
80年代の遺産
アーケードゲームの仕様書を書いていて10進数を16進数に変換する必要があった。古参のソフト屋に変換できるかを尋ねると机上にあった電卓を手に秒殺で変換してくれた。どんな裏技を使ったかを尋ねるとhp(ヒューレットパッカード)のプログラマー向け電卓なので一瞬で変換できるとの説明。ついでにその電卓は「逆ポーランド記法」という独特の入力式で計算すると説明してくれた。それから数十年、最近hpの電卓を見かけて前述のエピソードを思い出した次第。興味本位で早速hp電卓を入手してみた。ネットに転がるマニュアルやYoutube動画に解説は多くあり操作の学習には苦労しない。「逆ポーランド記法」とは四則演算の演算子を最後に持ってくるというもので例えば通常の電卓では「2+3=」と打ち込むところを「2(ENTER)3+」と打ち込めば解が表示されている。「スタック」というレジスタに次々と数字を代入し式を展開していくようなイメージ。電卓のレジスタは不揮発メモリーで電源を切っても値は保持されている。初めはパズルを解くような面白さもあり簡単な練習問題で独特のお作法に慣れていく。入手した電卓はローンの金利計算に強く、複利計算の期間利率と年利計算。投下資本の採算計算、純当初価値(NPV)、投資収益率(IRR)。統計学では標準偏差、加重平均などを求めることができる。果てはカレンダー計算まであり前後年月日を打ち込んでその期間の日数計算(うるう年換算あり)まで弾き出す。これまでにもタイガー手廻し計算機や計算尺などをコレクションしてきた。これでまたひとつおもちゃが増えた。
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