乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

遠鉄の釣り掛け特別運行

2016-08-26 | 静岡県
 遠州鉄道の新浜松駅に上がると独特の顔つきの車両が並びました。中古ではなく自社発注の電車を揃え長い高架区間を持ち単線ながら12分間隔の運行と大手ではない地方私鉄ながら立派なものだといつも感心します。


 とりあえず出る列車に乗り高架区間が終わって地上に降りたところにある自動車学校駅で降りました。ここは東名高速に近く中部空港行きのバスが停まる東名浜松北停留所への案内が貼ってあったりします。中部空港というと東海3県つまり愛知・岐阜・三重の空港というイメージでしたが東西に長い静岡県だけあり浜松も中部空港の縄張りに入るのかとちょっと感心しました。


 しばらく待っていると30形(モハ25・クハ85)の新浜松行きがやってきました。この車両は遠鉄に1編成だけ残っている釣り掛けでもう定期運用はなくなっていますが夏休み期間の土曜に特別運行されるというので乗りに来たというわけです。特別運行と言っても臨時列車ではなく普段通りのダイヤの普通の列車として運行されるもので特に予約や特別料金などなくても乗れます。なので乗客は私のような鉄道マニアも目立つものの多くは用足しで乗っただけという一般の乗客のようでした。
 自動車学校前を出るとまず高架への登りを楽しめます。力行のときイイ音なのはもちろん電制つきなのでブレーキのときも派手に逆釣り掛け音(?)が鳴り響きなんというかおトクな気分です。


 新浜松のひとつ手前の第一通りで降り西鹿島行きになって戻ってくるのを待ちました。ビルの谷間の高架を釣り掛けが走って来る様子もいいものです。これに乗って西鹿島のひとつ手前の遠州岩水寺で降り今度は新浜松行きになって戻って来るのを待ちました、と両端で同じようなことの繰り返しになるのは1編成しかないので終着ギリギリまでたっぷり乗ろうと思うとこうなります。一日乗車券を買っていたので切符を買い直す必要はなく終端で降りずに乗ったまま折り返しても問題はないのですがそれもちょっと気づまりなのでひと駅だけズラすわけです。遠州岩水寺は新東名高速道路に近く、そこをくぐってやって来る新浜松行きを見たら自動車学校前で東名高速をくぐってやって来る様子を思い出しました。


 という具合に行ったり来たりして満足したので新浜松に戻っておしまいとします。


 それにしてもこのモハ25・クハ85が製造されたのが1978年というのはなんだかウソのようです。国内で路面電車以外の釣り掛けに乗れるところがめっきり減ってしまっただけによくぞこの時代まで釣り掛けを作ってくれたものだと感謝せずにはいられません。
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踊り子でポリ茶瓶

2015-07-19 | 静岡県
(前回のつづきです。)
 熱い温泉に入りに行っておいてなんですがおもては暑いので見物はそこそこに帰京の途につきます。すっかり伊豆急の主力になった元東急8000系の鈍行で伊豆高原駅を出ると以前乗った動態保存車の100系が見えピカピカでありがたい限りです。


 乗ったのは熱海行きでしたが駅弁購入と後続の特急踊り子号に乗るため伊東で降りました。これで伊豆急線内の特急料金が節約できたわけです。


 伊東~横浜は92.7㎞と100㎞に近く特急料金のモトがだいぶとれる感じがし、この距離だと紙の切符を買う方がICカードより数円安いというヘンテコな運賃制度も重なってどっちみち安くない運賃・料金でもちょっとトクしたかのように錯覚することができます。来た踊り子はお馴染み185系のトップナンバーでこのとき乗って以来ですがまだしぶとく生き残っているのですから感心するばかりです。


 伊東駅では今でもポリの茶瓶に入ったお茶を売っているので駅弁と一緒に買っておきました。こういうものは気分が大事ですが幸い185系の特急らしからぬ開く窓の框だとよく似合う気がします。飲んでみるとポリ臭さはちゃんと(?)ついているものの結構よく出るティーバッグが入っていて色も味も濃い目になっていました。一緒に開けた駅弁はちょっと高めの「ぼんかま」というにぎやかなちらし寿司です。


