桜岡設計事務所のブログ

東旭川、桜岡にある設計事務所の日々の事、仕事の事、愉快な仲間達。

北方民族はくぶつかんまつり 2019年

2019-11-07 15:12:15 | アート・デザイン
奥さんがオホーツク海側を探検したいと言っていたので網走にある北方民族博物館に行きました。
この日は「はくぶつかんまつり」をやっていて、たくさん人が来ていました。子どもが多い!


子ども並みに大興奮状態の奥さんを落ち着かせるために、無料のボルシチと蝦夷鹿ソーセージのホットドッグ。


博物館クイズは子ども向け。他にも本気の大人用にクイズが用意されています。


日本でも特に寒い地域に住んでいる僕たちは、寒い国や文化が大好きです。アイヌ、イヌイット、フィンランドのサーミとか。
この博物館は日本で唯一の、北方民族文化に特化した博物館です。奥さんが好きな星野道夫さんが写真を撮って研究していた場所の名前や先住民族の名前が沢山出てくる博物館です。


衣服は獣や魚の皮、植物の繊維などで作られています。
これはタイベック(※建築やってる人は知ってる透湿防水シート)みたいなパーカー。アザラシの腸で出来ています。


トーテムポールもとても神秘的。


シャーマンが使う仮面や病気を治す呪文を唱える時の神具。


仮面好きにはたまらないでしょうね。


またまた奥さんの好きな土器コーナー。


これなんか有名なやつ。


スノーシューやスキーも芸術作品みたいです。


可愛いおもちゃ。僕が作っても奥さんにすぐ壊されそうな繊細な作り。


帰りに建築が面白い網走監獄にも行こうと思ったけど、入館料が結構高くて道の駅でラーメンを食べる事に変更。しかもすごく美味しい塩ラーメンでした。


大興奮で資料を買って


家で鼻息荒くして季刊誌を読んでいます。奥さんの解説によると、ここ数年の異常気象は何千年も過酷な地域で暮らしてきた先住民族でも予測・適応が不能なぐらいの深刻な問題で、温暖化の根本的・科学的な原因は現代の知識では究明されていないんだって。

僕も暮らしを作る仕事をさせてもらっている立場上、家づくりの考え方を変える時が来ているのかなと思う事があります。


赤瀬川原平さんのファンです

2015-10-26 18:30:11 | アート・デザイン
今日は前衛芸術家の赤瀬川原平さんの一周忌です。
なぜ覚えているかというと私達夫婦の結婚記念日と重なってしまったからです。
赤瀬川原平さんは私にとっても美術やアートを楽しむ事を教えてくれた人です。
2015年2月号の芸術新潮で特集が組まれました。


赤瀬川さんの活動がイラストコーナーで一望出来るようになっています。
建築家や小説家、アーティストのつながりも多く、登場人物が皆本物そっくりに描かれているのが笑えます。


建築家の藤森照信さんなどと組んだ「縄文建築団」
赤瀬川原平邸「ニラハウス」は藤森照信さんの写真集に載っています。


残念ながら今は屋根板金を葺き直して、ニラは植えていないそうですが、
ご病気で寝たきりになってから、ずっとニラハウスに帰してあげたかったという奥さんの介護のお話等が芸術新潮に書かれていて、
そのお話を読んでいると眼が熱くなります。


「日本美術応援団」
学術的な鑑賞法に縛られるのではなく、自分の感性で絵を見つめる楽しさが判ります。
今でも好きな画家や芸術家の多くは、赤瀬川原平さんの言葉で知った人が多く、私の美術好きの礎でもあります。


代表作 「父が消えた」「老人力」
文章を書いても抜群に面白い人でした。


私の本棚に何冊かある赤瀬川原平さん関係の本は、たまに開くと相変わらず笑いをくれる大切な宝物です。



マスク展・東京都庭園美術館

2015-04-26 17:35:24 | アート・デザイン
ものすごく久々に東京へ行っていました。

この旅の目的は「キリスト教美術を楽しむ」という講演を聴きに、自由学園明日館(フランク・ロイド・ライト設計)に行く事、
あちこちの庭園・建築見物をする事、それから東京都庭園美術館で開催される「マスク展」を観に行く事でした。


東京ではもうツツジやサツキが満開になっていました。


庭園美術館はいつの間にか新館が増築されて、素敵なカフェやショップがありました。
このケーキをよく見たらマスク展のマークが付いてる!


