ウェルかめ

2009年10月04日 | 雑感 -

我が故郷「徳島」には、数々の素晴しいモノがある。

数日前から放送がはじまったNHKの朝ドラは、そんな故郷を舞台にしたドラマ。
期待をして放送日を待っていたが、まずまずのすべりだしというところだろうか。

随分前から期待をしていたが・・・
面白く、制作してほしいと思いながら、何か“もの足りなさ”を感じるスタート!
前回の朝ドラのヒロイン「星野知子さん」も出演しているが・・・・・
(軸になる出演者の魅力と、出演者のバランスが乏しいのが、全体的な感想!)


それに、何と言っても、言葉のアクセントに、やっぱり違和感がある。
方言というのは、本当に表現するのは難しいものだと思う。
だって、懐かしさを感じられないんだもん。
地元の人の気質やテンポが理解できていれば、あのような会話にはならない。


それから・・・
地元をよく知る人間の“ある意味でのやきもち”のようなものだろうか。
どうして、「かめなの?」みたいな・・・・(笑)。
  (「ウェルカム」との語呂合わせにしては、短絡過ぎるではないか!)

海がめの産卵などでは、全国的に有名な当地ではあるが(貴重な財産だが)、
目先の観光ポイントを選んで、むりくり繋げていないことを、ただ祈るのみ!
もっと劇的な場面で、海がめの存在を登場させることもできただろうに・・・。
それだけ感動的な「産卵」と「子亀の巣立ち」なのに・・・・。



何よりも、ドラマの醍醐味は「登場人間がどのように描かれているか」・・・
ということ。
それがまだ、ぼやりん~としているので、なんとも全体的に“もの足りなさ”が
芽生えてくるのかもしれない。
キャラクター構成も、よくある元気なヒロインに、よくありがちな家族像なので、
どのように展開していくのかが、これからの楽しみでもありそう。

ヒロインが夢としている「世界をつなぐ編集者」というのも、ある意味では
時代に逆行したイメージだけれど、それを(あえて)狙っているのか?!
(ペーパーレスの時代に、何らかの企画意図があるのか、まだ理解できない)
地元の地方紙で、四国霊場取材などであれば、まだマシだけれど・・・・・
より素朴に、ストレートに、主役の生き方を設定してもよかったのではないかと、
この田舎者(私)は感じる。
現代は、大志を抱く時代というよりも、身の丈を知り、自分らしく生きる時代!
ヒロインの成長が、どのような過程を経ていくのか、興味深く視ていきたい。


それに、「遍路宿」を主人公の生まれた家に設定しているのに、全くその意味が
ないような・・・スルーしていくストーリー展開はいただけない。
もし、主人公が子どもの頃から「遍路宿」で育っているのであれば・・・
四国霊場を、歩き遍路している人々と交流してきたはずなわけで、何らかの影響を
受けてしかるべきであると思うし、それだけの覚悟や意図をもって来ているのが、
現代の歩き遍路の人々だから・・・・・
どうしても主人公の行動(感情の変遷)に「軽い印象」を持ってしまうのだろう。
また、「遍路宿」には、奥深い“人と人との交流(接待)”が息づいている。
お遍路さんの宿のお世話は、ただ「宿泊所」としてのお世話だけではない。
お若い女将さん(お母さん)一人がきりもりしているとの設定ではあるが・・・
これもまた(私の中に)薄っぺらになってしまっている要因かもしれない。
おばあちゃん役がいて、遍路宿の様子があり、人生訓など語ってくれたりすると、
ドラマに重厚観も出て、まだ少しは納得するのだけれどなぁ。



何より強く感じるのは・・・・
このドラマ全般に言えるのだが、「明るさ」だけが前面にでてしまっており、
徳島独特の個性や憂いが感じられず、非常にもの足りない印象がする。


もっと違った視点がほしいけれど、まだはじまったばかりだから、とにかく今は
ストーリー展開にも期待して観てみようか―と思っている。

随分と離れていた「NHK朝ドラ」というものに、久しぶりに戻ってみようと思う。