乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

津軽鉄道VS弘南バス(後編)

2012-09-15 | 青森県
 前回・前編のつづきです。前回は五所川原から金木まで弘南バスに乗りましたが、今回は津軽鉄道に乗ります。

 津軽鉄道の金木駅は斜陽館などの観光施設がかたまる町の中心から少々東に離れた場所にあります。と言っても歩いて500m弱ですからたいしたことはありませんが。駅舎は割と新しくさっぱりしています。


 駅舎にぞろぞろと大勢人が入っていくのでなんだろうと見ると観光バスから乗り換える観光ツアーの団体さんでした。斜陽館他と津軽鉄道が一緒になったツアーなのでしょう。この手の観光ツアーが来るのは名物「ストーブ列車」のシーズンだけかと思っていたらそうでもないようですね。

 ちなみに斜陽館近くの「観光物産館マディーニ」でストーブ列車の名がついたお酒を売っていました。冬以外でもこれを買って飲んだらストーブ列車の気分が味わえるかもしれません。


 団体客をさばくため定期列車に2両も貸切用車両をつなげた3両編成の津軽五所川原行きがやってきました。(前1両が一般客用・後2両が団体客用)一般客側には私以外にも鉄道マニアらしき姿が見えましたから「遊び乗り率」が相当高い列車ということになります。


 新しい気動車が入っているのは大変結構ではあるものの窓は開けられず私の好みからすると正直そこまで乗りたい要素がなかったりもするのですが、津軽鉄道はタブレットにスタフに腕木に硬券と健在ですからそこと新しい車両とのギャップは面白く「見物鉄」が楽しめました。どわーっと出入りする団体客の中を泳ぐように津軽五所川原行きに乗り込みボックスシートに揺られていると、アテンダントの方が御用聞きよろしく各席を回り個別に観光相談が行われ、津軽弁を交えた観光アナウンスが流れ物販が回ってきたりと見事な観光列車ぶりを見ることができ感心するばかりです。




 というわけで往路は弘南バスで出発した五所川原に戻ってきました。スタッフの方々も気動車も全くお疲れさまです。


 五所川原のホームは古レールの展示があったり使わなくなった貨車や気動車が置かれ、それらが適度に古びて落ち着いた空気でした。





 虫かごは「鈴虫列車」用の鈴虫です。ストーブ列車は冬のものなのでそれ以外のシーズンの目玉作りも必要というわけですね。ストーブ焚かなくても古さだけで十分凄い客車じゃダメなのかなDD35だってかなり古いしなどと一瞬思ってしまいますが、それこそ蒸機でもあればともかくやはり鉄道ネタだけではなかなか間がもたないのでしょうか。


 (津軽)五所川原駅の構内(改札内)はJRと津軽鉄道が共用しているものの駅舎(と改札口)は2つあり、乗客は勝手に自分の乗ってきた鉄道の方の改札口から出て行く、というちょっと面白いシステムです。


 津軽鉄道側の改札から出て駅舎内を見るとなんとも渋く時刻表は弘南バスのターミナル同様縦書きなのもうれしくなりました。


 表から本社を眺めると堂々たる貫禄で道を挟んで向かい合うバスターミナルと共になんともいえない良い雰囲気です。


 という具合に五所川原~金木の乗り比べを終え「VS」とあまり考えもなく対決仕立てみたいな題名にしましたが、どっちも味わい深く甲乙つけがたいというありきたりのオチになってしまいます。敢えて(遊び乗りの)使い分けを考えると話のタネには津軽鉄道、観光色が苦手な向きには弘南バス、というところでしょうか。
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津軽鉄道VS弘南バス(前編)

2012-09-14 | 青森県
 津軽半島の観光地と言えばまずあがるのは太宰治ゆかりの斜陽館などがある金木ではないかと思います。その金木の玄関口になるのがJR五能線の五所川原駅で、ここから金木まではストーブ列車で有名な津軽鉄道がそれ自体観光資源のようになっているほか、弘南バスの小泊線でも行くことができます。先日江差線に乗ったあと青森を通ったので五所川原に寄り道しその両方に乗りくらべてみることにしました。

 時間の都合で往路を弘南バスにしました。五所川原駅を出るとすぐ前に弘南バスのターミナル(五所川原駅前案内所)があります。


 ここに来るのは十年ぶりくらいですが、その「ひと昔」前は建物は同じでももっと古めかしい雰囲気でした。今はかなり改装されスッキリしていたのでちょっとびっくりです。とは言え切符売り場・自動販売機に売店・そば屋・おやき屋(大判焼のようなもの)と揃い「生きている」感じがするバスターミナルなのでうれしくなります。この雰囲気はなんとなくバスが元気な韓国のバスターミナルに通じる気がしたりです。


 時刻表が漢数字のタテ書きというのもたまりません。この体裁の時刻表もなかなか見られなくなってきましたね。


 この日乗るつもりの路線の運賃を見て合計で1000円は超えるのを確認し、1000円で1150円分使える回数券をひと綴り買っておきました。(なお土日祝なら「ワンバケーションパス」という1000円の一日乗車券が使えます。)


 さてではそろそろ乗るバスの時間です。五所川原ではローザやリエッセといった小さい車両を多く見たのでそれが当たったらちょっとつらいなあと不安になったりもします。


 幸い乗る小泊行きはこの通り中型の「バスらしいバス」だったのでひと安心です。ここのターミナルではうれしいことに「ジリジリ」というベルで発車します。そういえば今発車ベルが鳴るバスターミナルってどのくらい残っているのでしょうね。そういえば台湾にもあったりしますけれども。


 割に新しめな顔の割にステップが高く床は木の板でこれもうれしい点です。


 このバスは基本的に国道339号線を北上するバスで道路は比較的あっさりしていますが嘉瀬辺りからちょっと面白い雰囲気でした。まずは「秀吉を名乗る人物」関係施設の看板が見えます。


 さらに吉幾三にちなんだ施設「いくぞうHOUSE」の看板が見えました。ただこの看板は残っているものの「津軽すこっぷ三味線快館」という施設になっているそうです。


 国道から逸れ嘉瀬の集落に向かうと細い道に入り、と見どころ(?)が続きます。


 嘉瀬を抜けると間もなく金木の町中に入り、その名の通り斜陽館のすぐ前にある「斜陽館前」というバス停で降りました。



 この付近には斜陽館のほか「観光物産館マディーニ」「津軽三味線会館」と観光施設が固まっています。


 斜陽館見て津軽三味線聴いてお土産買って、と観光がいっぺんに済む合理的なところですから岩手県交通に秋北バスに羽後交通と近県の観光バスが何台も行き来していて申し訳ないけど斜陽気味というか過疎ってる町の雰囲気と大勢の観光客が妙な対比ぶりでした。




 今回はここまでとし、次回の後編は津軽鉄道に乗る話です。
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