この建物は宮家のお屋敷として宮内省で建てられたもので、フランスの装飾美術家アンリ・ラパンが設計に関わっています。
中にはルネ・ラリックのガラス装飾や、この建物の為にオーダーメイドされた壁や階段の装飾等、見所が満載です。
学生時代に行ったときは展覧会はやっておらず建物だけ見学したのですが、今回はそうした旧邸宅の各部屋に
世界各地のマスクが展示されて迷路のように見学出来るという、とても面白い展示方式でした。

このラリックのガラス装飾は本当に素晴らしいんですよ。今回は撮影禁止だったので遠くから望遠レンズで…


とても天気が良く、庭園のあちこちでのどかに散策している人々を見ました。
終わりかけの乙女椿も素敵でした。




展覧会で買ったものあれこれ。


これは庭園美術館ではなく、自由学園明日館で買った高橋さんへのお土産。


マスクはポストカードにもなるんだそうです。一応アンのお土産のつもりだったのだけど
楽しんでいるのは私だけ?

一人贅沢をさせてくれた高橋さんとアンに感謝!



図録は買うべき

2015-02-19 20:15:54 | アート・デザイン
先日インターネットでずっと探していた本を手に入れる事が出来ました。


レームブルックというドイツの彫刻家の図録で、もう10年以上も前に札幌の芸術の森美術館で見た
彼の彫刻が忘れられませんでした。


それからアイヌの伝統工芸や文様を取り上げた展覧会の図録も良書がありました。


さらに江戸時代のお坊さん・円空の、主に後期(岐阜県あたりで作った)と思われる仏像展の図録。
円空は北海道にも行脚していた僧侶で、ものすごい数の仏像を彫っています。
何年も前に道立近代美術館で見た時は、吹き出しそうなユニークな表情の仏像や、
えっ!これ仏像?!みたいなのが沢山あったのですが、不思議と愛情を感じ、心を鷲掴みにされる作品が沢山あります。


神聖な芸術は、木造建築に置いても「なぜ樹を使うか」「なぜ樹に惹かれるか」とか
設計の根本を考えさせられるきっかけになります。

それから最近関東で個展があったけど行けなかったフランシス・ベーコンの図録も買いました。

展覧会の図録は、自分が実際に見たものを後で思い出させる手がかりになります。
ものを作る仕事をしていると、こういう資料が思わぬ所で新しい事をひらめくきっかけになってくれたりします。
展覧会で見た後は荷物になるし高価なので買わずに帰ったりしますが、後々後悔しないように買うべきだなと最近思います。

今回の本はハモニカ古書店という所で手に入れました。
貴重な展覧会の図録や、古いデザイ・建築雑誌等も取り扱っている素晴らしいお店です。


日本画の巨匠たち展・北海道立旭川美術館

2014-10-20 16:35:00 | アート・デザイン
日本画、結構好きです。
絵の具の一部が天然顔料(鉱石など)から出来ている事や、繊細な描写と独特の構図の取り方が面白いです。

昨日まで道立旭川美術館でやっていた水野美術館所蔵「日本画の巨匠たち」にギリギリセーフで行けました。
旭川美術館はたまに他の美術館でも中々出ない作品やマニアックな企画展を開催する事があります。
しかも行けば大体空いていて、ゆっくり鑑賞出来るのが他の美術館に無い良い所!

横山大観や下村観山など、誰もが美術の教科書なんかで一度は観た事がある様な名画が沢山展示されていました。

今回の目玉の一つでもある上村松園「夕べ」
繊細な筆遣い、簾から透ける着物や髪の毛等、とても綺麗でしたよ。


そして、私が最も楽しみにしていた作品は菱田春草「秋草」

菱田春草は尊敬している日本画家です。
横山大観と同時期に活躍した画家ですが、わずか36歳で亡くなってしまったので作品は大変貴重です。
この「秋草」は淋派の影響を受けて装飾的な構図を取り入れた絵なのだそうです。実物はもっと豪華な絵なんですよ。
背景の丸い雲の様な模様は金箔で描かれています。印刷物じゃまず判らないので、本物を観る事が出来て嬉しかったです。

菱田春草は今、東京国立近代美術館で大きな展覧会をやっています。
猫の絵を描く人でも有名なんですよ。アンみたいな牛猫も描いています。


特にこの「落葉」は、私が学生の頃から大好きだった絵なので観たかった~。
どなたか行った方いらっしゃいますか?是非感想を聞かせて下さい。

おまけ情報、インターネットから二人一組でペアチケット¥2000を買うと、
それぞれ黒猫と牛猫の絵が描かれている「猫チケ(猫ペアチケット)」が手に入るんです。
高橋さんに買う?って聞いたらいらないって言われました。泣