『出前寄席で牡丹燈籠』
男前の彦丸さん
にわか作りの高座 サービスの踊り
7月20日(土)の午後、調布市が市民活動の支援事業の一環として催す出前寄席を覗いてみた。
会場は予想通り椅子席二十五、六の狭い一室だったが、無料と云 . . . 本文を読む
『原発汚染水漏えいとエンドレス神話』
東京電力は、福島第1原発で増え続ける汚染水を保管するため、敷地南側に残る森林を伐採し、タンク設置場所の造成を始めた。地下貯水槽から汚染水が漏えいし、タンク増設計画を前倒しするためだが、対策は行き詰まりつつある。……(2013/4/15)
東京電力福島第1原発では、原子炉建 . . . 本文を読む
(それでも、やっぱり本当の奇跡は木村秋則さん)
6月公開の映画「奇跡のリンゴ」で彼の人生が描かれる
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも注目されたリンゴ農家・木村秋則さんの生き方が、今度は映画で描かれるという。
ぼくが最初に木村さんの存在を知ったのは、東邦出版から出た『すべては宇宙の采 . . . 本文を読む
『空からのTUNAMI』
昨日はテレビで3.11東日本大震災から二年目の特集番組を数多く見た。
津波の爪痕とその後の復興の遅れをテーマにするもの、福島第一原発による放射能汚染と遅々として進まぬ補償に焦点をあわせたものなど報道の視点はさまざまだった。
その中で10チャンネルの「報道ステーション」が取り上げた東北3県の海岸線を巨大な防潮堤で結ぶ構想が着々と進んで . . . 本文を読む
『米長邦雄のさわやか人生』
西武新宿線の準急停車駅「鷺宮」近くに十数年間住んだことがある。
線路と直角に交わるバス通り沿いに商店街があり、昔ながらの電気屋や蒲団屋、文房具屋、それに時計屋、雑貨屋、貸本屋といった店が軒を並べていた。
現在は○○店と呼ぶのが習わしのようだが、当時の雰囲気はどうしても上記のように書かないと伝わらないのでご容赦願いたい。
ぶらり街歩きをしても . . . 本文を読む
『孫悟空と憲法9条』
衆議院議員選挙の投票日が12月16日(日)に迫る中、三つの大きな争点の陰で「憲法改正」についての重大な発言がなされている。
自民党党首の安倍さんと、日本維新の会の代表となった石原さんの二人が、選挙後にタッグを組んで改憲に向けての行動を起こしそうな気配である。
それぞれが束ねる党内情勢は、現在のところ一本にまとまっているとは思えないが、メディアの予測 . . . 本文を読む
『辺見庸の起承転結』
とりあえず辺見庸の出発点は、共同通信社の記者時代にあった。
彼自身が述べているところによれば、入社したのは「父親も新聞記者で、ある意味、知らない職業ではなかったから」ということである。
当時、反体制の若い人たちの間では、「まともに就職するヤツはおかしい」と思われていた時代で、入社したことについて安心感と同時に失意もあったという。
入社早々支局の . . . 本文を読む
『ラジオ深夜便で作家・宮本輝の語ったこと』
10月16,17の両日、宮本輝氏へのインタヴューをNHKラジオ深夜便で聞いた。
* 〔明日へのことば〕 創作の源泉を語る 小説家 宮本 輝
なんでも『水のかたち』という上下2巻の長編小説が刊行されたとのことで、タイミングとしても時誼を得た企画だったと思う。
話によれば、終戦時10名弱の日本人が北朝鮮からの脱出を図り、 . . . 本文を読む
『朝顔の侵犯』
近くの家の塀から、ごらんのとおり朝顔が顔をのぞかせ花を咲かせた。
借りている駐車場に行くためときどき通る通路なので、最初ツルを伸ばしてきた段階から知っていた。
ブロック塀の穴から植物が越境して来るさまはそう珍しいことでもなく、掴まるところのないツルがもがいているわいと気にもとめなかった。
それから数日忘れていたところ、なんと上の画像のよ . . . 本文を読む
『落石注意』の本当の意味
昨年9月の画像
もうかれこれ五年も前のことだが、ぼくは『落石注意』の怪(2007・8・26)というタイトルで次のような小文を書いた。
<・・・・切り立った崖にコンクリートを吹き付けたり金網を張って落石を防御している様子は、あまり気持ちの好いものではない。
大雨の後、日本各地で崖崩れや落石による被害が報道されるが、長雨や台風 . . . 本文を読む
『気象』
梅雨の季節になると、空もようとともに気持ちまで湿ってくる。
そんな気分になる人も、けっこういるんじゃないかな。
他方、雨を予報し自分の出番だと喜んでいる植物がある。
触れちゃいけない「あめふり朝顔」。
気象予報士がお揃いで雨の歌を合唱している。
おれも仲間入りとばかりに、曇り空からツーッと降りてきたのは青虫さん。
雨を . . . 本文を読む
「自動起床装置のいま」
(辺見庸の仕かけたもの)
二十数年ぶりに、辺見庸の芥川賞受賞作を読み返してみた。
今回よかったのは、新風舎文庫版の『自動起床装置』を手に入れることができた点である。
何がよかったかというと、ぼくが最初に読んだ「文学界」(1991年5月号)だけでは知りえなかったさまざまのことが投げ込まれていて、少しだけ理解が進んだような気 . . . 本文を読む
「久しぶりに見るチンドン屋さん」
チンドン屋さん
景気が低迷して実に久しい。
ちょっと中心を外れると、たいがいシャッター商店街がつづいている。
こうなったきっかけは、「新大店法」とかいう法律が施行され、スーパーマーケットやアウトレットが実質的規制緩和のもとで一気に増えたからに違いない。
大量仕入れに大量販売、庶民にとっては品物が安価に手に . . . 本文を読む
絆
(居直りの構図)
1月17日阪神・淡路大震災から17年目の追悼式典が行われた日に、東京電力の平べったい顔をした責任者が電力料金の値上げを発表した。
まずは大口利用者に対する値上げ要請で、値上げ率が17パーセントというから「数字遊び?」と妙な気分になりかけた。
それにしても、この人たちの厚顔さには呆れかえる。
一応昨年の内に、「原発が止ま . . . 本文を読む
「辺見庸の予感したもの」
2011年11月11日は、3月11日の東日本大震災からちょうど八か月目の日にあたる。
この日に当たって、有識者が被災地復興の遅れに苦言を呈したのは至極もっともであったが、具体策のない、汗も苦脳もともなわないコトバは却って空しさを増幅した。
むしろ、6個の1が並んだ数字の示す尖った暗示が、人びとに未来への予感を示したのではないだろうか。
あ . . . 本文を読む