 という具合に温泉のために伊豆まで往復しただけなのですがレトロ列車の類にでも乗ったような後味が残りました。せいぜい急行料金じゃないのこのボッタくり電車、などと思いながら乗っていた185系もこうなると悪くないものがあるかもと考えなおしたりもするので我ながら勝手なものです。いったいいつまで走り続けるのでしょうね。
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「リゾート21」30周年

2015-07-18 | 静岡県
 急に温泉に行く話が持ち上がり伊豆に向かうことになりました。この暑いのに温泉?とも思ったのですが考えてみれば暑い台湾に行ってもあればなんとなく温泉に入ったりもしますし、韓国では「以熱治熱」と言って夏に参鶏湯や補身湯を食べたりするくらいですから温泉で「以熱治熱」というのもありではないかということにします。
 そんなわけで熱海に出向き伊東線に乗り換えようとしたら見えたのがリゾート21です。そういえば長いこと乗っていませんでした。


 リゾート21は1985年の登場から30年経ち初期に製造された車両は既に廃車されています。リゾート21という名前は懐かしいというかずいぶん時代がかっている感じがしますが、今は21世紀なのだからむしろふさわしい名前になったという前向きな考え方もできそうです。せっかくなので階段状に座席が並ぶ展望室の最前部に陣取りました。


 丹那トンネルに入る東海道線と来宮で分かれ単線の伊東線を進みます。リゾート21同士の交換を経て電話は4126やなぜかプリント基板が頭に浮かんでしまったりするサンハトヤを見つつ伊東に着いたら伊豆急の運転士さんに交代です。


 伊豆急に入って東急っぽい喚呼を聞きながらかぶりついているとそう古くない路線にしては警報機・遮断機のない小道の踏切が多く目につくので意外な気がしました。もっともそう古くないというのは東海道線や伊東線と比べてであって伊豆急の開業は1961年ですからもう半世紀以上の歴史を経ているのですが。


 車庫のある伊豆高原で降りると「アルファ・リゾート21」が見えました。これで3種のリゾート21を見たことになります。


 伊豆高原駅ではリゾート21登場30周年記念イベントの広告が多く目につきました。21世紀になってからはJRの115系、東急8000系と古く地味な車両の投入が続いているのでまだ当分はリゾート21が伊豆急の代表車両であり続けそうです。


 高原と名がつく駅ながら標高は100mに満たず海に近いのはちょっと妙な感じもしますがこれは新興住宅地の駅名に丘・野・台が多用されるようなものでしょうか。ともあれなんだかリゾート21が目的で来たような気分になってしまってから本来の目的の温泉に向かいました。

(次回につづきます。)
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大瀬崎で海水浴

2014-07-31 | 静岡県
(前回のつづきです。)
 大瀬崎は沼津市内ではあるものの沼津駅からは遠く、バスだと80分前後もかかり便数は朝晩2往復のみとあまり気軽に行ける感じではありません。ただ夏季の海水浴シーズンは千鳥観光汽船が沼津港から大瀬崎まで洋上をショートカットする渡船を運行しているのでだいぶ便利になります。

 というわけで沼津港に行くバスに乗るため沼津駅南口に出ました。駅前にある沼津機関区にちなんだC58のモニュメントは部品が一部だけなのでやや気の毒に見えたりもします。沼津港までは伊豆箱根バス(1番乗り場)と沼津登山東海バス(2番乗り場)の両方が路線を持ち競合関係にありますが乗り場が隣り合っているので先に出る方に乗るという選択がしやすい点は助かります。今回先の発車だったのは伊豆箱根の方です。


 沼津港に着くと大瀬崎への乗船券はバス停近くの「ひものセンター」内で販売されています。一昨年の訪問時は帰路のバスも目的だったので片道の乗船でしたが今回は往復とも船です。片道運賃が1100円で往復券2200円と特に割引がないのは意外に思ったりもします。ただ直営の海の家とのセット券(2600円)というものを買うと往復乗船券と海の家利用料(800円)を別々に払うより安く済むのですが。また「大瀬めぐり駿河湾クルーズ1100円」という大瀬崎側で下船せずそのまま戻って来るプランがあるので純粋に「乗り船」だけするなら半額ということになります。


