳳1里はマクワウリのビニールハウスが並ぶ通りにあるマクワウリのカタチをした停留所で、すぐ後ろのビニールハウスにはサード反対と書かれサード撤回の幟が立っています。隣接する交差点にはマクワウリがいくつか落ちていました。道路脇に転がっているマクワウリはここのみならずあちこちで見かけましたがマクワウリを積んだトラックが曲がるときにでも落っこちるのでしょうか。鮮やかな色なのでよく目立ちます。


 ここでバスに乗ったら金泉(亀尾)駅まで行かずに郡市境のちょっと先、金泉市南面扶桑里にある扶桑1里停留所で降りました。集落の外れにある停留所で暗いものの中部内陸高速道路と国道4号が交差する南金泉ICが近いためかモーテルの看板があったりです。


 扶桑でのめあてはバス通りを少し戻ったところにある「セ金泉食堂」で看板にはカルグクス、スンドゥブ、メミルムクといった字が見えます。店内は外観から想像できるようにそう広くはありません。


 カルグクス、スンドゥブ、メミルムク、トンドン酒とどれも自家製だというので何にするか悩むところですが星州のバスターミナルでククスを食べたあとだったので麺ものではないメミルムクとトンドン酒を頼みました。メミルムクはご飯と一緒のムクパプで、食べると葛餅の親戚みたいな食感のムクをご飯と食べることになり毎度不思議な感じがして楽しくなります。トンドン酒にはこれも自家製という豆腐がつまみに出てきたので柔らかく固めた系(?)が重なるひとときでした。


 という具合にひとしきり飲み食いし気持ちよくなって扶桑1里から市内バスに乗ると10分ちょっとで金泉(亀尾)駅です。ここで高速鉄道に乗ればソウル・大田・大邱・釜山と大都市まですぐに行けるのでついさっきまでミサイルが配備された静かな山里や食堂にいたのがなんだかウソのような気がしました。


(こちらにつづきます。)
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映画「タクシー運転手」のバスターミナル

2018-06-29 | 韓国
 光州事件を題材にした韓国の映画「タクシー運転手」が日本でも公開されたので見てきたら単純なもので韓国に行きたくなりました。この映画の舞台はソウルと光州、全羅南道の順天ですが実際の撮影地は韓国各地に散らばっています。そのうちのいくつかを見物することにし、まず成田から飛行機で大邱空港に出ました。

 最初に向かう映画ゆかりの地は大邱のお隣、慶尚北道の星州です。大邱地下鉄(都市鉄道)2号線のテシル駅で250番のバス(日中20~30分間隔)に乗って行ったところ終点の星州バスターミナルまで約30分・3100ウォンかかりました。乗り方は前乗り・前降り、運賃は申告制後払いです。現金の場合は降りる時に乗った停留所名を告げ運賃を聞いて払い、カードの場合はカード払いの旨と乗った停留所名を告げ運転士さんが機械の操作をしてから読み取り機にタッチします。(ただし大邱広域市内だけで乗車する場合は先払いです。)硬貨のみならず1000ウォン紙幣のお釣りを出る機械がついていて5000ウォン・10000ウォン紙幣で運賃を支払う乗客も見られました。


 星州バスターミナルは「タクシー運転手」では全羅南道の順天バスターミナルの場面として撮影されています。星州と順天はかなり離れているのでここが順天だったとはと妙な気分になりました。星州は韓国を代表するマクワウリの産地なのでターミナル内の時刻表を見上げると黄色い色が鮮やかでした。


 そう大きくないターミナルの待合室の一角には粉食店と売店があり軽い食事や買い物ができます。粉食店の入口ではオデンが煮え何かつまんで行きたくなるような雰囲気がありました。


 この粉食店は「タクシー運転手」で主人公がククス(麺)を食べるシーンに使われたため主人公を演じた俳優の名前をとった「ソン・ガンホククス」というメニューがあったりソン・ガンホのサインが飾られていたりします。せっかくなので頼んでみると具は細切りのホバク(ズッキーニの仲間)に海苔というシンプルな汁麺ですがタレの味がウマく映画を思い出しながら食べるひとときはなかなか悪くないものがありました。食べ終わる頃店員さんが「ごはんも食べる?」なんて勧めて下さるので映画で主人公がククスを食べたあとにおにぎりを出されるシーンを思い出したりです。


 バスターミナルの外に出ると映画のような露店の姿はなくごく静かで「タクシー運転手」撮影地ガイドが大きく掲示されています。


 撮影地ガイドに書いてあった星州バスターミナル近くの星州伝統市場内にある「ファンソ食堂」を見に行くとこれは映画に登場するわけではなくソン・ガンホが撮影のとき昼食をとったところとのことでした。ここはどっちかというと「タクシー運転手」のファンというよりソン・ガンホファン向けという感じですね。


 ひと通り「タクシー運転手」関係の見物を終えたらせっかく産地に来たのだからとマクワウリを食べることにしました。普段マクワウリを買って食べるということがないのでかなり久しぶりになりそういえばこんな味だったなあと改めて思ったりです。辛いククスを食べてマクワウリをたくさん食べたらなんだかさっぱりしました。

(こちらにつづきます。)
コメント (4)
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