ランドマーク探しⅢ

2012年から出張先での風景や社寺仏閣、由緒を訪ねて記録してきました。2016年からは自分の足で散策し、記録しています。

高山稲荷神社・石神社(品川)江戸名所図会めぐり

2018年03月12日 22時10分32秒 | 江戸名所図会めぐり

東京タワーのところにある施設の点検と報告会を2か月に一度行っています。報告会のあった3月12日は午前中は労働委員会会館で厚生労働省の医薬・食品衛生審議会食中毒分科会があったので傍聴しました。午後の報告会までに時間があったので品川まで出かけて、江戸名所図会に掲載されている高山稲荷神社と東禅寺を散策しました。

高山稲荷神社は品川駅の西口の近くにあります。江戸名所図会より

キャプション:薩洲侯御藩の南にあり。

江戸切絵図より稲荷と書かれているところが高山稲荷神社です。キャプションのように薩州藩の屋敷があります。

切絵図では江戸時代は国道1号線は海岸線に沿っていたようです。

★ランドマーク高山稲荷神社:高山稲荷神社の創建年代は不詳ですが、凡そ五百年前当地域に創建、有馬邸の東北丘上にあつたので、高山稲荷と称したといい、明治初年当地へ遷座したといいます当時神社の前面は海辺で房総方面よりくる舟の目標となっていた。永く高輪南町・下高輪町の鎮守の神として崇敬を集めた。現在の社殿その他は、昭和六年氏子崇敬者の浄財によって造営せられた。とのようです。

江戸名所図会では長い階段がありますが今は短い階段があります。

ということだそうです。狛犬は慶應元{1865年)年の銘記でしょうか。手水舎

社殿

港区登録有形民俗文化財平成6年(1994)3月22日指定の石燈籠(おしゃもじさま)です。

★ランドマーク石燈籠:「おしゃもじさま」は、縁結びの神として祀られているが、その名の由来はわかっていない。高輪の台地上にあった「石神社(別名『釈神社』)」が、高山稲荷神社に合祀されたもので、『江戸名所図会』によれば、石神横町(しゃくじんよこちょう)といわれていた。これを誤って里俗で「おしゃもじ横町」といったとされ、この名からつけられた名である可能性もある。

  このおしゃもじさまは、もとは切支丹燈籠で、一説には高輪海岸で処刑された外国人宣教師を供養するために建てられたといわれ、また海中より出土したともいわれる。切支丹の隠れ信仰があったことを物語る資料である。(東京都港区教育委員会)江戸名所図会より

キャプション 縁遠き婦人、当社に詣で良縁を祈れば必ず験(しるし)ありといふ。報賽には社地に何に限らず樹木を栽ゆるを習俗(ならい)とせり。相伝ふ、石剣を祭るといふ。

 

よく読めませんが以下のように書いてあるようです。

高山稲荷神社は京都伏見稲荷大社の御分霊・正一位福聚稲荷大明神の御分霊を祭祀しております。
往時の文献によれば今から凡そ五百年前当地域に神社の建立を御勧請し神社を建立したと記されております。
当時高輪の地形は小高い丘陵で社殿は二百数十段の石段の山峰に位置し山上の神社故高山神社と称されたと伝えられております。
現在の社殿前方品川駅一帯は見晴らすかぎり海辺がつづき遠く房総方面より往き来する舟の目標となったものと記されております。(寛政年間の江戸名所図会参照)
明治初期毛利公爵が当地に邸宅を構えるに及び同家より広大な敷地の寄進があり境内からの眺望は目を見張るものがあったと思われ明治天皇が京都より江戸への遷都に際して当所で御休息・御野立をなされたと伝えられて居ります。(毛利家所蔵文献参照)
大正十二年関東大震災後国道の拡張に伴い約十五米の境内を失い参道も(旧参道は現在地北側約三十二米先の石畳道路に面しており南方へ向って石段を昇った)現在の方位に移りましたが歴史の流れと共に社殿の損傷も甚しく昭和の初期諸先輩の努力により高山神社奉賛会を設立し氏子一同の熱心な御協力により昭和六年九月吉日社殿の御造営を落成し現在の荘厳な新社殿を仰ぎ見るに至った。当社は古来高輪南町・下高輪町(旧中町)の鎮守の神として氏子町民の信望を集め毎年九月十五日を期し賑やかに大祭の行事を執行致しております。
昭和六十三年に至り約六十年間風雪に耐えた神社大鳥居並社殿内外の大改修の必要にせまられ茲に奉賛会会員並氏子一同の絶大なる御協力・御奉納により改修の完成を見るに至った。
当神社は数百年来鎮守の神として氏子町民の守護神として信望を集め強いては全人類の平和と幸福を祈り国家の隆昌と子孫の繁栄に御加護下さる由緒ある神社です。

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