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CINEMAとMOVIE?

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映画大好き、ごきげんな毎日・・・そして、やってきた猫の話

宮部みゆき著・「おまえさん」

2012-02-10 12:59:28 | 読書
「ぼんくら」「日暮らし」に続く井筒平四郎シリーズ3作目
たぶん「日暮らし」は読んでない 

 

≪ストーリー≫
辻斬りにでもやられたような男の死体があり、
身元がわからず、その死体の横たわってた跡もなかなか消えずにいた

同心の平四郎は事件を金壷眼(カナツボマナコ)の信之輔と共に探るが
その後、薬問屋の新兵衛が殺される

その裏には、20年前に開発されていたかゆみ止め「王疹膏」が絡んでいた

新兵衛の店の親店の当主・藤右衛門の話から

3人は昔、人をあやめたことがあり、
今はそれぞれのお店、家族を守るため、心を苛まれながらも日常を装うしかなった・・・

・.・*・.・*・.・*・.・*

けっこう長くて、

レギューラーの煮豆屋のお徳、
平四郎の甥・弓之助(この子が眉目秀麗、惚れ惚れするような顔立ち、それに推理力抜群)
そして
新兵衛の娘・史乃(16歳、美人、信之輔が一目ぼれ)
 〃 後妻・佐多江(隣の医者の元妻、誰もが庇いたくなるような女)
源右衛門(老人、信之輔の大叔父、部屋住みの身)


と、まあおおかたの顔ぶれですが


ネタバレになりますが

まず、初めの死人久作と新兵衛と藤右衛門は、
かつて一緒に働いていた薬問屋・大黒屋の薬剤師

20年前にそこで同じく働いていた吉松を殺め、
彼が開発していた新薬の作りかたを盗む

久作は気が小さく、店にいたたまれずすぐに出奔
藤右衛門は大黒屋の跡取りとなり
新兵衛は新しい店を構える

誰にも語ることがなかった真実を
新兵衛は懇意になった隣の医者にもらしてしまう

新兵衛の娘と隣の医者の弟子・哲秋とは両思いで
過去を知っている史乃は父を許せず
哲秋と共犯し、ふたりは逃げる


と、途中弓之助が推理する通りなんですが
なんか、もう一ひねりあるかと思ってたんです

この本には、他にもたくさんの人たちの思いや暮らしが描かれていて
面白くは読めたし、長いワリには早くも読めたんだけど

最後、やっぱり弓之助ちゃんすぎて

若いふたりが道を誤る
部屋住みの大叔父が、やっと家を出られて自分らしく生きられるようになる
純情な金壷眼(くぼんで丸い眼)信之輔の一途な思い、

とか・・他もキャラクターたちも、もろもろあって
深い意味合いのことも良く解るんですが・・

ちょっと呆気ない終わり方でした

追記
"おまえさん"はもちろん2人称ですが
彼らがその言葉を使うときの微妙な言い回しが
この本を語っているのかなと




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