
最近はデジタルカメラばかり分解していたが久しぶりにフィルムカメラのOH作業。それもF2。このF2は先日初めて立ち寄ったカメラ店で衝動買いしたものだ。終ぞフィルムカメラは増やさないと思っていたというのに・・・。買ったF2の状態はすこぶる美しいものの各部油切れ状態。ネジは固着し動作はどことなくぎこちない。もしかすると生産されてから一度もメンテナンスを受けていなかったのかも知れない。修理作業は軍幹部を開け、ミラーユニットを降ろすところまでをする。スローシャッターのガバナー部へ注油。セルフタイマーも悲鳴をあげていたガンギ車やアンクル軸へ注油。クイックリターン機構や各部可動部全てがカラカラ状態だった。フラッグシップ機の内部機構は予想に反して案外シンプルな構成。Fの徹底改良ということもあり無駄のないレイアウトはメカニカル一眼のお手本のよう。整備の最後に殆ど消滅状態にあったモルトプレーンの張替え。幸いにもフォトミックメーターは元気良く反応していたので此処は無為に分解しないでおく。光学系だけをクリーニングして終了。f1.2の標準レンズが付いていたがあまりの重さに閉口。このカメラのためにカニ爪のAi広角28mmを新たに精進。飽きればF4やD200でも使えばよろし。F4を神様にフォトミック露出計の精度誤差を調べリバーサルで撮影してみるとする。スリーブ現像して後はエプソンの複合機がフィルムスキャナーにもなるので助かる。久しぶりに手にしたメカニカルカメラの重みと美しいメッキ肌にうっとり。
55/1.2はたしかに重いレンズですが、写りがおもしろくて、いまでもよく使うほうです。