たくさんの思い

2007年04月17日 | 日記・エッセイ・コラム

先日、午前中の作業が始まって30分ほど経った頃、いつものように園内をグルッと見て回る途中に八朔の皮むき作業を作業棟の外から眺めていました。いつもより少し長めに眺めてみました。利用者はこちらを気にするようにチラッと見ては皮むき作業を続けています。

すると、○○さんにいきなりジャンパーの袖を引っ張られました。今日は○○さんは少し離れた駐車場の近くにすわっていて砂と小石の感触を楽しんでいたはずなのに、と私はびっくりしました。気がつかぬ間にやって来て袖を引っ張ったのです。引っ張る時に「うん」と言って、そのあとはまた、先ほどまで自分がいた場所に戻っていきました。

「いつまでも皮むき作業を見てるんじゃない」ということなのでしょうか。それとも「早く来て、自分にあいさつをしろよ」ということなのでしょうか。「そうかもしれない」と、私はひとり納得して、○○さんのところに行きました。「○○さん、お早う!ごめんネ。今日も元気かね?」と声をかけました。すると○○さんは顔を上げて「ああっ!」と返してくれました。

たくさんの思いがあるのになかなか言葉に出来ない○○さん。私たちは○○さんの短い言葉の中にたくさんの思いを感じるように精進します。

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