2023年1月23日(月)、部屋の片付けをしていると、さっちゃんの山日記が見つかりました。1988年のおよそ半年分です。さっちゃんが山行記録をメモ程度に書き残していたり、日記のように書いていたことがあることは知っていましたが、こうやって改めて見つかりましたから、元気だったころのさっちゃんを知ってもらうためにも、公開しようと思います。(青字は僕の書き加えた文章です。人名等は書き替えています)
1988年4月10日(日) 奥多摩駅~愛宕山~鋸山~大ダワ~神戸岩
尾根歩きがどうしても少なく、5月連休のこともあるので、少しは歩いてみようということで出かけた。天気は高曇りで、ハイキングには良い日であった。
登山靴はザックの中。前回の棒の嶺のように一度も足を入れずというわけにはいかず、歩きだしてすぐに道がぬかるんで来だしたが、長い階段を上りきるまで運動靴。上りきった神社のところで登山靴に履き替える。2、3日前、4月としては珍しい大雪が東京を見舞ったが、それの名残だろう、あちこちに雪が見られる。
愛宕山(知らぬ間に通過)を下った鞍部にてトイレタイム。下から車が上って来た(そこまでで行止り)のにはがっくりさせられる。
すぐ、鋸山・大岳山への登山道となるが、登るにつれけっこうな積雪であった。ときどき道を外すと、膝上まで埋まる。単独の登山者が3人くらい追い越して行く。
大岳山への分岐に着く。大岳山へは踏み跡が付いていたが、御前山に行くことにする。大岳山は距離的にも長く、時間がかかりそうである。
御前山に向かう前、大ダワ林道(鋸山林道の大ダワという名の峠)を横切るのであるが、林道へ出るまでの尾根道は誰も人が入っておらず、ラッセルをしなくてはならなかった。トラバース気味の道なので、雪がなければ時間のかかるところではないらしいが、結構時間を要した。
やっと大ダワ林道に出たが、この林道も結構な積雪であった。目の前に御前山に向かう尾根があるが、誰も入っていない。とてもラッセルして登って奥多摩(より正確には檜原村)に降りる(湯久保尾根)のは無理と言うことで、大ダワ林道を下る。(計画では湯久保尾根を下って檜原村へ下山だったようですね)
途中、20人くらいの団体に出会う。時間的にみてもPM1:00を過ぎているし、御前山に行くと言うが、状況を説明した。多分無理だろう。林道を歩き通して奥多摩湖に行くか、引き返してくるかだろうと思う。(先ほどの湯久保尾根の記述もそうですが、大ダワ林道と奥多摩湖の位置関係がさっちゃんは少しズレているようですね)
気温も上がっているため雪がぐしゃぐしゃ。できるだけ締まったところを歩く。林道も10cm~15cmの積雪であった。
長い林道もやっと終わり、靴を履き替え、神戸岩(かのと岩)の側を通るので、岩の側面に回り偵察する。ボルトや古いシュリンゲが残っている。昔は登られたこともあるらしい。バス停、神戸岩入口、あまり待つことなくバスが来た。
今回の山行は東京の大雪で一応装備を完全にして出かけたが、あれほどの積雪を想像していなかった。思わぬところで、雪山を歩けたことは楽しかった。今年初めての雪山を奥多摩で味わおうとは思っていなかった。
やはり自然は何かをもたらしてくれた。その中には危険の方が多いと思うが、今日のような楽しさもたくさんあるものだ。
2023.05.09 追記
この年はさっちゃんの捻挫などもあって、雪山には行けてなかったんですね。本格的な雪山は泊りになるでしょうし、ザックも重くなるので、足の状態が万全でないさっちゃんには無理だったのでしょう。
昔は4月の奥多摩で雪山を楽しめることも今よりずっと多かったと思います。里で雪が積もると、すぐの土日にはよく奥多摩を歩きに行ったものです。近郊の山で日帰りの雪山を楽しめるのですから。