 海の家セット券は回数券状で地紋には「CKK」の字が見える千鳥観光汽船オリジナルというなかなかうれしい体裁です。(地紋のマークは千鳥観光汽船公式サイトにも使われていました。)「途中下船前途無効」「通用発行日共2日」とのことです。


 出航するとカモメがやってきます。このカモメ用に切符売場でかっぱえびせんを売ってました。今月は韓国の席毛島渡船に続きなぜかえびせんのエサやりがついてくるので妙な感じです。韓国でも日本でもえびせんをエサにするとは面白い一致ですね。


 約30分で大瀬崎に到着しました。(バス停名・船着場名は大瀬「岬」。「崎」も混用。)浜はボンベを積んだ台車が行き交いダイバーと海水浴客が混在し賑わうもののそうべらぼうな混雑ではなくゆっくり過ごせまずは満足です。海水がキレイなので水中メガネを持って来なかったことを後悔しました。


 沼津港への復路は2階建ての船でちょっと気分が変わります。乗客が多いと見込まれるときはこれを運用に入れるようです。


 という具合に乗りバスではなく海水浴が目的の大瀬崎を楽しみました。往復とも船に乗ると地続きの場所ながら離島に行って来たような気分になり面白いものです。
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柿田川と花火

2014-07-30 | 静岡県
 夏だから海水浴に行こう、と安直に話が持ち上がり、では東京の近場で海がキレイそうなとこってどこだろうと考えたとき一昨年乗りバスに行った大瀬崎を思い出しました。ダイビングスポットになっているくらいだから海水浴も悪くなかろうというわけです。

 今回は夏の道路渋滞を恐れ高速バスを避けて東海道線を西に下ります。いつの間にか丹那トンネルを抜けた先まで直通する列車が激減しているので熱海で降り、リゾート21を昔の塗装にした怪しい伊豆急を横目に見ながら乗り換え。なんかヘッドマークがついているので検索したら「くつだる」というアニメとのコラボ企画とのことです。伊豆急とアニメのコラボといえばもやってたなあと思い出しました。伊豆急に限らず最近はあっちこっちの鉄道にアニメとかマンガの絵がくっついてくるので感心というか不思議ですが、そんなに人が呼べるものなのでしょうか。というかまあ呼べるからこそやるのでしょうけれども。
 乗り換えて丹那トンネルを抜けると三島では伊豆箱根鉄道にもヘッドマークがついていました。これは「三島夏まつり」のPRで三島のマスコットキャラクター「みしまるくん・みしまるこちゃん」入りです。この手の地方キャラもどこに行っても見かけるようになりましたね。


 ここで夏と言えば海だけでなく川にも行かねば、というわけで寄り道します。三島駅前で沼商(沼津商業高校)行きの沼津登山東海バスに乗り柿田川湧水公園前で下車しました。


 柿田川は大量の湧水が水源の美しい川です。ロードサイト店が並びクルマ通りの多い国道1号線のすぐそばに水源地があり、一帯は柿田川公園として整備されています。


 湧水というとこんこんと湧くイメージですが、ここはそんな生易しいものではなくどぼどぼとでも言った方がいいような大量っぷりです。なんというか突如川が始まってしまっているという感じがします。


 そんな湧水を見ているだけでも涼しい気分になり、さらには足を水に浸すこともできと夏にはもってこいです。


 さて夏と言えば花火なんてのも思い浮かぶところですが、都合のいいことに沼津で花火大会があるというので今度は柿田川公園にほど近い西玉川停留所から沼津駅行きの沼津登山東海バスに乗って移動します。


 花火そのものはもちろん、花火が終わったあとも各バス会社(画像は富士急シティバス)が見物客をさばく増便を出し華やいだにぎやかな雰囲気が続いていました。夜に多くのバスが元気に動いている様子を見られるというのは実のところ花火を見るよりもうれしいくらいです。


(次回につづきます。)
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